驚愕
開いてくださいありがとうございます。
是非是非ブクマや感想などよろしくお願いします。
それでは本編をどうぞ。
「デビルズハンターってやつなんですけど …… 」
清水さんは好きなゲームを教えてくれた。
奇しくも俺もやり込んでいるゲームだった。
デビルズハンターとは敵の悪魔を倒すのが目的のゲームだ。
そして悪魔を倒すとその悪魔の能力が付与された武器や防具を手に入れることができ次の悪魔を倒すといったことができオフラインやオンラインでも楽しめる。
「面白いですよね」
「は、はい、でも途中でソロだと中々勝てなくなってしまって行き詰まってるんですよ」
「もし良ければオンラインで手伝いましょうか?」
「え、いいんですか !? 」
「ちょ、ちょっと磐田くん ? 」
白羽さんが困惑していた。
それもそのはずだ。
テスト週間で勉強するはずの時にゲームの約束をしているのだから。
ただ俺はゲームをしたいからこんな約束をしている訳では無い。
まぁ、少しは勉強から逃げたいという思惑もあるのだけれど。
「えぇ、手伝いをするで佐倉先輩と会っていただいて話して貰えませんか ? 」
「か、楓ちゃんと ? 」
「俺としては部室でも楽しくゲームの話を清水さんとしたいので学校に来れるようになると嬉しいなって」
「わ、分かりましたけど楓ちゃんと仲違いしてる訳じゃないですよ?」
「 …… え ? 」
確かに学校に来れなくなった理由はゲームって言ってたけども。
それにハマるようになったのは佐倉先輩と同じペースでお菓子を食べてしまったことが原因なはず。
「でも佐倉先輩は清水さんとのこと気まずそうにされてましたよ !? 」
「そ、それは多分なんですが私がゲームにハマった時に楓ちゃんも一緒にゲームしてくれて」
「ただ途中で飽きてしまったのかログインしなくなったんで顔を合わせずらいのかと」
「確かに楓先輩って気分屋ですもんね」
「じゃあ、俺たちが勝手に勘違いしてたのか」
それじゃあ清水さんが学校に来て貰える条件は既に整ったことになる。
こちらが重く捉えすぎていたのだろう。
「それじゃ清水さんは学校に来てくれるんですね ? 」
「は、はい、お邪魔じゃなければ麻雀部にも顔を出させていただきます」
失礼に当たるかもしれないが清水さんの目を見させて頂こう。
嘘をついてると思うが万が一ということがある。
清水さんの思考が読めた。
本当にゲームが好きなんだなと思える。
デビルズハンターのことしか考えていなかった。
「それじゃ学校で待ってますね」
「は、はい、テストの日までには行けると思います」
「部室でオンラインの日程とか話し合いましょうね」
「清水先輩が来てくれるのを私も待ってます」
「は、はい !! 」
「先輩なんでタメ口でいいんですよ」
そう言ってから三人でドリンクバーを飲みながら談笑をし帰宅した。
これでテストまでには麻雀部五人が揃うことになる。
全国大会への一歩目が踏み出された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
授業終了のチャイムがなる。
「あー、やっと終わったー」
今日は睡魔に負けずに最後まで授業を受けきることができた。
自分で自分を褒めてあげたい。
半分くらいしか理解できない授業内容であったが。
少しずつ白羽さんに教えて貰っているからか完全に分からないということではなくなってきた。
「今日もテスト週間で部活はないからな」
「お前らちゃんと勉強しろよ」
担任がホームルームで話している。
前回と同じく俺を見ながら勉強しろと話していた。
部活は無いはずだが佐倉先輩は部室でゴロゴロしているだろう。
昨日のことを話すためにも顔を出すだけしておこう。
そう考えているうちにホームルームは終わり放課後になった。
「お疲れ様です」
部室に辿り着き扉を開ける。
「おーす」
気の抜けた返事が返ってきた。
声の出処からして佐倉先輩がソファに寝転がっているのだろう。
「またお菓子食べてるんですか ? 」
「だから食べても太らないもんねー」
「それじゃテスト勉強でもしてください、テスト週間ですよ」
自分のことを棚に上げて佐倉先輩に言う。
佐倉先輩が勉強しているところなど一度も見たことがないから勝手に自分より下に思い注意した。
「うるさいなー母親みたいなことを言うんじゃねー」
「佐倉先輩のこと心配してるだけですよ」
嘘ではない。
お菓子を食べている姿しか見ていないのを心配はしている。
だが下に見て優越感を感じていたのも事実だが嘘ではない。
「あれ ? 言ってなかったっけ ? 」
「私テストで学年一位から転落したことないぞ ? 」
佐倉先輩は男女関係なく敵に回す才能があるようだった。
読んでいただきありがとうございます。
是非ブクマや感想などお待ちしております。