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プロローグ
「はぁ…今月も残業続きだった」
今日も日付が変わったなと思いながら、夜道を一人の男が歩いていた。
困っている人が居たら助けてあげなさい、と亡くなった祖母の教えを守って、仕事で困っている人の分まで助けていたら仕事量が増えたのだ。
困っている人を助けてはあげるが、自身が困っていても誰かが助けてくれる事はない。
「まぁ…自分が納得しての行動だから自業自得か」
男は見返りは求めてない。自身が困っている人を放っておけないだけ。見て見ぬ振りが出来ないだけなのだ。
少しは声だけでも掛けてくれたらなぁと思う時もあるが何だかんだで無難にこなしてしまう。
「今日もコンビニか」
と道中、車のライトに照らされ、瞼を閉じる。
そこから自身の記憶はない。
瞼を開けると白い部屋に少女が一人座っていた。