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魔弾転生  作者: 藤本敏之
第4章
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第89話

マリアーナが膝枕をして、ハクアに氷を出してもらい、額、ワキ等に付けて冷やしていく。呼吸は安定しているし、熱ももうないのだが、目をなかなか覚まさなかった。仕方なくフィリス達はヴォルファー王国へ連れて行くことに決めて、ミロに乗って帰る。無事に着くと、取り敢えず客間に寝かせて皆で看病し、フィリスはマーティスに事情を説明するために謁見の間へ赴いた。

「ふむ…ミカヅチ国の方から来たのだな?」

「えぇ。対岸からミノタウロス兎に角3匹と出てきた時は驚きましたが。」

「解った。ミカヅチ国は友好関係では無いが、敵対しているわけでもない。ましてや不干渉できているのでね。なにぶん文化や風潮の違いもあるだろうから。フィリス、面倒をかけるが、せわを頼めるか?」

「勿論です。途中で放り出す様な、腐った人にはなりたくありませんので。」

そうしてフィリスは再び客間へと向かう。するとメイドの一人と廊下ですれ違った。

「フィリス様、女の子が目を覚ましました。」

「そうですか。では、国王への報告は…」

「私がしておきます。」

「有り難う御座います。あと、もしかすると空腹かも知れませんので、軽めの食事の準備もお願いします。」

「畏まりました。」

メイドと別れて客間へ行くと、ミロとハクア、マティーナの笑い声がする。フィリスが入ると、皆がフィリスの方を見た。

「あっ、パパ!」

「わふぅ、この子、目が覚めたです!」

そう言うミロとハクア。フィリスはベッドへ近付いて、椅子に座る。

「初めまして。」

「あ…は、初めまして。」

「怖がらなくて大丈夫。ここはヴォルファー王国の客間だよ。いくつか質問させて貰いたいけど…お腹は空いているかい?」

「は…はい…」

女の子はそう言うと、お腹がく~と鳴った。

「さっきメイドの一人に食事を頼んだ。直ぐに来ると思うよ。先ずは自己紹介をしようか。私はフィリス。」

「エンレンよ。」

「…スイレン。」

「ライファよ。」

「ランファと申しますわ。」

「マリアーナと申す。」

「ミロだよ!」

「わふぅ、ハクアです!」

「マティーナというよ、宜しくね、」

「あ…私は…カスミ…カスミ・ミカヅチと申します。」

「やはり…ミカヅチ国の…?」

「すみません…」

「謝る必要は無いですよ。年齢は?」

「…12歳です。」

「ミロとおんなじだぁ!」

「そうか…取り敢えずゆっくりと休むことが必要だね。」

「あの…私はどれくらい眠っていましたか?」

「3時間くらいかな?君と会ったのは夕方だったし。」

「お願いが…あります。国王陛下とお目通りを…」

「解ってる。でも、せめて食事だけはしないとね。いきなりお腹がなるのは良くないだろう?」

「…はい。」

そう話していると、メイドがパンとミルク、サラダを運んできてくれた。カスミが食事を始めようとしたとき、フィリスは立ち上がり、皆に言う。

「兎に角、ゆっくりと食事をさせてあげて。叔父上には私から説明しに行くから、食事を終えて落ち着いたら、謁見の間に来て欲しい。」

そう言って、客間を出ていった。

読んでくださっている方々、有り難う御座います!

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