第112話
勇者3人を蹴散らした後、フィリス、アサギ、マリアーナの3人で敵陣に突っ込む。後の5人はシンガ村の防御に回す。次々と襲いかかる敵を、接近戦はアサギ、少し離れた弓兵、魔道士はフィリスが、攻撃は全てマリアーナが防いで、連携をとってなぎ倒す。
「えぇい!あの若造の首を早く取ってこい!勇者共は何をしている!」
「先ほどリア殿の魔法が炸裂していましたが…効果は無く…」
「ソウタとヒデノリは!?」
「あの飛来する状況では生きてはいないかと…」
「ふん、口ばかりの無能共が!だからガキは好かんのだ!もう良い、あやつらを出せ!」
「国王…!?しかし、相手にはマティーナ・ティルが…」
「このままおめおめと引き下がれるか!言う通りにしろ!」
「…解りました。」
敵の陣営深く突貫していたフィリス達だったが、不意に脚を停める。敵が急に攻めて来なくなり、道を開け始めたからだ。不思議に思っていると、その開いた道から、光熱線が飛んでくる。マリアーナが障壁を張り、難を逃れたが、気付くのが遅かったなら…ゾッとするアサギを他所にフィリスが光熱線が放たれた方を見ると、沢山の魔道士がそこにはいた。その数、約500。
「この気配…まさか!?」
「フィリス様、只者ではない雰囲気じゃ、気を付けられよ。」
「フィリス殿、奴らは…?」
「バリロッサめ…魔神を投入してきたか!?」
その時、魔神達の後ろから声がする。そこには、ジオルグが立っていた。
「ふははは!どうだ、フィリス!我が国の精鋭は!」
「ジオルグ・バリロッサ!貴様、この人達に何をした!?」
「ふん、我が国の技術の向上のため、犠牲になって貰った!貴様に魔神共を倒せるかな!やれぃ!」
どうやらバリロッサ帝国側では、魔神を自在に造り出す技術があるらしく、最早ジオルグの手足となって、魔神がフィリス達に猛攻撃を仕掛けてくる。形勢は不利、回りにはバリロッサ帝国の兵士、正面に魔神、絶体絶命かと思われた。フィリスとマリアーナが障壁を必死に張る中、見ているしかないアサギは単騎突撃してジオルグの首だけでも…そう思った時、不意に上空から声がした。
(やれやれ…間に合ったな。)
その声を聞いたのは、その場ではフィリスとマリアーナだけだった。フィリスとマリアーナが上空を見上げると…サラマンダーとその付き添いの飛龍がいた。その数、約100。
(フィリス殿、大変そうだな。いつぞやの傷の治療の借り、今替えそう!)
そう言うと、サラマンダー以下100匹の飛龍のブレスが魔神の軍勢に襲いかかる。一瞬にして、魔神の軍勢は消滅した。
(有り難う、サラマンダー。)
(ふん…全く…遊びに来てくれないからこっちから出向いてやったのだ。…エンレンは?)
(後ろの城壁の方の守りを任せています。)
(ふむ…なら我等も其方に行くか。)
そう言って、サラマンダーは飛龍を連れてシンガ村に向かった。
読んで下さっている方々、有り難う御座います。




