体の限界
今回から、メインのセリフと一人称の文と第三者?のような文に分けてみました。
これで、読むやすくなったでしょうか?
後今回は短いです。
第2章 試練3
カズマは三途の川にいた女と話した後、元の世界に戻るための扉に入った。
体が痛い、口が熱い吐き気もする…さっきのは夢……?
「はっ!? 」
カズマは意識が戻った瞬間大事なことを思い出した、そうスライムと戦っている途中なのだ。
突如肩に固形物がぶつかりバランスを崩す…
カズマは再び地面に突っ伏す事になった。
俺は何度も起きようとするが、その都度奴が邪魔してくる……何か奴の動きを止める方法はないか…?
カズマは1つだけ、思いついた事があった、それはスライムにフェイントをかける事だ、だがカズマはスポーツなんてろくにしておらず自信がない。もし失敗したら無駄に体力を使うだけになる…
「考えても仕方ねぇ、やってみるしかねぇな」
カズマは1度起きる振りをし、直ぐに地面に倒れ込む事にした。そうすればスライムは勘違いして、突っ込んで来るに違いない…
カズマは直ぐに実行しようとしたが体が思うように動かなくなってきたいた。ロボットの様に脳から指令が出され、少したってから体が動くのだ。
「そろそろ、やばいな……やらねぇ事には始まらねぇか、今やるしかねぇ!」
俺は最後の力を振り絞って体を動かした……
カズマは初めを手を地面に起き飛び跳ねるように、腕を伸ばす、するとスライムがカズマに向かって飛び跳ねる、がしかし、すぐさま地面に倒れ込みスライムの攻撃を避けた…
はずだった。
「よっしゃーどうだ! うっ…」
俺は攻撃を避けたはずだそれなのに、左の腹からゴムボールをぶつけられたような痛みが走る。
カズマはあまりにも、突然の出来事過ぎて頭が回らない。痛みだけが、ゆっくり全身に広がって行く。
「ど、どうしてだ……」
そこで、カズマは重大な見落としに気づく、スライムが分裂した数は2体だったのだ。
だから、1匹の攻撃は避けても2匹が直ぐに攻撃してくる。
いわば、無理ゲーだった。
「2体の攻撃をいっぺんに避けるのは無理だ…」
カズマは声には出さずにずっと叫んでいた、
「助けてくれ、痛いのは嫌だ、助けてくれ!!」
だが、その声は誰にも届くはずもなく再び攻撃が繰り返されようとしていた。
ここまでなのか……世界がゆっくりに見える、幻覚まで見えてきた…女の人?
「カズマ、あなたには力があるでしょう?」
ただその一言だった。 力? そういえば……
俺は、この世界に来てからすぐの出来事を思い出した、俺が男達からアリスを守った時、死ぬかと思ったが、光に包まれ今こうして生きている…まぁ死にかけだが…
スライムがカズマの顔のすぐ近くに来た時、その力の名を思い出した、女神の加護だと。
俺を守ってくれよ!
「女神の加護!」
そう叫んだ瞬間、骨が砕けるような音が鼓膜に響いた。それと同時に回りが白く包まれた様に見えた。
自分の頭が見えたと判断した時には、それはもう終わっていた、回りが白く包まれていなかった…ただ自分の目の前で1匹のスライムが体がバラバラになりながら飛んで行った。
「う、嘘だろ…、あんだけ打撃は効かなかったのに女神の加護は効くんだな。」
カズマは苦笑いしながら辺りを見渡す、スライムがどこに居るか把握したかったからである、だがしかしスライムは見当たらない、この闘技場は障害物がある訳でもなく端から端までハッキリ見えるくらい何もない。
それなのに、スライムが消えて居ることにカズマは驚きを隠せなかった。
「どこに行きやがったんだ…」
カズマはもう一度見渡す、すると数メートル先に穴があった、大きさは大きくなく横幅はハンドボールほどだったが、深さはとても深く底が暗く見えない状態だった。
「まさか……」
カズマはすぐさま足元を警戒した、スライムが地面から飛び出して来ることを警戒していたからだ。
だが、どこからも出てくる様子がない、スライムも警戒して出て来ないのだろうとカズマは思ったが、それは違った。
カズマは同じ位置にいるのは危険だと、感じ少し移動することにいた。
痛む体を動かし端まで歩いたカズマは全体を見渡すように座った。
「どこから、来るんだ…」
カズマは地面を叩きそう呟いた、その瞬間地面が揺れた、カズマが揺れを察知するのに差程時間はかからなかった。
「どうしたんだ? 地震か…?」
揺れが大きくなり、カズマは地面に突っ伏してしまう。
カズマは揺れが収まるのを待っただが、揺れは止まる気配がなくどんどん揺れが大きくなっていく。
カズマはただ揺れが収まるのをまち、ただ1点を眺めていた、突如そこにスライムが現れた。
現れたというより、地面から這い出てきた。
「やっと出てきたか…クソ野郎」
カズマは、走り出したスライム目指して……
だが、揺れのせいで上手く走れなく何度も転びながらスライムに向かって走った。
後数メートルの所でカズマの体が宙を舞った…
「はっ!?」
体が宙を舞う感覚、体の中にある臓器が浮くような気持ち悪い感覚がカズマを襲う。
だが、カズマが宙を舞っている事に気がつく時には、カズマは地面を戻っている。
「何が、起きたんだ…」
カズマを見下すかのようにスライムは跳ねている。
「調子乗りやがって、ぶっ殺す。」
カズマはスライムに向かって走りだした。カズマの体はとっくに限界を超えていた。
本当だったら、直ぐにでも倒れてしまうような怪我だがカズマは耐えている。
アリスとの約束を守るため。
「これでラストだぁぁ!」
スライムとの距離を体2つ分の距離になりカズマはそう叫んだ。スライムも危険を察知したのかカズマに突進しようとする。
カズマはスライムを掴もうとするが、後拳1つ分足りなく腹にスライムが食い込む。
カズマの体が飛ぶ。がしかしカズマの拳を止まっておらず、そのまま自分の腹事殴る。
スライムは圧に耐えきれず肉体が液体に変わっていく。
「や、やったのか…見たかアリス……」
カズマはアリスに向かって微笑むと地面に倒れた。
「やったね! カズマさん!」
アリスがカズマに向かって走り出す、傷を治すためにボロボロの体を癒すために。
アリスがカズマの元に来た時カズマの心臓は止まっていた。
だが、アリスはまだ気づいていない。
「ヒール、あれ? ヒール! なんで、なんで? どうして傷が治らないの?」
アリスはカズマにヒールをかけ初めてカズマが死んでいることに気づく。だが信じたくないアリスは必死に回復魔法をかけ続ける。
「ヒール、ヒール、ヒール、ヒール! 嫌、嫌私まだ何も……ヒール!」
アリスは必死叫び続ける。その時アリスの母がアリスを止める。
「もう、死んだんだ。いくらやっても無駄なんだ、魔力が減る一方だしやめときな。」
「でも、お母様カズマさんが…カズマさんが!」
「そいつは、もうただの屍だよ、ネズミの餌にでもしたらいい。」
「もういい! 私は部屋戻る! カズマさんを連れて行くから。」
アリスはこれが初めて親に逆らったのであった。アリスは屋敷に向かってカズマを引きずって。
それを、見つめるアリスの母ロファール・ガーデンとても寂しい顔で見つめていた。
明日の夕方この話を終わらせます。
話自体はまだまだ続きます!




