第三十二章 「教育」を担当するミシェル
ミシェルは学校でのいじめをなくすために、ある学校で講義をしていた。
「いじめとは、自分と違う他者を排除しようとするシステムで、大きな問題となっています。いじめをなくすためには、自分と違う他者を受け入れるようにしなければいけません。」
ミシェルは一生懸命話すが、関心を持って聞いてくれていそうな生徒はほんの一部だった。
と、その時、「いじめはダメですよ!」と言いながら、フィノが教室にピョンピョン跳ねながら登場した。
生徒たちは一斉に話したり、笑い出したりした。「何あれ!」「面白―い!」と騒いだ。
「僕の名前はフィノ。僕のお腹のボタンを一回押すと、羽をパタパタさせるし、二回押すとしっぽの上でピョンピョン跳ねるのさ。」
生徒たちは喜んでフィノの方に集まると、フィノは「ただ一つお願いがある。この学校からいじめをなくし、社会全体からいじめをなくせるように協力してほしい。いじめは、いじめられる側にとってもいじめる側にとっても決して良くないし、それを社会からなくすためにはみんなの力が必要なんだ。」と言った。
生徒達は素直に「はーい!」と答えた。
「ありがとう、フィノ。来てくれて。」とミシェルは生徒たちと楽しそうに遊んでいるフィノを見ながら、笑顔でつぶやいた。




