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魔弾転生  作者: 藤本敏之
第3章
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第75話

さてそれから半年が経過した頃のこと、フィリスは現在自身の服を家で洗濯をしていた。四龍達が洗うと言って聞かないこともあったが、元々四龍達のいつも着ているのは自身の生成した服なので、自前の物は自分で洗うとフィリスが決めたことだ。いつもはクリーンの魔法で行うので汚くはないのだが、たまには太陽にあてて気持ちの良い服にしていた。ようやく干し終えて、一息つくと、庭で遊んでいるミロとハクアの姿があった。遊んでいるとは言ったが、娯楽はおろか2人で出来ることは少ないので、2人は魔力操作の訓練を行い、それを遊びとしている。2人はお互いに少しずつ魔法をだしあい、それを防ぐという、本来ならやらないような訓練をしている。相反する2つの魔法が当たった場合、凄まじい衝撃が襲うのだが、マリアーナが屋敷の周りに障壁を張っているので、周囲に影響はない。たまに爆発しても、ミロとハクアが煤だらけになるだけですんでいた。

「ふぅ、ハクアちゃん、休憩しよう!」

「わふぅ!賛成です!」

約11歳になるミロと、生まれて1年程のハクア、周りから見ても仲の良い姉妹のように見える。と、そこへマリアーナがやってきた。

「フィリス様、新作のお茶菓子が出来たのですが、休憩になされるか?」

「有り難う、マリアーナ。ミロ、ハクアもおいで。」

「は~い!」

「わふぅ、お菓子お菓子!」

4人で屋敷の中へと入っていく。ソファーに座り、マリアーナ特製のお菓子を食べていると、四龍が帰ってくる。

「あ~、疲れた~!」

「…姉さん、まずはただいまを言わないと。」

「フィリス様、マリアーナ、ミロちゃん、ハクアちゃん、ただいま!」

「ただいま戻りましたわ。」

四龍が今までどこに行っていたのか、それは冒険者ギルドである。平和になってきているのか、難しい依頼はなかなか無いので、直接冒険者ギルドのサーシャの元へ聞きに行っていたのだ。

「お帰り、何かあった?」

フィリスが4人を労い、何かあったのか聞いてみる。

「あー、そのですねぇ…」

エンレンがモジモジしながら言う。

「?」

「冒険者ギルドから、私達ギルドエレメントドラゴンに依頼したいけど依頼出来ない事があるって、変なことを言ってきまして…」

「具体的には?」

「…フィリス様、ハーフェンの街をご存知ですよね?」

スイレンが話す。

「あぁ、バーデンの街の南にある、港町だよね?」

「…そこから出てる貨物船の護衛の依頼がある。」

「へぇ…」

「ですが、アンジェラさんとサーシャさんはその依頼を蹴っているそうなんです。」

お菓子を摘まみながら、ライファが話す。

「…なぜ?」

「なんでも…モグモグ…私達ギルドエレメントドラゴンにはまだこの大陸でいて…モグモグ…欲しいとかなんとか。」

「こら、ライファ!食べるか話すかどちらかにしなさいな!」

「ん~?」

ランファがライファを嗜める。

「どうにも、最強のギルドを手放してしまうのは良くないとの事ですわ。」

「ふむ、おかしいの?妾のせいでランクは下がっているのでは?」

「それはせいじゃなくてお陰って言うんだよ、マリアーナ。」

「…?」

「他の冒険者をいれないために、ランクを下げる予定があった。でも他の人を入れるつもりはなかったから、マリアーナが家のことをやってくれるからこそ、私達は心配なく仕事に行けているんだ。」

「その通りですわ。」

「フィリス様…ランファ…」

「それでパパ、どうするの?」

「以前、パパさん言ってたです?」

「ん?」

「他の大陸に行ってみたいなと思ってるってです!」

「うーん…でもなぁ…」

「フィリス様…」

「…もし行くなら。」

「私達も行きます!」

「私達はフィリス様の為に存在しておりますので…」

「放って置かれるのは嫌じゃし。」

「勿論だよね、ハクアちゃん!」

「わふぅ!」

そう言われてフィリスは嬉しく思う。大切な家族をおいて、他の大陸に行くつもりは無いが、改めて自分を慕ってくれる人がいることに。

「取り敢えず、今から皆でもう一度アンジェラさん達に話を聞いてみよう。」

そう言って、それからはゆっくりとマリアーナのお菓子を食べながら、他愛のない話をした。

読んでくださっている方々、有り難う御座います!

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