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消えた子猫
第2話
消えた子猫
猫を飼い始めてから1週間。始めは1日だけならと思っていたのだが、なんやかんやで気がつけば1週間という時間が過ぎていた
『かわいくて、つい…』
と、心の中で自分へ言い訳を言ってしまう
その猫は思いのほか人懐っこく、いつの間にか家族内での人気者になっていた
家族は猫のことを『ミィーヤ』と読んでいたので、とりあえず僕も略してミィと呼んでいた
まぁなんだかんだミィが来てからの毎日は楽しく、僕は平穏な日々を過ごしていた
しかしある日、僕の人生を大きく変える事件が起こる
「ミィ、今帰ったよ」
学校から帰った僕は、いつもの様にミィの名前を呼ぶ。とても人懐っこいミィは、家族の誰かが家に帰ると必ず玄関で出迎えてくれる。───だが今日は違った
扉を開けた先にミィの姿は無く、変わりにミィがしていた筈の首輪がそこにあった