第92話
翌朝、アサギに治療を施してハクアに乗り、暫くハクアが走ると、ミカヅチ国が見えてきた。5人増えて13人乗っているのだが、ハクアのスピードは変わらなく、いつもより速いぐらいだった。安定性を保つため、フィリスは膝の上にアサギを乗せて、抱き寄せるようにしていたので、他の四龍達は気が気では無いような顔をしていたが…兎も角無事にミカヅチ国に到着する。門番にはカスミと他の4人の忍びが話をして、入国させて貰うと、フィリス達は城へと案内された。現代に置ける和風の城の形状を見て、フィリスは懐かしさを覚えたが、とにもかくにも国王と話をしたいといい、暫く待たされている間にアサギの更なる治療をし、城の病人の治療を行う。漸く寝室で話を出来ることになった時、フィリスのみが話をすることになった。フィリスが寝室に赴くと、畳の上に布団をひいて横になっている国王がいた。その周りにも病気の者がちらほらと…
「ヴォルファー王国の方よ、お初にお目にかかる…レイジ・ミカヅチ、この国の国王だ。」
「初めまして、国王陛下。私はフィリス・ヴォルファー。ヴォルファー王国国王マーティス・ヴォルファーの甥です。」
「済まぬな、このような有り様で…」
「国王陛下、少し失礼します。」
そう告げると、フィリスはレイジの額に手を当てて、回復魔法を使う。暫くして、レイジの顔色が良くなる。
「フィリス殿、これは…?」
「今暫くかかりそうですが、これで楽になった筈。同じ治療を私の供の者が城の病人に施しています。国中の方の治療も行います。安心してお休みください。」
「うむ…感…謝する。」
そう言って、眠りについた国王を見て、周りの人達は安堵した。そしてフィリスがその人達の治療も行っていった。が、根本の解決にならないと踏んだ四龍達は、フィリスから許しを得て、原因の究明に乗り出した。
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