『忠実、北山抄をたたえ、江次第の反訳間違いを指摘すること』速記談2019
関白藤原忠実公がおっしゃった。大納言藤原公任卿がお書きになった北山抄は、有職故実に詳しく、すばらしい書だ。道長公の御子息教通公を婿に迎えた縁で、九条流の祖である藤原師輔公の日記なども参照して書かれたものだからである。一方、大江匡房が書いた江次第は、父師通のために書かれたもので、速記録の反訳間違いのせいか、内容に少々誤りが含まれているようではあるが、後の者が参考にするには十分だろうと思われる、と。
教訓:速記の反訳間違いは、反訳に問題があるのではなく、速記を書いた時点に問題があるのである。師輔は、史上初めて内親王を降嫁された人物。