もしも怪異の掃除人メンバーが童話の登場人物だったら
◯桃太郎
昔々あるところに、性的人類愛者を名乗る藤田じいさんと、その幼馴染でまあ目つきの悪いガタイのいい阿蘇じいさんがナアナアに暮らしていました。
ある日藤田じいさんが街へフレンド(意味深)狩りに出かけ、阿蘇じいさんが川へ洗濯に行ったおり、川上から大きな桃がどんぶらこっこ、どんぶらこっこと流れてきました。
阿蘇「……」
どんぶらこっこ、どんぶらこっこ。
阿蘇「…………」
桃はドン引きする阿蘇の前を通り過ぎ、下流へと流れていきました。
〜下流〜
景清「曽根崎さん、大きな桃が流れてきましたよ! これかなり家計の節約になるんじゃ!?」
曽根崎「元あったところに返してきなさい」
◯赤ずきんちゃん
昔々あるところにとてもかわいらしい女の子がいました。女の子はいつも赤いずきんをかぶっていたため、みんなから赤ずきんちゃんと呼ばれ愛されていました。
ある時森の中に住むおばあさんが病気になり、赤ずきんはお見舞いに行くことになりました。お母さんは赤ずきんちゃんに言います。
田中「森の中は狼が出るから、寄り道せずまっすぐ行くんだよ」
慎司「俺に指図するな」
田中「本当にかわいくないし、驚くほど赤ずきんも似合わない」
ずかずかと我が物顔で森の中を爆進する赤ずきんちゃん。そんな彼女の前に、大きな狼が現れました。
狼「やあ、赤ずきんちゃん。向こうに綺麗な花畑が……」
慎司「天国の花畑なら今すぐこの場で見せてやるけど」
狼「なんでもありません」
一切の躊躇いを見せず猟銃を構えた赤ずきんちゃんの前に、狼は秒で退散しました。せっかく新調した銃を試す機会を失った赤ずきんちゃんは軽く舌打ちをしつつも、おばあさんの家に向かいます。
慎司「おい来てやったぞ。ありがたく俺を出迎えろ」
景清「げほげほ、ありが……」
慎司「はー? 喋んじゃねぇよ、俺に風邪が移んだろうが。こっちは着色無しの白いパンに、時代背景を考慮すれば医療品に分類されるレベルの野菜ジュース。適当に並べといてやるから、お前はベッドでウイルス撒き散らしてろ」
景清(親切だなぁ……)
◯人魚姫
昔々あるところに、どう考えてもこの世で一番美しい人魚姫がいました。人魚姫は、難破した船から海に投げ出された王子を助けた際に一目惚れしてしまいました。
柊「ボク、人間になるわ!」
こうと決めたら恐ろしく行動が速い人魚姫。早速魔女の元へ行き、人間にするよう要求しました。
魔女「ならば代わりにお前の声を……いや顔でもいいな。何その睫毛。一本一本丁寧に神に植えられた? 鼻の造形に至っては腕利きの彫刻家による御業かよ。だというのに、厳選した花びらをそっと貼り付けたかのような唇からこぼれるのは思いもよらぬハスキーボイス。だがそれがいい。絶対セットじゃなきゃダメだろ、これ。
髪も日々海水に痛めつけられてると思えないほど艶やかで、多分靡くたびに人々の胸をときめきで射殺してる。現場は見てないけど間違いないだろ。あとどうしてプロポーションで人形に勝てるんだよ。世界中の女の子の理想を集めたのが人形なのに容易に上回るな」
柊「あら、褒めてくれてありがと! ボクったらとっても嬉しくなっちゃうわ!」
魔女「しかも竹を割ったような性格……!? 無理……! 奪えない……!! むしろ人魚部分の下半身くれるの!? この私めに!? 本当に!?」
魔女は持ち得る技術をふんだんに用い、人魚姫に最高の足を与えました。
そして意気揚々と王子の城に向かった人魚姫。そんな彼女を一目見るたび、王子は嬉しそうに笑って駆け寄り、手を取りました。
光坂「あなた、海で私を助けてくれた方でしょ!? 覚えてるよ! 会いに来てくれてありがとう! 直接お礼を言いたかったの!」
柊「はわわわわわわわわわわわ」
二人は幸せに暮らしました。
◯かぐや姫
昔々あるところに竹から生まれたかぐや姫がいました。おじいさんに大切に育てられたかぐや姫は大層美しく、都に連れていけば断りにくそうな身分の五、六人から求婚されることは必至でした。
そんなある日、おじいさんはかぐや姫に尋ねました。
曽根崎「君、都に住んでみたいか?」
景清「いえ、全然。僕人が多いの苦手ですし、物価も高いと聞きますから……」
曽根崎「よし」
その後もかぐや姫の噂を聞きつけた人々からいくつも縁談が舞い込んできましたが、かぐや姫に届く前に不思議な力で全て無かったことにされました。何も知らないかぐや姫はのんびり楽しく日々を送りました。
◯シンデレラ
シロップ「ヤダーーーー!!!? お城の舞踏会!? ちょっとちょっとちょっと右も左も筋肉ムチムチ警備兵ブルーオーシャンじゃないの!! 入れ食い一本釣りの始まりよォ!!」
パオ「なーーーにが一本釣りよ!! そのぶっとい釣り針に引っかかってんの産業廃棄物じゃない!! 深海魚横目にぶくぶく海溝に沈んでいくだけよ、ご愁傷様!!」
ポロリ「王子様、素敵な響きね!! でもこんなアタシに似合うドレスなんてあるのかしら……! そうね、もう全裸!! ありのままのアタシを見てもらうのよ!!」
メロン「やめな、ポロリ!! アンタあちこちで汚ねぇ裸見せつけるせいで、“出禁グ”って呼ばれてんの知ってる!? モノホンキングの前で出禁グやらかした瞬間、指という指大気圏に飛ばしてやるから!!」
チルティ「アンタらおだまり!!!! そんなことで国中の淑女が集まる舞踏会でテッペン取れると思ってんの!!?」
一同「ママ……!」
チルティ「入れ食い結構、踊り食い結構!! だけど腰から下の紳士協定は忘れずに!! 征くわよ、アンタら!!!!」
一同「応ッッ!!!!!」
景清デレラ「……え、僕をヘッドハンティングしたいと? でも、癖はあるけど義理のお母さんとお姉さん達はいい人達ですし、お給料もちゃんと払ってくれるから……」
魔法使い曽根崎「マジで悪いことは言わないから今のうちに逃げよう。な? 給料は今の三倍出すから」
景清デレラ「さんばいっ……!!」
こうして景清デレラは、つまみ食いされる前に無事魔法使いによって引き抜かれました。一方舞踏会はどんな嵐より荒れたとのことです。めでたしめでたし。




