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魔弾転生  作者: 藤本敏之
第3章
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第49話

無事にサンドウォームを討伐してから4日間、フィリス達は屋敷にいた。買い物等には行くが、冒険者ギルドではフィリスが倒したサンドウォームの鑑定で大忙しらしく、またAランクに頼めるクエストも無いと言われたので、折角なのでゆっくりすることにしたのだ。フィリスは約2年間、休みが無かったので、暫くゆっくり眠りたいと伝えてベッドで眠っていた。それでも8時間毎に起きて食事や買い物に行ったりはしていた。砂漠の街の人々も優しく、元々四龍とミロが冒険者ギルドで頑張っていたので覚えが良く、フィリスも直ぐに打ち解ける事が出来た。そして4日後、冒険者ギルドに顔を出す。サーシャは受付にいたので話しかけた。

「おはようございます、サーシャさん。」

「あっ、エレメントドラゴンの皆さん!お待たせしました、換金は出来ていますが…その…」

「…何か問題が?」

「先にペンダントを貸して下さい。」

そう言われてフィリスはペンダントを渡す。サーシャがペンダントを握って、何やらゴニョゴニョ言うと、ペンダントが光り、真っ黒だったペンダントから真っ赤な光が漏れる。そしてサーシャはペンダントをフィリスに返す。

「これでAランク、赤になりました。本来ならランクは徐々に上がるものなのですが、前代未聞ですよ、Aランクからだなんて…」

「はぁ…」

「で、これからが本題です。アンジェラギルド長が2階でお待ちです。詳しくは長から聞いて下さい。」

そう言われて、フィリス達は受付の後ろにある階段から2階へ上がり、ギルド長室と書かれた部屋へ向かう。扉は開いていたが、ノックをしてみる。

「どうぞ。」

アンジェラが扉の方を見ずに、机の上の書類を片付けているところだった。アンジェラは顔を上げて、

「おや、エレメントドラゴンじゃないか。入っとくれ。」

そう言う。6人で中へ入り、机の前に並ぶ。

「悪いね、わざわざここまで来て貰って…」

「いいえ、大丈夫です。」

「それで要件なんだけど、先ずはこれを…」

そういってアンジェラは大きな袋を机に置いた。

「サンドウォームの換金額、金貨で500枚だ。実はもっと高い筈なんだが、これで勘弁してくれないかい?」

「別に構いません。」

そう伝えて袋を受け取り、胸元から小さな袋を取り出してその中にしまう。あきらかに二回り程小さいにもかかわらず、すんなり入ってしまった。

「でだね、早速仕事を頼みたいんだよ。」

「もう暫くゆっくりしたいのですが…」

「そうですね、フィリス様には休んで貰いたいのです。」

「…そうそう。」

「もう暫くは体調を整えた方が…」

「無理に働く必要は無いと思いますわ。」

「そうなの!」

「…訳ありかい?」

「実は…」

そうしてフィリス達はここ2年間の話をアンジェラにした。アンジェラは親身になって聞いてくれた。

「それは何とも酷い話だねぇ…辞めて正解だよ。」

四龍とミロもうんうん頷く。

「で、休みが無かった分、暫く休みたい…か。何処か行く予定でもあるのかい?」

「1度ソーン村に帰ろうかと。村には人はいませんが、お墓参りに行こうと思っています。」

「なるほどね…その村の近くに森なんか無いのかい?」

「森もありますし、近くに湖もありますが?」

「うん…なら仕事を頼みたいんだよ。薬草を50束集めて来て欲しいんだ。急ぎでは無いんだが、やってくれるギルドが無くってねぇ…」

はぁ…と溜息をつくアンジェラ。その姿を見て、フィリスは四龍とミロの方を見る。皆もフィリスの方を見て、全員頷いた。

「アンジェラさん、そのクエストを受けます。」

「本当かい!?でも、殆ど報奨金も出ないけど…?」

「別に構いません。3日ほど待って下さい。」

「大丈夫だよ、急ぎじゃ無いって言ったろ?」

「解りました。でも、クエストの受注方法は…?」

「フィリス様、それは私達が知っています。」

「…サーシャさんに伝えましょう。」

エンレンとスイレンがそう言ったので、皆で下へ降りて、サーシャと話をする。

「サーシャさん、アンジェラさんからのクエストを受けます。」

「細部の情報を教えて下さい。」

ライファとランファがそう言うと、サーシャは嬉しそうな顔をして、クエストの詳細が書かれた紙を6人に見せる。

「この砂漠の街の住民の健康を管理するために、毎年この時期に薬を配るんですが、その薬の材料である薬草が無くて…薬草を50束必要なんです。ですが…ガデル王国まで行くかフレデリック王国に行かなければならないので、皆嫌がるんですよ。」

「大丈夫です。アンジェラさんに3日ほど猶予は貰いましたから、ゆっくり採ってきます。」

「頼みましたよ!」

そう言われ、フィリス達は屋敷に帰り、準備をしてその日のうちにソーン村にミロにはゆっくり飛んで欲しいと伝えて出発した。

読んで下さっている方々、有難う御座います。

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