アリス悲しみの訳
アリスの親は次の話ででます!
第1章 アリスお家に帰る前に大事件
俺とアリスは草原を抜け山道に入っていた、山といってもそんな大層な山ではなく、誰でも登り降りが出来そうな山だった。
山を少し登ると、だんだんと緑が深くなって行きどんどん獣道になっていき、俺が先頭その後ろにアリスが着いてくる形になった。
どれくらい歩いたのだろうか、まだ小一時間くらいかとも思えるが、数時間歩いたとも思える……
アリスは度々何かを言いたげにこちらを見上げ、そして言えずに俯いてしまう。
「アリス何か言いたい事があるならハッキリ言えよ?」
アリスが俯いたまま喋り出した…
「獣道に入る前にある石を持ってなきゃ入れない……」
え……? 入る前にある石を持ってなきゃって、アリスは持っているはずだ…もしくは、俺と一緒にいたから入れないとかか?
「あのね、お家に入るための石どこかに無くしちゃったの……それで、探してたら大きな街に着いちゃって……襲われてたの…」
てことは、アリスは石をずっと探してたから下を向いてたのか…まぁーそうだよなこんな小さい子が用も無しに、あんな危ない所行かないよな
少し考えたら分かったはずなのに……
それから、俺はアリスにどこら辺で無くしたのかを聞いた、それがあの獣道らしい。
どうやら、結界を潜り抜ける前で落としたらしい、そして、結界に入る時は石が必要だが出る時は要らないらしい。
「アリス、絶対石は見つけるからな!」
と意気込んだのは言いものの、こんな獣道の中でどうやって探したらいいんだよ!
「アリス、その石はどんなやつなんだ?」
アリスはどうやって表現するか、悩んだ後自分の腕など使って表現し始めた。
「大きさはこのくらいで、色が水色、形はまん丸だよ。」
なるほど、大きさは4センチくらいで水色…それでまん丸……
ほんとに見つかるのか……
俺達は終わりが見えない作業を続けた。
初めは来た道を戻るように探そうと思ったが、来た道が分からなく、闇雲に歩き回ることになった。
「アリス、その石以外じゃ入る方法は無いのか?」
「多分ないはずだよ」
ないかー、これは見つけるまでに時間がかかるな…
「どこで無くしたかは、分からないよな?」
「うん。」
無くした場所……分からない
色……水色
形……まん丸
ダメだ…情報が少なすぎる、もう少しい情報があればいいのに…
「あ、そういえば一定時間以内に出ていかなかったら魔獣が襲い掛かってくるよ、お母さん言ってた。」
「魔獣? あぁよくゲームで出てきたよな……懐しい」
ってやばくないか!? 俺1人じゃ闘うこともできないだろうな…逃げる?けど、逃げたところで追いつかれるのが、お約束か…
「魔獣ってどんな奴なんだ?」
「確か……スライムだったはずだよ」
へ……? スライム?ゲームの初期モンスターじゃないか…楽勝だな笑
俺は太めの木の棒を拾い、念の為の武器にした、アリスは細めの棒を拾い長過ぎたのか、それは真っ二つにして片方を手に装備した…