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くらい沼のお話

作者: 守谷 洋一

このお話は選択肢があります。

深く、くらい沼があった。一人の寂しい神人がやってきて、沼と交わった。神人は胸まで沼に浸かり、交わった。沼は、女を一人浮かべてよこした。沼と神人の交わりでできた女だった。神人は女を抱き上げ、その胸を吸った。乳は出なかった。女は目を開けた。神人は女に乳が欲しいと言った。女は、自分の後についてくるよう神人に示した。岸に上がると、女は座り、自分の膝へ頭を乗せるよう神人に示した。神人がそうすると、女は神人に乳を与えた。温かく、甘い乳だった。神人は心ゆくまで乳を飲んだ。乳を飲み終えると、神人は女の腹へ顔を向け、眠った。女は神人を撫でてやった。目を覚ました神人は、自分を女の腹に入れてほしいと頼んだ。女は承知した。神人は体を丸め、小さく小さく、硬くなった。女は、玉になった神人をa腹に入れた。b飲み込んだ。

a腹に入れた。神人は、暗く温かな女の腹の中で眠りに就いた。女は腹を撫でてやった。深く、くらい沼のほとりから、女はずっと離れなかった。何事もなければ、今もそこで、自分の腹を撫でている。(完)

b飲み込んだ。神人は怒ったが、何もできなかった。女は神人の力を得た。女は深く、くらい沼を発った。女の姿で男と、神人の姿で女と交わり、様々な地で多くの子をもうけた。女は英雄たちの母となり、また自身は最初の英雄となった。なした子の一人が神々の王として戴冠した時、女は太母となり、この世の全ての王、司祭、賢者に額ずかれた。我々が己の内の暗闇に感じるあの仄かな温もりは、最初の英雄にして太母たる、女の肌の温もりである。(完)

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