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ジミ’s×8~8人の幼馴染と同居することになりました~  作者: MIDONA
八章〜それは、幼馴染で、家族で、大切な人だからだ!
31/39

ただ今、『E★エブリスタ賞 MF文庫J10周年記念 ライトノベル賞』に挑戦中です。

各ページ下部、及びユーザーページに『E☆エブリスタ』の作品ページへのリンクがございますので、よろしければ投票による応援にご協力ください。

※リンクに飛ぶだけではポイント加算されませんので、お手数ですがリンク先での作品への投票をお願いします。

「遅くなってすみません」

 美香は今にも逃げ出したい気持ちを必死に押さえながら、叩かれて悲鳴をあげているドアに手をかけた。

「あの……印鑑が見つからなかったので、サインでもいいですか?」

 足はガクガクに震えていたが、その震えが声にでないように気をつけながら出来るだけ平然と振る舞う。

「それでは、こちらにサインをお願いします」

 さっきまでの怒声は何だったのか、と突っ込みたくなるほどの恐ろしいまでに優しい声と、サングラスの上からでもわかるほどの引きつった笑顔で言葉が返ってきた。

「ありがとうございます」

 美香は恐ろしく軽い段ボールを受け取り、サインを始める。中には何も入っていないのだろう。

 内心の恐怖が腕に伝わって、蛇が踊っているような字になってしまったが、時間を稼ぐためにも出来るだけゆっくりと名前を書いていく。

 すると、半分くらいを書き終えたところで、

「あの、お隣に住んでいた、琴瀬涼子さんと杏子さんが、今何処にいるかご存知ありませんか?」

「へ!?」

 あまりにもピンポイントな質問に変な声を上げてしまったが、咳払いをして気持ちを落ち着かせてから答えを述べる。

「火事の後は一度も会っていませんけど……」

 言った後で、少し無理があったかな、と反省する。二人は既に学校に通っているので、杏子にも一度もあっていないというのはあまりにも不自然だ。言い直せるなら、今はどこに住んでいるのかはわからない、ぐらいだろう。後は相手の情報力次第だ。

 できるだけ不安を隠すように気を付けながら、目線を上にあげる。すると、相手がイライラしたように声を苛立てて口を開いた。

「この家に入っていくのを見た、って言っている人がいたんですが……」

「気のせいじゃないですか?」

 あまりの迫力に、自然と視線を逸らした。

 声も裏返ってしまったかも、と心配していると、目の前の男とは別の方向から声が響いた。

「目標が逃げ出したぞ。追いかけろ」

「今、裏口から逃げたって連絡が入ったけど、まだ知らないって言うのかな? お嬢ちゃん」

「私には何のことだがさっぱり――」

 何で早々に見つかるような逃げ方をしてるのよ、などと思いながら目の前を見ると、ものすごい形相でポキッポキッと指を鳴らしている男と目が合った。

「まだ、しらばっくれるのか? あぁ?!」

 兄たちを追っていく他の男たちを背景に、目の前の男が自分を殴るべく拳を持ち上げた。

「嘘つきにはお仕置きが必要だよな?」

「いや、誰か助け――へ?」

 自分に迫りくる大きなこぶしに、無意識に叫びながら目をつぶってしまう。

 だが、いつまでも経っても衝撃が来なかったので不思議に思い、瞑っていた目を開く。

「……え? 奈緒……さん?」

 すると地面に倒れてのびている男と、空中に髪が舞っている少女が目に入った。

 少女は男の顔を踏みつけた後、手をはたいてからこちらを向いた。

「遅くなって申し訳ありませんわ」

 奈緒は自分に謝罪の言葉を述べる。その姿はどうどうとしていて、とてもかっこよかった。

 美香がそんな感想を抱いているうちにも、どこからか取り出したロープで男を縛り上げていた。

「ありがとうございます」

「当然のことですわ……守との約束ですもの…………」

 さっきまでの威厳はどこへやら。先ほどとは打って変わって、年頃の乙女らしく顔を赤くして目を背ける奈緒。

 その様子を見ると、年上の同性でありながらも、ついつい可愛いな、と思ってしまう。

「早く戻りますわよ」

 いつの間にか男を縛り終えていた奈緒に、手を捕まれる。

「はい」

 その手に引かれるがままに、美香はリビングの方へと歩いていった。




どうもMIDONAです。

パッと思いついたので、『ジミ’s×8』のキャラクター人気投票を作ってみました。

回答期間などは設けず、ある程度まとまったら集計してみようと思います。

また、選択肢は順次増やしていく予定です。

ラノベの巻末アンケート的なものだと思ってください。

その結果がその後のストーリーに影響する…………かも。

気が向いたらお気軽にぜひ投票してみてください。

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