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第2話 料理長塩見大吾

砂糖元家の娘、希美の執事は体重130kgと少し大きな執事である。

そんな大きな執事と屋敷の住人、学友、探偵、様々な人を巻き込むドタバタコメディ。

「そういうことだから、塩見さんよろしくお願いします。」

「オーケー、そういうことだったんだね。でも残念だな、僕はてっきり美味しすぎて希美ちゃんがおかわりしたのかと思ってたよ。」

「誤解なんですよ!でもすごく美味しかったです♪気を許したら食べすぎて太っちゃうから困っちゃうくらい♪」

希美は昨日の件を訂正するとともに、ゼリーの美味しさをしっかり伝えた。


「それなら良かった。しかし啓介君のデザートも作るとなると、少し考えなければなぁ。」

「啓介くん?」

希美は初めて聞く名前に首を傾げる。この家にそんな名前の人いたっけ?

希美は物覚えが良い方で、一度聞いた名前を忘れるタイプではないので、一生懸命考える。しかし頭の引き出しをいくら開けてもそんな名前は出て来ない。希美は諦めて大吾に尋ねる。

「啓介くんって誰ですか?そんな名前の人いましたっけ?」

「あれ、啓介君が希美ちゃんのデザート食べちゃうからって話じゃなかったっけ?」

希美はそこで初めてあの『大きな』執事の名前が啓介であることを理解した。

「あの人啓介って言うんですね。お父さんなんにも教えてくれなかったから。」

希美は『大きな』執事の名前が啓介であることを知ったとともに、この先名前で彼を表現することはないだろうとも思った。彼を表現するのに、名前よりも見た目の方がしっくりくるもの。それにその方が文字数も稼げるし、、、


「でも何で彼のデザートを作るのが困るんですか?同じものを作る感じじゃダメなの?」

「ああ、実はね、」

と大吾は周りに誰もいないのを、特に酒田さんがいないのを確認して希美に事情を話す。

希美はそこで初めてあの『大きな』執事がなぜ雇われているのかを知ることになる。


庭師の酢矢さんが希美の父親に紹介したこと。

希美の父親が周りの反対を押し切り雇ったこと。

ただのフリーターで執事の経験なんて全く無いこと。

そして塩見さんに体重の管理をさせていること。


「体重の管理ってどういうこと?健康の管理じゃなくて?」

「もちろん健康的な食事はそうだけど、体重をキープさせるように君のお父さんに頼まれているんだ。」

まるでプロボクサーが計量に合わせて体重を管理しているみたいな風に言っているが、希美は何を言っているのか理解できないでいた。

「それは今の体重が必要な作業があるとか、そういうこと?」

「僕も詳しいことは知らないんだ。ただ見た目を変えるなと言っていたなぁ。今の見た目から太るのも痩せるのもダメだと、、」

希美はふぅん、と不満そうな相槌を垂れるとともに、今度問い詰めてやるんだからと腹を固めた。


それじゃあ、と希美が自室へ帰ると、塩見大吾は些か困っていた。

「塩見さん、さっき希美ちゃん来てたけど、何か用だったんですか?」

目を輝かせながらそう言うのはゴシップ大好き酒田さん。この人に言うと3分後には邸宅全土に噂が広まってしまう。

3日ではない。3時間でもない。3分なのだ。

大吾は初日に過去の恋愛話を酒田さんに広められてから、彼女に対しては言葉に気をつけている。

「別にたいしたことじゃないですよ。」大吾は何も突っ込めないように最低限の会話で酒田さんに対応する。


さて、と大吾は『大きな』執事のデザートの件について思考を戻す。

まず希美のデザートを食べていたという事実が大吾を襲う。希美の話では少なくとも3日分、いやそれ以上のデザートを大吾の管理外で摂取している。

まず1日3回の間食に何か高たんぱくで低カロリーなものを与えないとデザート分のカロリーを取り戻すことができない。

ただ豆腐などの大豆製品はなぜか拒否をしてくる。野菜も嫌い。魚は生は好きだが焼き魚などはあまり好きではない。これらの食品はたとえ大吾の手を加えてもすぐに察知してしまう。

どうしよう、肉以外でタンパク質も摂ってもらいたいし、甘いもの以外で腹も満たしてもらわないと。

しかし目新しいものでないと、食べてくれないだろう。

どうしよう。

大吾が考えに詰まっていると、騒々しい足音と共に大吾を呼ぶ声が聞こえてきた。


「塩見さ~ん!ちょっとこれ良い感じに調理して欲しいんですけど!」

調理場に現れたのは、『大きな』執事を推薦した庭師であった。

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