1話 入学式編
「明日さ、駅前の広場集合に来て。花火見に行こう」
これは夢の中とすぐに分かった。
顔にもやがかかっている、中学生の男の子に私は笑顔で男の子に頷いていた。
4月1日。私は高校生になって今日から四葉高校に入学する『らしい』。
なぜ『らしい』と曖昧な表現なのかと言うと、私は5日前からほとんど記憶が無くなってしまった。つまり記憶喪失と言うことだ。
「また、大切な夢を見てた気がする」
さっきまで見ていた夢は目を開けたらほとんど覚えていない。
「鈴羽〜! 入学式から遅刻するわよ」
とりあえず考えても仕方ないし学校に行ってみよう。
新品の制服に着替えて鞄を持って、リビングに行くと父と母そして姉が私を待っていた。
姉が私になにか言いたそうに近ずいてくると、
「さすが私の妹なだけあって新しい制服を来ても可愛いじゃない!」
「う、うん。ありがと」
「なんでそんなに緊張してんのよ! 今から緊張してたら身が持たないわよ」
緊張してる訳では無いけど、姉とどう接してきたか分からないからぎこち無くなっていたらしい。
家族に行ってきます。と言って家を出た。
1度私は今分かる事を頭の中で整理する事にした。
『私が今の所分かっている事は、名前は二名 鈴羽2人姉妹の妹で歳は15歳。
父は普通のサラリーマン。母は専業主婦。そして姉はモデルをやっていて、名前を陽菜羽たしか6個年上』
そんな事を考えていたらいつのまにか高校に着いていた。
教室に入ると座席表が黒板に貼られていたのでその通りに座った。
「緊張するね」
ちょっとびっくりしながら声をかけられた方を向くと。
「びっくりさせちゃったかな? ごめんね〜! 私、藤倉 花火。花火って呼んで。二名鈴羽ちゃんだよね?よろしくね。」
「あ、うん。よろしく。二名鈴羽です。」
「鈴羽ちゃんは、なんで四校にしたの?やっぱり制服? ここら辺では制服すっごく可愛いよね!」
「えぇっと......。そ、そうだね。私も制服かな? うん! 制服可愛いから四葉高校にしたよ」
『なにか違う理由があってこの学校に入学した気がする...…。思い出せない』
「だよね!」
そんな話しをしていたら先生が入ってきた。
「新入生の皆さん入学おめでとうございます」
そのあとは先生から今日の説明と入学式が予定通り行われて学校が終わった。
だけど私がなぜこの学校に来た理由が気になって今日何をしたのかほとんど覚えていない。
ーー私の入学式は焦りと戸惑いで終わってしまった。
初めて小説を素人ながらに制作中です。