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魔弾転生  作者: 藤本敏之
第4章
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第121話

その後ミユキ達は寝室へ案内された。まだ1人で寝るのは辛いらしく、皆同じ部屋に集められた。客室の中でも一番大きな部屋を割り当てられて、ゆっくり眠りたい、そう言っていたので自由にさせる。さて、その間にフィリス達はフィリスの部屋に集まっていた。フィリス、四龍、マリアーナ、ミロ、ハクア、マティーナ、アサギだ。

「さてと…早速ファーリス様にお話を聞いて貰いたい訳だけど…」

「…へ?」

すっとんきょうな声を挙げたのはマティーナだ。

「フィリス君、神様が普段話を聞いてくれると思ってるのかい!?」

「そうですよ、ファーリス様にお話を伺うなど…不可能です。」

アサギも首を横に振ってマティーナに同感する。が、早くも返信が来たようだ。

"皆さん、目を瞑って、リラックスしてください"

頭の中に直接声が響く。何が何やら解らないマティーナとアサギも、なるべく落ち着いて目を瞑る。いつかの感覚に包まれて、皆が再び目を開けると、目の前にファーリスが立っていた。すぐに跪くフィリス達、それに習い、マティーナとアサギも跪く。

「久しぶりですね、フィリス、皆。立ち上がって下さい。」

そう言われて皆立ち上がる。マティーナとアサギは何が起こったのか解っていない。しかし、ファーリスの神の気に充てられ、緊張しているようだった。

「先生、アサギさん、そんなに緊張されると、ファーリス様も困りますよ。」

「えっと…あの…」

「恐れ多くて…」

「フフフ、まあゆっくり待ちましょう。」

そう告げたファーリスは指をパチンッと鳴らす。何もない空間から、草木が生い茂る空間に移動し、そこには人数分のカップと椅子、机があった。

「少し長い話になりそうですから。」

そう告げられ、皆席に着く。ランファがお茶を煎れ、フィリスが収納袋をマリアーナに渡し、マリアーナ特製のお菓子を机に並べていく。その様子を見て、マティーナもアサギも落ち着いた。

「さて、フィリス、皆、まずはお疲れさまでした。調べていく内に、バリロッサ帝国が犯人だと確信しましたが、その頃にはフィリス達と会談する話になっていましたから、フィリス達に任せることにしました。御免なさい。」

頭を下げるファーリスに、皆首を横に振る。

「その間もファーリス様は他のことを考えておられたのでしょう?」

「…結論から言いましょう。今回助けた10人を、元の世界へ帰す方法はあります。しかし、一度召喚された者のその前の暮らしはもう出来ません。」

「どういうことですか!?」

マティーナが叫ぶが、隣に座ったマリアーナが落ち着くよう促す。

「…元の世界の方々には…彼女達の記憶が無いはずです。召喚された際にその地の者達と暮らした記憶、子供が産まれた記憶等が消されるのです。そうしないと…世界に矛盾が起きるためです。彼女達を帰しても、そこには誰も知るものもいないのです。」

「そんな…じゃあ彼女達は?」

「…この世界で暮らすしかない。」

エンレンとスイレンが項垂れる。

「フィリス、お願いがあります。」

「…」

黙って聞いているフィリスにファーリスが告げる。

「彼女達の力になってあげて下さい。」

「解りました。」

「即決!?」

「フィリス様、大丈夫なんですの!?」

今度はライファ、ランファが声を荒げる。

「私1人なら無理だよ。でも…皆がいる。彼女達の幸せを一緒に考えてあげられる皆が。」

「うむ、妾達はフィリス様に付き従うのでの。」

「苦労だとは思わないよ!」

「わふぅ、でも大変なのですぅ。」

マリアーナ、ミロ、ハクアもやる気はあるが、どうしたらいいか悩んでいる。

「先生、アサギさん。力を貸して下さい。」

フィリスは2人に頭を下げる。マティーナとアサギは顔を見合せ、お互いコクリと頷く。

「勿論だよ、フィリス君。」

「こうして出会ったのも人の縁。投げ出す真似は出来ません。」

そう話す。ファーリスは笑顔で、

「良かった…やはりあなた達に任せて良かった…」

と言ってくれた。その後の話で、取り敢えず彼女達を学校に通わせ、その上で仕事を探すことに決めた。そして暫く歓談し、元の世界へと戻り、皆にその旨を伝えた。最初納得出来ない顔付きだったミユキ達も、最後には納得してくれた。そして半年程マティーナとマリアーナが他の学生と同じ様に教育することに決まった。

読んで下さっている方々、有り難う御座います。

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