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魔弾転生  作者: 藤本敏之
第1章
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第6話

フィリス達の学年のクラス分けが終わった3日後のこと、今日もフィリスは学校へと向かう。まだ授業は始まっておらず、1日目は学校案内、二日目は教科書などの配布、主要な学校行事の説明だった。もう暫くの間は学校の雰囲気に慣れたりするための期間として割り振られており、クラブ勧誘もその時期がピークであるらしかった。朝も早くから上級生達が校門近くで大声を張り上げていた。

「剣術部に入らないか、君は良い体をしている!」

「合唱部に興味はありませんか?既に何人かの新入生は入ってますよ。」

そんな声が聞こえてくるが、フィリスに声をかける者はいない。実はフィリスは気配を殺して歩いており、その存在をまともに感知している学生は、恐らく1人もいないだろう。だからこそ、歩けているようなもので、ひしめき合っていて通る道も殆ど無いような状態が続いていた。

(やれやれ、暫く待とうか…)

完全に道を塞いでいる光景を見て、フィリスは立ち止まり、近くにあったベンチに座った。暫くすると、クラブ勧誘以外の声が聞こえてきた。

「納得がいかん!」

「そうよ!納得できないわ!」

なんだ、五月蠅いなと思いながら、フィリスが周囲を見ると、4人の男女がフィリスの後ろの大木の近くに立って、話をしている。

「どうして優秀な我々が、たかだかSクラスなのだ!?」

「Sクラスだから良いじゃないか。」

「何を言っているの!?何でもあのマティーナ・ティル校長の、特別クラスに入学した生徒がいるそうなのよ!?私達を差し置いて!」

「仕方ないじゃ無い。何でも、その人は運動適性で教師を倒して、魔法適正では凄い魔法を放ったって話だもの。」

「それは知ってるわ。でもね、このヨヨ・ハミルを差し置いて、校長先生の授業を受けるなんて、何処の家の者なのかしら?」

「その通りだ。教師を倒すなんて、この僕、ストレイボウ・キルマーにも出来なかったことだ。どうせ賄賂でも渡したんだろう?金で倒させて貰って、魔法も燃えやすい素材でも使ったんだろう。そうに決まっている!」

何やら無茶苦茶言っている二人に対して、残りの2人は宥めるように接している。昔からの馴染みのようにも見えるが、フィリスには関係ないことだった。暫く様子を見ていたが、学校が始まる時間が近づいて来たため、クラブ勧誘も終わろうとしていた。それを見て、フィリスは腰を上げて歩き出す。今日も校長室へと向かった。


「ご免ね、フィリス君。今日も仕事を手伝わせちゃって…」

マティーナがフィリスにそう言う。この3日間、授業が無く、学校案内等の必要な事は教えて貰ったが、他の時間はマティーナの手伝いをしていた。と言うのも、生徒の書類などは校長が必ず目を通すことになっていて、新入生が入ってくるとなると、途方もない量になってしまう。1つずつ目を通していると、どうしても時間がかかってしまう。仕方なく、フィリスはマティーナが見やすいようにクラス毎、出席番号順に並べていく作業を、用意して貰った机と椅子でしていた。とは言うものの、マティーナは流石校長の座に着くだけあって、細部までしっかりと読んでいる。それも、常人では出来ないようなスピードでだ。そこは流石だとフィリスが思っていると、扉をノックする音が聞こえてきた。

「どうぞ。」

書類から目をそらすことなく、マティーナがそう答えると、校長秘書の人が、お茶とお茶菓子をお盆に載せて入って来た。

「校長、フィリス君、お疲れ様です。」

「有難う、カリナ。」

「有難う御座います。」

「この時期は大変ですからね。しかし、今年はフィリス君がいて良かったですね、校長。」

「フフフッ、そうだよねぇ。去年とか大変だったもの。」

「そうなんですか?」

「手伝ってくれる人がいなくて、書類はてんでバラバラ。読む気にもならなくなって、逃げ出したくなったりしたわ。」

「実際、校長は三時間ほど逃げましたけどね。」

「カリナ!?」

「駄目じゃ無いですか、校長先生。」

「まあ街で見つけて、教頭から大目玉を食らいましたものね。今年はそんなことはしないでしょう?」

「も、勿論よ。フィリス君がいるんだもの。」

そんなことを笑いながらしていると、遠くの方から声が聞こえてきた。

「困ります、部外者が学校に、無許可で入るなんて…」

「五月蠅いな、そこをどきたまえ!」

「そうよ!」

その声は、校長室の前で止まり、急にノックも無しに2人の男女が入って来た。1人は小太りの中年のおじさん、もう1人は眼鏡をかけてお団子括りにしているおばさんだった。

「お初にお目にかかる。貴女が校長か?」

中年男性がカリナに向けてそう話す。

「いいえ、私は秘書です。校長はこちらです。」

カリナに促されて、2人がマティーナを見る。因みに今日はマティーナはいつもの小さな女の子の見た目をしていた。

「こんな子供が!?」

「巫山戯ているの!?」

「別に巫山戯てはいませんよ。それで、何か御用ですか、ハミルさんにキルマーさん?」

「どうして私達の名を?」

キルマー夫人が驚いてそう言った。

「いえね、家族の事も学生の書類に記載されていますから。恐らくお二人の用件は、お子さんのクラス分けが気に入らないとか、そう言う類いの事では?」

「そ、そうだ。何故うちの可愛いヨヨがたかだかSクラスなのだ?」

「そうよ、ストレイボウちゃんもSクラスなのよ。」

「学生の中でもトップクラスじゃ無いですか。それの何処に不満が?」

マティーナが落ち着いた様子で、話を聞く。しかし、2人は更に憤慨して、フィリスを指差して言った。

「うちの子が、こんな何処との者とも解らない餓鬼に負けたというのか!?」

「ストレイボウちゃんも貴女が直々に教えなさいよ!」

どうやら特別扱いされているフィリスが気に入らないようだった。

「…はぁ。宜しいですか、お二人とも。」

マティーナは椅子をくるりと回して窓から外を見た。

「我が校で学ぶことは、外の世界で学ぶことよりも密度が濃い。それは承知ですよね?」

「勿論だ。」

「だから入学させたのよ。」

「えぇ。ですが、今現在、私の教育に着いてこられるのは、ここにいるフィリス君だけ。私はそう判断しました。」

「なんだと!?」

再びくるりと椅子を回し、2人の方を見て、机に肘をついてマティーナが続ける。

「私の教育内容は厳しいのです。今までその教育に耐えられたのは、ここ100年以内でたった4人だけです。」

そこまで聞いて、ハミルとキルマーは汗を流し始めた。

「その教育について来たために、廃人になった生徒もいます。その教育を、あなた方のお子さんにすることは可能ですが…受けさせますか?」

2人はゴクリと喉をならす。そこまで話をして、マティーナはフィリスを見る。

「ですが、こうなってしまっては仕方がありません。フィリス君、もう一度試験を行っても宜しいですか?」

「はい、校長先生。」

「…その試験とは?」

ハミルがマティーナに質問する。すると、マティーナは机の引き出しから、丸い玉を取り出し、それに向かって話し始めた。

「あー、皆さん、聞こえますか?校長のマティーナ・ティルです。」

その声が、学校中に響き渡った。どうやら拡声器のような物らしい。驚いている4人をおいて、マティーナが話し続ける。

「1年Sクラスのヨヨ・ハミルさん、同じくSクラスのストレイボウ・キルマー君、直ぐに校長室まで来て下さい。以上です。」

そこまで話して、再び玉を机の中に入れる。そして、ニコリと笑う。


数分後、ストレイボウとヨヨが校長室の前で立っていた。その気配を感じたのか、カリナが扉を開ける。びっくりして、逃げようとした2人だが、それぞれの親がいるのを見て、しぶしぶ中へと入って来た。

「よく来たね、待っていたよ。」

マティーナが優しく話しかけると、ストレイボウとヨヨが切り出した。

「先生、何用ですか?」

「早く授業が始まるようにしてもらいたいわ。」

「まあまあ。必要なカリキュラムは組んでいますから。それより、あなた達の親がここに居る、その理由は解りますか?」

「いいえ。」

「解りませんわ。」

「あなた達の親はね、どうやら私の教育カリキュラムは不正があると思っているらしいの。そこで、あなた達が納得するようにしたいのだけど、どうしましょうかしら?」

ニコニコ笑いながら、マティーナは話す。すると、ストレイボウとヨヨが口を出す。

「僕は…最も優秀なクラスで授業が受けたいだけです。」

「私もです。馬鹿にされているようで、しゃくに障りますわ。」

その言葉を聞いて、2人の親もうんうん頷いている。

「…では、こうしては如何ですか?」

カリナが口を開く。

「お2人と、フィリス君が戦ってみれば?」

「それって…」

「殺害は無しですが、他は全てありで、遺恨を残さぬように正々堂々と勝負をするのです。」

「うん、いいわね。その案、賛成だわ。」

マティーナもそう言う。

「いきなりですか!?」

ストレイボウが驚いた声をあげる。

「待って頂きたい。」

ヨヨの父親が口を挟む。

「息子達が勝ったら、何かして貰えるのですかな?」

「私が直々に教育カリキュラムを作りましょう。」

「そちらの子が勝ったら?」

「別に何も。」

「ならば、ルールを付け足して貰いましょう。負けた方はこの学学校を去るというのはどうですかな?」

ニヤリと笑って、ハミルがそう言うと、キルマー夫人も頷いて、

「そうですわね、それがいいですわ。」

と、言った。

「うーん…フィリス君、君はどう思います?」

「負ければ退学…勝っても何も無いのでは、私が受ける理由がありませんが?」

フィリスはそう言う。しかし、暫くマティーナは考えて、ポンッ!と膝を叩いて、

「じゃあ素敵な贈り物をするという事では?」

と言った。フィリスは暫く考えて、

「解りました、受けます。」

逃げられないと思い、了承した。

「では早速…」

再び玉を机の中から取り出して、話し始める。

「皆さん、再び校長です。全校生徒並びに全ての教員は、グラウンドの観覧席に集まって下さい。今からカリキュラムは休みとします。以上です。」

そういって玉を格納した。

「じゃあ私達も行きましょうか。」

そういって全員を連れて、グラウンドへと向かった。


観覧席は学生、教師で埋め尽くされているが、何の説明も無いままだったので、困惑している状態だった。広いグラウンドの中央には、フィリス、マティーナ、ストレイボウ、ヨヨの4人だけが立っている。と、マティーナが大きな声を出した。

「皆さん、私の声が聞こえますでしょうか?集まって頂いたのは、先日行われた新入生適正評価で、私が特別クラスに編入させた生徒に関してです。」

マティーナの声は、大きいが、優しい雰囲気のある声で、ドスのきいた声では無いので、皆安堵して聞いている。

「私達教師で決めたことですが、良く伝わらなかったようで、保護者の一部には、私が不正を働いたように感じられた方もいたようです。ですから、評価が正当であったことを証明するために集まって貰いました。紹介します、彼が特別クラスのフィリス・ハーヴィ君です。」

そう紹介されても、フィリスは微動だにしなかった。周りからは歓声があがっている。

「そしてこちらが、今年のSクラスに入学した、ストレイボウ・キルマー君と、ヨヨ・ハミルさんです。」

そう紹介されて、再び歓声があがる。

「静粛にお願いします。今から1対2の変則バトルを行って貰います。負けた方は、残念ながら退学して貰います。ですので、本気でやって下さいね。ルールの説明をします。駄目なのは殺すこと。死に至らしめたら負けです。それ以外は全て認めます。以上です。異論のある方はいますか?」

そう宣言するマティーナに対して、言葉を出す者はいなかった。だが、観客席から、

「ヨヨ、勝つんだぞ!」

「ストレイボウちゃん、ママが見ているわ!」

と、キルマーハミルが言う。対するフィリスには周りからは罵声が飛んでくるかと思っていたが、特に何も飛んでこなかった。グラウンドでは、ストレイボウとヨヨは作戦をたてているのか、話をしている。フィリスは体を入念に動かしている。腰を回し、腕を回し、急に逆立ちしたりと、しっかりと動かしていた。すると、審判役のカリナがグラウンド中央にやってくる。

「好きな武器を言って下さい。」

そう言うと、ストレイボウは剣を、ヨヨは杖を要求した。直ぐにロングソードと魔術師の杖が用意される。

「フィリス君は?」

「必要ありません。」

フィリスにカリナが聞くが、首を横に振って断る。準備が整い、双方、距離を取った。

「それでは、始め!」

カリナの声で勝負が始まった。始まった瞬間、ストレイボウが突っ込んでくる。その後ろではヨヨが詠唱を始めていた。それを見て、フィリスは思っていた。

(確かに、定石だが…実力が伴っていない。動きは単調に突っ込んでくるだけだし、詠唱に時間がかかっている。)

そこまで考えて、フィリスは構えを取る。と、上段からストレイボウが剣を振り下ろしてきた。それをフィリスは左手で掴み取った。刃は潰してあるので斬れはしないが、普通の人間なら物凄い痛みを感じるはず、しかしフィリスにとっては非常にゆっくりだったので出来た芸当だった。

「なっ!?」

次の瞬間、ストレイボウは驚いた声をあげた。が、次の瞬間、ヨヨの詠唱が終わったらしく、

「ストレイボウ、退きなさい!」

と、声をかける。仕方なく剣を離して距離を取るストレイボウ。それと同時にヨヨが、

「イラプション!」

と、魔法を発動させる。するとフィリスの足元から炎が吹き上がった。周りから見れば、フィリスが直撃を受けたように見えていた。

「お…おい、イラプションって…」

「あぁ、対人において邪道と言われる魔法だぞ。」

「あきらかにオーバーキルだ…」

そんな声があがり、生徒だけで無く教師達も顔を引き攣らせる。中級魔法の中でも、イラプションは、その奇襲性のある攻撃、及び破壊力において対人戦では禁じられている魔法だった。そんなことは、普通のこの世界の人間なら知っていることの筈なのだが…勝ち誇った笑みを浮かべるストレイボウとヨヨ、カリナがグラウンドに立っており、他にはまだ炎の柱がゴウゴウ燃えている状態だった。

「あ…あぁ…」

カリナは動けない状態だった。最早勝負の話で言えば、明らかな殺傷行為でストレイボウとヨヨの負けなのだが、相当ストレスが溜まっていたのだろう。その鬱憤を晴らしたいが為にこのような凶悪な事をしたのでは無いか、そう思えるほどに地獄のような光景が広がっていた。そんな中、冷静に見ているものが1人だけいた。

「…」

口も開かず、ただただ燃えさかる炎を見つめるだけ。その人、マティーナはゆっくりと目を閉じ、数秒後、再び目を見開いた。と、次の瞬間、炎の中からふたすじの閃光が走り、閃光はストレイボウの左肩と、ヨヨの右太股に当たった。

「ぐあっ!」

「きゃっ!」

悲鳴をあげてストレイボウは肩を押さえ、ヨヨは膝をつく。その直ぐ後、炎が急激に衰えだし、消えていった。すると、炎の中から、フィリスが姿を現した。先程ストレイボウの剣を受けた体勢のままだった。しかし、その右手にはリボルバー拳銃のコルトパイソンが握られていた。どうやら魔法を受けた後、コルトパイソンを具現化し、炎の中から撃ったらしい。と、直ぐにフィリスは銃を隠した。これ以上見られるのはいけないと判断したようだった。カリナは呆気にとられていたが、はっ!として、ストレイボウとヨヨに近付く。ストレイボウの肩は吹き飛び、肩から先が無く、ヨヨの右足も千切れ飛んでいた。

「戦闘は続行不可能。勝者、フィリス・ハーヴィ君!」

高々とその名を呼び、勝敗は決した。だが、

「ふ…巫山戯るなぁ!」

と、ストレイボウが痛みも気にせず、突っ込んでくる。右手で拳を握り締め、フィリスに殴りかかるが、その動きを見ていたフィリスは、見事な体捌きで後ろに廻ると、首に手刀を叩き込んで沈黙させた。そこまでを見届けて、マティーナが動き、千切れ飛んだストレイボウの左手とヨヨの右足を拾い、2人に近付いて魔法で結合した。

「うーん…これは…後遺症で2人とも2度と戦うどころかまともに動けませんね。」

マティーナが結合した部位を見てそう言った。ハミルとキルマーが近付いてきて、子供達に寄り添う。

「まあ、退学処分ですから、私達には関係ありませんね。速やかにお引き取り下さい。」

「む…息子よ!!」

「待ちなさい!こんな事が許されると!?」

「…何か勘違いされているようですが。」

ハミルとキルマーに対してマティーナは言う。

「ここは騎士を育てる場所です。わがままを言いたいなら、家でして下さい。それを解ってここに入学したのでは無いですか?命の危険もある、それは入学資料にも書いてあったでしょう?」

「「…」」

そこまで言われて、黙り込んだ。マティーナはその後ゆっくりとフィリスに近付いて、

「お疲れさま、フィリス君。」

と、優しく声をかけた。

「2つの魔法を間髪入れずに使うのは、まだ慣れていなかったので、手加減出来ませんでした。済みません。」

「ううん。君はあの子達を殺そうと思えば殺せた筈。手加減の方がしんどかったんじゃ無い?」

「さぁ…どうでしょう。」

「でも、見せて貰ったよ。あれが君の固有魔法なんだね?」

「はい。」

「フフフッ。また今度、ゆっくりと見せて貰うことにするよ。」

そこまで静かに2人だけで話して、その後マティーナが大声で観客席に向かって言う。

「以上で、決闘は終わり。じゃあ皆、教室に戻ってね!」

そう言われて、呆気にとられていた生徒達、教師達が我に返り、教室へと戻っていった。


再び校長室に戻ったフィリスとマティーナ。すると、話を切り出したのはフィリスの方だった。

「校長先生、賞品は?」

「あ…やっぱり覚えていた?」

アハハッ!と、頭を右手でポリポリ搔きながらマティーナは言う。

「うーん、じゃあ賞品だよ。私のことをマティーナと呼ぶことを許可します。」

「…はぁ。」

「不服なのかい!?」

「いえ…解りました、マティーナ先生。」

「フフフ、光栄に思い給え。何せ、そう呼んで良いのは、国王と、昔の知人くらいだからね。まあ不敬を働く、呼び捨てにする様な人にはお仕置きしてきたけどね。」

「そうなんですね…」

「もぅ…嬉しそうじゃ無いなぁ。仕方ないなぁ。」

そう言うと、マティーナは指をパチンッ!と鳴らす。すると部屋の隅っこに、ソファーが現れた。

「仕方ないから、膝枕してあげる!」

「…有難う御座います。」

その後、一時間ほどマティーナの膝枕で睡眠を取ったフィリスだった。

読んで下さっている方々、有難う御座います。感想や意見を頂ければ、励みになります。宜しくお願いします。

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