表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔弾転生  作者: 藤本敏之
第4章
96/129

第93話

作者名を本名にしました。肩もなんとなく治りました。

フィリスとマティーナが治療を行い、マリアーナ、ミロ、ハクアがその支援に回っている頃、四龍達はミカヅチ国内の水源の元、即ち地下へとやって来ていた。巨大な洞窟の奥に水源があり、地下300mと言ったところか?かなり深い場所にあった。

「うーん、ヴォルファー王国よりも水源としては問題無さそうなんだけど…スイレン、どうなの?」

「…地下から汲み上げて、地上に流しているのは問題ない。…でもそのせいでその水が全て汚染されたことに問題がある。」

「でも水源の元に何があるのかしらね?」

「ライファ、それを私達が調べに来たのでしょう?兎に角、何かしらの原因はあるはずですわ。」

縦穴ではなく斜めに進んでいく形のその洞窟、途中で螺旋状になっていたり、幅が狭かったりと、最深部まではかなりの距離があった。と、先頭を歩いていたライファが立ち止まる。

「どうしたの、ライファ?」

「なんか…臭くない?」

「…この匂いは…?」

「水の匂いにしてはおかしいですわね?」

四龍達は先を急いだ。ライファが明かりを灯しているので、足元は危なくないが、何が居ても対処できるようにゆっくりと歩いていたのを、少し早足で向かった。と、変な匂いがしてから30分後、ようやく最深部まで到着した。そこで見たものは、巨大な湖に近い水源だった。洞窟の天井からは巨大な管が取り付けられ、水を汲み上げるようになっているのだが、いち早くスイレンが気づいた。

「…やはり…」

「どうしたの、スイレン?」

「…この地下水脈、そこにヒュドラがいる。」

「え…!?」

「そんな…確かですの?」

エンレン、ライファ、ランファが驚く。本来、ヒュドラは水生の生物ではない。陸上において毒を吐く巨大な蜥蜴だ。しかし、水のスペシャリストであるスイレンは、地下水を手で掬い、一口飲んだ。

「…かなり微弱だけど、人間には充分過ぎる猛毒…間違いない。」

「水の中で生きれるヒュドラなんて、聞いたこと無いわよ。」

「どうしましょう、お姉様…」

「一度陸上に戻って、フィリス様に報告すべきかしら…」

「…そんな時間は無い。」

「スイレン?」

「…水を通して確認出来た。…あと1日でヒュドラは完全体になる。…そうなったら、今より強力な毒素がミカヅチ国内に拡がってしまう。」

「そんな…!?」

「…この場で対処する。…力を貸して。」

「勿論よ、これ以上犠牲者は出させたくない!」

「スイレン、指示を下さいな!」

そう言うと、スイレンは他の3人に指示を出す。

「…ライファは水に雷を落として。…姉さんとランファは襲いかかってくるヒュドラを攻撃して欲しい。」

「解ったわ!」

「任せて下さいな!」

「…私はこの水源を元に戻すために力を使うから、戦闘は出来ない。…お願い。」

そう話をして、全員が頷き合う。そして、ライファが地下水にボルテックランスという、強力な雷を落とした。凄まじい爆雷が水源の奥まで伝わり、数秒後、水源から巨大なヒュドラが姿を現した。

「こんなに大きかったっけ?」

「そんなのはどうでも良いですわ!エンレン、やりますわよ!」

そう言って、エンレンはフレアバーストを、ランファはソニックスラッシャーを唱えてヒュドラを狙う。フレアバーストはヒュドラの胴体に当たり、ソニックスラッシャーは見事に首を切断した。ヒュドラの毒は胴体、それも胃で作られている。それを吐き出す口、その両方を同時に攻撃されて、ヒュドラはなす術なく絶命した。

「よし!スイレン、やったわよ!」

「これでオッケーね!毒素もエンレンの炎で無効化したし!」

「あとは出来ることはあるかしら?」

「…大丈夫、任せて。」

ヒュドラの死体は、スイレンが水の膜を張り、陸に置かれ、そのあとスイレンが水の浄化をする為に水へと潜る。一時間程経った頃、ようやくスイレンは水面へと顔を出した。

「…終わった。」

「お疲れ様、スイレン!」

「よかったぁ。心配したわよ!」

「これで帰れますわね!」

「…でもご免…すごく…疲れた…」

陸にあがるとスイレンは倒れ込んだ。それをエンレンが受け止める。

「寝てて良いわよ、お姉ちゃんがおんぶするから♪」

「…有り難う。」

「ヒュドラは私とお姉様が運ぶわ!」

「安心して休みなさい。」

そうして、見事に任務を果たして帰路に着いた。

読んでくださっている方々、有り難う御座います!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ