作ってみようとして失敗してみた。
「潮時……か。」
過去に投稿した『かわのたて』『ひのきのぼう』『どうのつるぎ』のエッセイの評価してくれた人の数をみると、正しく右肩下がり。思わず苦笑いをする男。
おおよそポイント欲しさに調子に乗って投稿している事がバレすぎたのだろうと自嘲気味な笑いが漏れる。
「まぁ、いい夢を見れたよな……楽しかった。」
背もたれがギシっと唸り声を上げ見上げると、そこにはなんの変哲もない天上。
ただ、ぼーっと天井を眺めていると、これまで作った物が脳裏を過り思わず笑顔が漏れる。
「一応『終わり』宣言したからな……きちんとこれで終わりにしよう。」
鼻から息を大きく漏らした後そう言葉を放つ。
だが言葉にした途端、その言葉は形を変えはじめ男の心に陰りを生んだ。
その生まれた陰りは男に感想欄をクリックさせる。
『楽しみにしてます』
『本来の製法はこうだろう?』
『いいぞ、もっとやれ』
『次はアレかな? アレなのかな?』
返答済みの感想を眺めていると――ふと思う。
『本当に終わって良いのか?』
と。
『お気に入りユーザー登録までしてくれて楽しみにしてくれている人がいるんだぞ?』
机に左肘をつき左手の甲に頬が乗る。
視線は光を放つモニターに向けられているが、思考の中に意識を引きづられモニターは見えていない。
楽しかった――
週末までに材料を用意して、週末になった途端に早起きしてモノづくりにチャレンジするのが、どこか非日常な感覚がして楽しかった。
そしてソレをエッセイにすると色々な感想がもらえて楽しかった。
『もったいない』
気が付けば男は再び業務用品通販サイトのページを開いているのだった。
はいどうも。フェフオウフコポォと申します。
懲りずに、物語調の冒頭まで書いてまでして投稿しております。
ではいつも通り定型句を。
はじめに、私が記す内容に関しましては、あくまでもエッセイです。
個人の主観で感じるまま書き綴ったモノであり、純粋に『私はこう思った』という程度のモノでしかありません。内容によっては書いても仕方がないことを述べる愚痴のような物もままありますので、どうぞその旨ご了承を宜しくお願い申し上げます。
さて、今日のテーマは
『作ってみようとして失敗してみた。』
……いや、作ってないじゃん。
はい。失敗しました。
なので今日は『モノづくりしようとして失敗したエッセイ』になりました。
所詮、専門知識のない素人なので、なかなか思う通りにはいかないものですね。くそうくそう。
これまでのエッセイ投稿で少しずつ制作物のハードルが上がってきたように思えた為、冒頭のように作るのを止める事も考えていたのですが、私の悪ノリを楽しんで頂ける人がいるのであれば、思うまま自分が作って楽しそうな物を作ってもいいかもしれないと思い直し、またもチャレンジしてしまいました。
チャレンジするに当たり、基本方針はやはり『片手間』でできる事。
週末の午前中だけで簡単にできる物を作りたいと思い、頭を巡らせます。
これまでの制作物を思い返せば基本的に『竜の探究』の世界に出てきた武具を作っていましたが、これはどんどん製作時間が伸びそうになる為『武具』という物から離れてみても良いんじゃないかと視点を変えてみると、そもそもこのエッセイを投稿させて頂いているサイト『小説家になろう』は『異世界ファンタジー』が有名。
で、あれば『異世界ファンタジーの定番』の品を作ったら……
くっそ面白そうじゃないか!
うんっ! 面白ければそれでいい!
そう思うと頭が勝手に動き始めます。
まず最初に作ろうと思いついたのは『黒パン』
「なんだっ! このパン固ぇっ! もしかして白パンじゃなくて堅パンとか呼ばれているパンなのか?」
的な感じで主人公が街について食事をして驚く定番の品。
早速作ろうと調べてみると『パン』って、もう古代エジプトの時代には発酵パンになってたらしいじゃないですか。
レシピを色々調べてみても基本的に全粒粉やライ麦を使った物が『黒パン』と呼ばれ普通に美味しそう。
ロシアのパンを調べてみても酸っぱそうだったり多少固そうに思えても基本的にカッチカチではなく柔らかそうなパンが多い。
私が異世界物語でイメージしている黒パンのような物に近いレシピは見つからず、もしかしなくてもフランスパンを買ってきて、そのまま放置して水分飛ばしてカッチカチにしてしまうのが、一番それっぽい状態になるんじゃね? とか思えてしまうと、あまりの面白みのなさにボツ。
次に思いついたのは『蜂蜜酒』
「エールじゃなくミードなのか……これはこれで美味いな。」
的なお酒。これも異世界の定番ですよね。
よし、これだっ!
早速作ろうとちょっと検索してみれば出るわ出るわなんとも簡単な作り方。
蜂蜜を水で薄めてイースト混ぜて放置すればできるという、なんとも簡単なレシピ。 これなら片手間も片手間! やったぁっ! これに決まりだね!
『※犯罪です』
なん……だと?
アルコール1%以上のお酒を造るのは法律違反で犯罪になる……だと?
元々どんな味なのか興味のあった『蜂蜜酒』
誰でも材料があれば簡単に作れる『蜂蜜酒』
異世界ファンタジー定番の『蜂蜜酒』
一度は飲んでみたい『蜂蜜酒』
なんということでしょう。作っちゃうと
思いついたアイデアが悉くボツになっていき、意気消沈し
『やっぱりやめた方がいいか』
と弱気になりつつ『異世界物語で必ずと言っていいくらいに出てくる定番の品』をボンヤリと考えてみる。
「……あ。」
ある物が、ほぼほぼ必ず出ている事に気が付く私。
これまでやった事が無いし、制作ハードルは上がるけれど短い時間で作れる。
作業自体はなんだか怖いけれど面白いし実際に作る事でかなり考察できるような気がする。
こういった物を作る事で、モノづくりの幅が広がってもっと面白い経験もできるかもしれない!
そう思ってしまうと材料の手配に勝手に手が動いていた――
手配した材料は以下の通り。
大きさがちぐはぐだし、使ったことも無い物ばかりなので、普段触っている人が見ればオカシイのかもしれないけれど、そこは素人丸出しで、気の向くままとりあえずやってみよう。
どこかワクワクドキドキしながら実験を始める。
プロ用ガストーチにビビりながら、マッフル炉の使い方がタダの台座にしかなっていないことに気が付きながらも材料を入れて点火。
結果――
割れた。
割れちゃった。
開始3分で割れちゃった
開始3分で坩堝|(3,661円)が割れちゃった。
さ……3,661えーん!!(j皿j)
はい。失敗しました。
結局実験してみたくらいにしかならなかったので、この後調べ直して『坩堝』じゃなくて『溶解皿』を注文しましたですよ。はい。無知ってやーね。んもう。
どうやら『つくってみた』で、ご報告できるのは来週に持ち越しのようです。
あぁ……3,661えーん!!(j皿j)