男女が密室で
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「ごめんね、こんなものしかないけど」
「き、気にしないで」
「それじゃいただきます」
俺の目の前には高そうなケーキと、これまた高そうなティーカップに注がれた紅茶があった。
俺は今白羽さんの家にいる。
何故かって?
それは全て佐倉先輩のせいだった。
いや、佐倉先輩のおかけで。
あの日任務を俺たちになすり付けた後住所のメモを渡されて佐倉先輩は逃げるように帰っていった。
その後その住所に向かってみたが見知らぬ人の家がありどうしようもなく帰ることになった。
だがこれでは何も進まないということで白羽さんとの作戦会議が決行されることになった。
そしてその作戦会議の場所はなんと白羽さんの家。
佐倉先輩には今度お菓子を買って行ってあげよう。
「佐倉先輩、あんたサイコーです」
「ん ? なんか言った磐田くん ? 」
「気にしないでこっちの話だから」
「それにしても白羽さんってお金持ちだったんだね」
家の外観から内装、小物にまで気品さを感じる家である。
白羽さんの部屋に案内されたが部屋自体が俺の家くらいあるんじゃと思う程に。
そうとすると俺の部屋は犬小屋レベル …… 。
「そ、そんなことないよ」
「このレベルでの謙遜は逆に嫌味な気が …… 」
「それにもしそうだとしても私じゃなく私の親だから」
「本題は幽霊部員さんの作戦会議でしょ」
「いやー、流れに身を任せて来たけど女の子の部屋で作戦会議に集中できるかといえば …… ねぇ ? 」
俺も年頃の男子高校生だ。
女の子の部屋に来たら周りを隅々まで見渡してしまうし匂いは嗅ぐし緊張してしまう。
そんな状態でこの部屋の住人の女の子と何を話せと?
意識して話せるはずがない。
「ちょ、ちょっと !! 変なこと考えないでよ」
「私だって家に男の子上げるの初めてなんだから …… 」
「ご馳走様です」
「ご馳走様って !? 」
つい口が滑って本心が。
最近口が滑ってしまうことが増えてるから本格的には治さないとな。
それにしても女の子の初めてって単語は反則的だと思います。
ダメだ意識しすぎてしまう。
これは真剣な話で気を紛らわせないと。
「冗談はさておき幽霊部員について知ってた ? 」
「冗談には見えなかったけども …… 」
「幽霊部員さんについては知ってたよ」
「校則で部員が5人で部活として認められるらしいから後一人が気になって聞いたんだ」
そのような校則があるから入学当初あんなに強引に勧誘されたのか。
思い出したくない。
それより校則なんて読んだことない。
だがここで読んだことがないのがバレてしまうと馬鹿だと思われてしまう。
麻雀部に馬鹿は佐倉先輩一人で充分だ。
「校則ねー、あー、書いてたねー」
「うん、知らなかったのは気づいてるから話を進めるね」
「はい …… 」
既に白羽さんは気づいていたようだ。
もう俺より思考が読めてるんじゃないか?
もしかして白羽さんも同じ能力を?
少しだけなら能力を使って確認してもいいだろうか?
あくまでも確認のために。
そう言い訳をして白羽さんの目を見つめた。
「それで楓先輩に聞いたらって磐田くん聞いてる?」
(なんで見つめられてるの !? )
(ただでさえ磐田くんが部屋にいるから緊張しちゃうのに)
(緊張してるのがバレないように真面目な話をしないと)
「磐田くん聞いてる ? 」
「 …… 尊い」
「…… へ ?」
「ごめん、別のこと考えてた話を元に戻そう」
「尊いって何 !? 」
「それで佐倉先輩はなんだって ? 」
上手いこと誤魔化せたな。
うん、我ながら完璧な誤魔化しだった。
…… もっと気をつけないと。
さすがにあれは不意打ちすぎるけども。
白羽さんずるすぎませんかね?
その後、ため息をついて白羽さんは話を元に戻し続きを話してくれた。
「楓先輩から聞いたのは元々部長の幼なじみも麻雀部に入る予定だったらしいの」
「ただ私達新一年生を勧誘してる時に何かあったらしく、それ以来学校に来てないらしい」
「何があったのか詳しいことは楓先輩は何も教えてくれなかった」
「部長には聞くチャンスすらなく …… 」
そう言って白羽さんは押し黙ってしまった。
自分の非力さを悔いているようだった。
俺はこんな時にどんな言葉をかけていいのか分からない。
だが一つだけ分かることがある。
「ありがとう、白羽さんのおかげで何をするべきか分かったね」
「 …… え ? 」
「今は二人なんだから協力して頑張ろう」
「 …… ありがとう」
「取り敢えず明日にでも俺は佐倉先輩のとこに白羽さんは部長とこに手分けして行ってみよう」
「分かった」
全国大会への道を少しだけ前進した気がした。
まだまだ途方もない道なのだろうが。
現状は何も変わってない俺と白羽さんが協力したくらいだ。
だがそれが一番の心の支えになっている。
「作戦会議はこのくらいしかできないかな」
「そうね、明日頑張りましょう」
「それじゃこの年頃の男女が放課後にするべきことは …… 」
「テスト勉強だね」
「はい …… 」
「あれ ? 磐田くんどうかした?」
「いや、中間テスト近いしそりゃそうだよね」
分かってたよ分かってました。
ただの冗談だったし。
気分が落ち込む。
来週末にはもう中間テストだ。
確かに朝のホームルームでそんなことを言っていた気がする。
さらに気分が落ち込む
とてもまずい …… 。
何故なら俺は勉強が苦手だ。
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