第1村人
第2章 感動の再開
「でっかい部屋だな、俺の部屋が最低5部屋は入るぞ…… アリスは居ないな。」
カズマは部屋を見渡しながらそう呟いた。
「それにしても…… 高そうな物ばっかりだ。特にこの布団すっげぇふかふかする……」
カズマは布団の上で跳ねながら無邪気に笑っている。
「それは、そうとアリスはどこにいるかな、礼をしないと。」
カズマはアリスを探す為に部屋から廊下に出ることにした。
「それにしても、部屋だけでなく廊下もかなり大きな…それとアリスはどこにいるだろう、とりあえず近くの部屋を片っ端から開けていくか…」
カズマは1つまた1つとドアを開けて行ったが、全て使われておらず部屋の中にはベットと机があるだけだった。
「アリスの家はどんだけ部屋があるんだ、未だに第1村人まで見つけられてないぞ……このまま迷子になるくらいなら部屋に帰るか。」
そうしてカズマは今まで歩いてきた長い廊下を引き返すのであった、だがここでカズマはある異変に気づく。
「ここさっきも通らなかったか……? この壁に掛けてある絵さっきも見たような…… 気のせいか。」
カズマは何事もなかったように歩き始めるが部屋を出てから歩いた時間より遥かに長い時間歩いたのに、部屋が見当たらない。正確にはないのだ、
「どうしてだ……? まさかループする廊下? 1度入ったら出られない? どうする、このまま歩いて元の部屋に帰れるかどうか分からない、ならば適当に部屋入って待ってるか。」
そうして、カズマは目の前に入った部屋はだだっ広くベットと机があるだけの机ではなく、子供部屋の様な小さなベットと机があり、部屋の壁は本棚で埋め尽くされていた。
「お兄さん面白いくらいバカだね。」
そう声を掛けて来たのはベットの上に座っている小さな女の子だった、見た目はパッと見7歳いかない位の女の子だった。
「おぉー! 第1村人発見! それと初対面相手にバカとかはダメだぞ? しっかり教育されてないのか可哀想に……」
カズマは女の子に注意した後小声でここには居ない屋敷の主に文句を言った。
「主に対する暴言は許さないは、次からは言葉ではなく実力行使にでるわよ」
謎の少女は本気で怒ったようにカズマに文句を言った。
「ごめん、ごめんってそれよりお前は誰だ?」
「それはこっちのセリフなのよ、私はこの屋敷の司書なのよ」
「確かに名乗ってなかったな、俺はカズマだ訳あってこの屋敷で働くことになったよろしくな。 それと司書って言う割には本少ないな、もっと本があるもんじゃないか?」
カズマは自分の立場を明かした後少女に疑問をぶつけた、少女はカズマが働くことに嫌な顔をしながら答えた
「ここにある本は私の本なのよ、ちゃんと書庫と金書庫の2つがあるわ」
なるほど、ここはこの少女の部屋で本来の仕事場は別にあると……
カズマは納得すると少女が初めに会った時の言葉を思い出した、
「そういえば、面白いくらいバカってお前この無限廊下知ってるのか?」
「知ってるも何も、私が仕掛けた魔法よ」
少女は自慢げにカズマに話した、カズマはなるほど、と納得したように頷いたが
「おい! 待て、じゃあこれはお前が仕掛けた罠で俺ははめられお前に遊ばれてたのか?」
カズマは半ギレで怒りと悲しさをあらわにしながら疑問をぶつけた。
「そうなるのよ、後アリス様がお前を探しているのよ、早く会ってあげなさいな、私は書庫に戻るから、お前もアリスの部屋で待ってといいのよ」
少女はそう言い切るとカズマの目の前で手を広げて突き出した、釣られてカズマも手を出すが手を開ききる前に間の前が歪み初め、目をつぶる。
「うっ… どうなってんだ、またあのチビの仕業か?」
カズマはそう呟いたと同時に歪みが無くなり視界がクリアになって行く。
「正解なのよ、それとチビじゃ無いは私はお前より年上よ」
カズマは視界がクリアになって行く前にそう聞こえた、カズマは視界が戻った後同じ部屋を開けたがそこは先程の部屋では無く何も無くなっていた。
「どうなっているんだ……? それより部屋に戻るか。」
カズマは先程まで自分が寝ていた部屋に戻ろうと歩き出した。




