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ヒキニートが転生したら使用人だった  作者: おじ丸
使用人なるまで酷道
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2度目の死

第2章 試練3




俺はスライムに関節を砕かれ、腰をズタズタにされ自分では立つ事さえ出来なくなり、意識が無くなった。



「ここはどこだろう……」



ふとそう思った。

そこは、暑くもなく、寒くもなく、音もなく、物も何1つない真っ白な世界。

俺は奴と戦っていたはず……

まさか……死んだ? はは…あんだけ張り切ってたのにカッコわりぃ。


それにしても、俺はどこに行くのだろうか、体を一切動かせない…今止まっているのか、落ちているのかも分からない。

「ーーーー!」 なんだ、聞こえるじゃないか、なんて言ってるかは分からないけど…

真っ白な世界がどんどん色づき始める…初めは全てが黒くなって行き、星の様な小さな光が浮かんでくる……赤、青、黄色…他にも沢山浮かんでくる…… 綺麗だ。


「起きてください!」 今度はっきり聞こえた、起きてください? 今の俺じゃあどうやって起きるのかが分からない。もう少し綺麗な光でも眺めるか…


「起きてくださいよ! これでどうだ!」 突如どこからともなく、勢いよく殴られた様な痛みにより、先程見とれていた景色が、歪んでいく…ぐにゃぐにゃに歪んでく…

どうなるんだ……?


「はっ!? ここはどこだ…?」



俺は起きた途端目を見開き辺りを見回した、そこには何もなくただ、真っ暗な世界が永遠に続いている様に見えた。

だが恐怖はなかった。それどころか、どこか安らぎを感じる場所だった。



「起きたんですね!」



突如後ろの方から声が聞こえた、どこかで会った事があるのか、どこか懐かしい声遠い昔に聞いた事がある様な女の声だった。



「あ、あぁここはどこなんだ?」



「ここは死んだ人がやってくる三途の川の様な所です。あなたは2回めですね。」



俺がここに来た事がある…? それよりも、俺は死んじまったのか。約束守れなくてごめんな、

涙目になりながら、心の中で謝った。

何回も何回も。誰かに許して貰える訳でもなく、ただひたすらに後悔している。

あの時、こうしておけば…あぁしていれば、何か変わったのかもしれない。



「あのー?」



俺の顔色を伺うように顔を覗いてきた。

そして、少しためらってから



「あなたには蘇ってしてもらいます。」



そう言った。

え……? 蘇る? 言葉も出ないてっきり死んだから天国送りかと…




「ほ、ホントか?」



「はい、ただ死ぬ前と全く同じ状態、分かりやすく言うと、足の骨やその他もろもろ全部、砕かれてたり出血したりしてます。」



へ……? それじゃあ蘇る意味無くないか? 痛みとかでショック死しそうだ…それにあの痛みをもう一度味わうのは嫌だ。

けど……次こそ約束は守ってやれるかも知れない。



「また、死んだらここに戻ってくるのか?」



「はい、そうですよ。 ここを出る時はここにいた記憶は無くなりますけどね。」



なるほど、だから懐かしい気がしたのか…



「後、あなたは私が上げた力がありますよね?」



「んー……? 全然覚えてねぇ……」



相手はやれやれといった感じに首を横に振ったあと。



「秘めたる力と言えば分かりますか?」



「あー、あれか! カウンターだろ?」



「はい、これからは女神の加護と言ってください。この名前は忘れないようにしておきます。」


そんな事まで出来るのか…



「そろそろ時間ですね。ゲートを開きます。」



この空間に時間という概念があったことに驚き、俺の後ろにゲートが開いた、それは白く光っていてずっと回っている。俺は女神様にお礼を一言言うとする。



「なんか、ありがとうな」



特に何かをしてもらった訳でも、無いが俺はしっかりとお礼を言うべきだと思った。

女神は苦笑いをしながらこちらに手を振っている。


「それじゃ、行くとするか。」



俺はゲートの中に入っていった。

今回では、終わらなかったです!

ごめんなさい!感想が3件も届きました!

皆さまありがとうございました!

PVもほんとに増えてきて、うれしいです!

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