第119話
フィリス達がバリロッサの城に戻ると、マリアーナの料理を食べて安堵したのか、女の子達はお互い体を密着させて眠っていた。フィリス達もその間に食事をし、およそ2時間後、女の子達が起きてからミロに乗り、ヴォルファー王国へと向かった。ミロの変身を見て驚き、また乗って更に驚いた女の子達だったが、ミロはなるべくゆっくりと飛行する。マリアーナが障壁で保護もしていたので、約4時間でヴォルファー王国に着くことが出来た。直ぐにハクアとアサギが出迎えてくれた。
「パパさん!」
「フィリス殿、お疲れ様でした。」
「ただいま。さて、話の前に…皆で彼女達をお風呂へ入れてあげてくれるかい?私は叔父上に話をしてくるから。」
「解りました。」
「…皆、こっち。」
「あの…フィリス…さん?」
女の子の1人に声をかけられ、フィリスがその頭を撫でる。
「叔父上は気にしないかもしれないけど、女の子なんだ。身綺麗にするのは必要でしょう?」
「あ…有り難う…御座います。」
フィリスはその言葉に頷き、マーティスの元へと向かい、その途中でシャイナと出会った。
「フィリス様、お帰りなさいませ。」
「シャイナさん、女性用の服を10着用意出来ますか?」
「解りました、サイズが解りませんが?」
「今から皆でお風呂に入れる予定ですので…」
「畏まりました、私も同行してサイズを計ります。」
「お願いします。叔父上は?」
「謁見の間にて、サラマンダー様とお話をされております。何でも、飛竜の寝床の設営等で相談があるとの事です。」
「解りました。」
そう話してフィリスは謁見の間に向かう。シャイナの言った通り、マーティス、バーバラ、大臣、サラマンダーが話をしていた。
「なるほど、それでは干し草を並べれば良いのだな?」
「うむ、我等の気分次第…とはいえ1ヶ月に一度は新しいものに変えてやれば、皆喜ぶだろう…と、フィリス殿?」
サラマンダーがフィリスに気付く。
「フィリスよ、戻ったか!」
「飛竜の寝床ですか?」
「うむ、サラマンダー殿に教えて貰っているのだが、中々に興味深い。それで、バリロッサ帝国は?」
「勇者召喚及び魔神生産の関係者の断罪は終わりました。が、叔父上、少しお願いがあります。」
「…?」
「勇者として召喚された女の子を10人、保護しました。戦闘能力は無いとの事で、牢屋に閉じ込められていました。今はお風呂に入っていますが、そのあと叔父上と謁見し、そのあと暫くゆっくりとさせてあげたいのですが?」
「解った、話をしよう。」
「有り難う御座います。」
「フィリス殿、そなたにも聞いていて貰いたいが?」
「私は念話で飛竜と話が出来ますから。」
「…そうであったな。細かい話は…フィリス殿達を会すよう話をしておこう。」
「有り難う、サラマンダー。」
そうして、女の子達が風呂から出るまで、暫く話し合った。
読んで下さっている方々、有り難う御座います。




