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魔弾転生  作者: 藤本敏之
第3章
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第83話

その翌日からが大変だった。先ずはヴォルファー王国がどのような政策を行ってきたのかをフィリスは大臣や財務を取り扱っている者達と話をしてみた。元々土壌は良く、作物や水等にも問題はない。4つあるヴォルファー王国領の街や3つの村からも食料や税金はしっかりと支払われていることが良く解る。そしてなにより節制に努めていることが帳簿などからも見て取れた。ならば何が問題なのか?国内の他の産業が上手く行っていないのだ。大陸の立地上、東にバリロッサ帝国、南にミカヅチ国があるのだが、西の方が開拓されていないので海産物はバリロッサ帝国のアンタイルの街から輸入していること、また北の方角からモンスターが大量にやってくるらしく、その対応に追われてしまっていることが問題なのだ。前者は税金が高く、距離もあるのでなかなか輸入できないが、貴重な海産物を手にいれる為に必要。後者はそのせいでバリロッサ帝国から兵を借りるため、同じく多額の資金をバリロッサ帝国に払わなければならない。アンタイルの街で聞いた、弱小国と罵られた原因が良く解った。ではフィリスはどうしようとしているのか?簡単である。先ず北にエンレンとライファを派遣し、兎に角モンスターを討伐して貰う。また、西にはスイレンとランファを送り、海までの道を作る。西は山が多いのでミロが同行、北にはハクアが同行した。また、マリアーナにはヴォルファー王国内の資料の整頓を頼んだ。そのお陰でフィリス自身の情勢掌握は直ぐに出来た。また、バーバラや大臣達の子供に対してマリアーナが教育を行い、将来的な地盤を固めることにした。怒涛の勢いで、フィリス達がヴォルファー王国に到着して2ヶ月、北のモンスターの被害は格段に減り、西は海までの道が完成していた。これから西の海に新しい街を作るという時、フィリス達は久しぶりに皆で城の部屋でのんびりとしていた。

「しかし…あっという間の2ヶ月だったな。」

「そうですね、フィリス様。」

「…でも充実してる。」

「それはそうなんだけどねぇ。」

「フィリス様とこうしてのんびり出来るのも久しぶりですわね。」

「済まない…妾だけフィリス様と一緒で…」

「マリアーナお姉ちゃんがいるから、安心して行けたんだよ?」

「わふぅ、そうです!それに楽しかったのです!」

現在、部屋にはフィリス達8人が集まっている。フィリスはソファに座り、膝の上にミロを座らせ、そのミロがハクアを膝に座らせている。まだハクアが小さいから出来る芸当ではある。そして右にはエンレン、左にはスイレンが座り、ライファとランファ、マリアーナは正面のソファに座っている。と、不意に扉がノックされる。

「フィリス兄様、バーバラです。」

「どうぞ。」

するとバーバラが入ってくる。

「済みませんお兄様。勉強のことで解らないことが…」

「大丈夫だよ。解らない事を解らないままにするより、理解しようとすることが大切なのだから。それで…何処かな?」

「この国の情勢で…」

現在、バーバラや大臣の子供達はマリアーナの教育のお陰か、充分にフィリス達の力になれるほどに成長していた。マーティスからはメイドの付き添い無しで動いても良いとの話も出たので、たまにフィリスの元へと自由に来ていた。勿論、たまにミロとハクアとも遊んでいる。

「…そういうわけだけど、解ったかな?」

「はい!マリアーナさんの話も解りやすいのですが、どうしても解らないこともありまして。」

「それは仕方ないよ。でも、他の子達にも教えてあげてね。」

「勿論です。」

そう言って、バーバラは出ていこうとするが、ミロとハクアが遊んでくると言って、3人で部屋から出ていった。

読んでくださっている方々、有り難う御座います!

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