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「………はぁ
脅かすなよ………」
目の前でそう呟いたのはマルだった
メガネを掛け、痩せ型、長身。黒髪の短髪をニット帽で隠した見た目は好青年といえる。
見た目だけは。
「只今マルと合流、これよりルナの居る管理室へ向かう」
俺は突然の再会で更に速く脈打つ胸に手を当て、自分を落ち着かせながらそう連絡した。
マルも相当驚いたらしく、俺と同じように胸に手を当て、床に向かって安堵の息を吐いた。
〝了解。クロさん、少しお願いが〟
〝なんだ?〟
〝管理室のPCに電力が供給されてないみたい。多分この区画全体のブレーカーが落ちてる。1Fの警備員室に配電盤があるはずだから、電力の復旧をお願いします〟
ルナの一言で俺はまた気を引き締め直す。
任務中だ、一瞬でも気を抜くことはあってはならない。
〝OK、任せな〟
〝私も行くよ。クロだけじゃ頼りないしね〟
クロさんが頼もしい返事を返し、それを頼りないとユメが一蹴する。
この2人は任務において、そしてこのチームにおいて最高に頼れる存在だ。
経験が豊富で、的確な判断力と鋭い洞察力を持ち
常に冷静に他3人をバックアップしてくれる。
そんな2人の会話に、緊張しながらも少し心強い感覚を得て、自然と口元がゆるんだ。
マル「さぁ、管理室までもう少しだ。急ごう」
「そうだな」
そうして俺とマルはルナの居る2F管理室へ
ユメとクロさんは電力の復旧の為、1Fの警備員室へと向かうことになった。