生きるのはめんどくさい・・死ぬのはもっとめんどくさい
駄作です!!
「おはよ!」
「・・ああ、おはよう」
「?変な間があったけど大丈夫」
「ボーっとしてたから驚いただけです」
物思いに耽っていたら声をかけられてしまった。僕は所謂普通の高校生なので大勢の他人と上手くコミュニケーションを取っていかなくてはならない。今、僕に挨拶をしてきたのは確か・・神代だ、神代唯月。クラス内でも美人な方で有名な子だ。男子がよく下卑た妄想トークをしてる。まあ・・わからんでもない。僕が今までの人生で見てきた中でもかなり綺麗な顔立ちをしている。一般の高校生をしているのが不思議なレベルだ。世の中には持つ者と持たざる者が確実にいると理解する、いや、わからせられる・・それも力づくでどうしようもないほどはっきりと自分がどちら側かわかってしまう場所、それが学校の教室だ。ここでは確実にクラス人数分の順位が突きつけられる。しかも一つだけでなく、成績のいい順・運動のできる順、顔のいい順等など、小中高辺りまで学生生活をしていたら卒業文集なんかでいつの間にか票を取ってたアンケート結果が載ってたりするだろう。そこに何かしらの項目で名前の載ってる・・そうだなあ・・大体トップ3にいるような子たちが持つ者で載らなかった者が持たざる者だろう。そして神代は確実に持つ者だ。しかもほとんど全ての項目でトップ3に名前が載るような極めて優秀な持つ者。で、コミュニケーション能力もとても高いせいで僕のようなアンケートを取ってることすら知らされていないつま弾きものにも声をかけてしまうわけだ。そしてそれがまた人気の高さに拍車をかけてゆく。誰もかれもが神代とお喋りがしたいので、先ずはクラスの、なんというか、イケてる?グループ・・たぶん顔が良くて異性にモテて制服を着崩しつつ頭髪検査の日以外はバレない程度に脱色することを全員がやってるやつ集りから声がかかって神城はそっちに行った。こういう時、下を向いたり窓の外を眺めてボーっとしてると聴覚が良くなって(ソースは僕)普段は聞こえないような距離からの会話が聞こえてきたりする。ま、僕への陰口(あんな順位の低い奴に一々挨拶しなくても云々)なので聞こえるように言ってるのかも知れないけど。適当に聞き流しているとクラス担任が入ってきたので会話が途切れて各々席へ着いていく。不変な、おそらく1000年先まで不変な学生の1日の始まり方。
「毎日を平凡に過ごすことを望むことはおかしいことだろうか??」
「高校生はもっと夢や希望や可能性に満ちた先を見てていいんじゃないかな??」
あくる日にも神代さんに話しかけられたので皆から頭がいいと思われてる子に長年疑問に思ってることを投げかけてみたけど、まあこういう返答になるだろう。
「神代さんは、自分が何者にもなれない・・いや、ん~・・どんな職業にも就けないだろうなって思ったことはない??」
「自分にはなれない・できないって思った職業は沢山あるけど、興味のある職業は見つけられたからそれを色々調べてるよ」
能力の高い子なら、調べて知識を得てそれに向かって努力してなりたい自分に成っていくのだろうけど、僕にはそれができない。僕は既に自分に期待するのを止めてるからな。このせまい世界で上手くやれないような底辺ゴミムシである自分が社会とかいうここより更に広い場所で上手くやってることが想像つかない。
学校生活を彩るものは色々あるけれど、基本的にはどれも学校から与えられてるもので・・体育祭も文化祭も修学旅行も気づいたらその時期がきてるわけだよ。そんな中で生徒が自発的に起こせるイベントが・・告白!
まあ僕には縁が無くて・・・僕にしてくる女子がいたら真っ先にドッキリか罰ゲームを疑いますね。で、自分好みの顔と体と性格の異性を独占して若き高校生の性欲のはけ口にするためのイベント、それが告白!そんな性欲をストレートに伝えるわけにいかないから、好きとか前からいいなと思っててとかそういう耳当たりのいい言葉で誤魔化してさも美しいもののようにする告白ってものを毎週のようにされてるのが、うちのクラスで美人で有名な生徒、神代唯月なわけだ。さっき他クラスの男子生徒の呼ばれてどっか行ったんだが、野次馬しに行ったクラスメート達が、告白されてた!!!と周りで大騒ぎしているわけで・・たぶん結果はいつも通りフったんだろう。毎週告白されるってのはそういうことだ。これでまたしばらくこのクラスは、神代唯月が誰なら付き合うのかとどんな異性が好みなのかで暫く盛り上がるんだろうなと思う。
人というものは、恋をしないと死んでしまうものなのだろうか??と思うくらいに神代への告白イベントが続いてる。週1回、しかしそれが本当に毎週続くとなると告白される方は億劫になってるんじゃないだろうか?毎回どこかに呼び出されて好きだのなんだのと聞かされてるわけだし。しかし、なんで断り続けてるんだろう?野球部のエースだのバスケ部のキャプテンだの全国模試上位だのと色んなタイプの優秀&イケメンが告白してきてるけど悉く振ってるんだよな。それのせいで女の子の方が好きなんじゃないかなんて噂までたってる。傍から見てる分には暇つぶしとして最高なんだけど、これが卒業まで続くのって大変そうだなあとは思う。モテなくて良かった・・いや強がりではなくな。
一介の高校生である僕は生きていくためにお金を稼がなくてはならない。しかし義務教育は過ぎたとはいえ、10代後半の身でもある程度自分の生活をどうにかしようと思ったら学業以外のこともやらないといけないこの国の現状はいかがなものだろうか・・。それとも学業優先と謳いつつ、勤務時間内ならどれだけ疲れようと知ったことがないとでも言いたげな仕事環境に問題があるのか・・このことは随分長く考えているが未だに答えが出ない・・。
・・・卒業・・・卒業か・・・何回目だっけな・・。自分は、なんというか、歳を取らなくなってしまったらしい。もう高校生を何年やったか覚えてないほど続けている。だから別に青春とかどうでもいいし高校生相手に恋ができなくなってる・・もう100歳超えたくらいから数えるのやめたし。今も、視界の端でクラス、いや学年中だろうなあの人数は・・神代の周りに人が集まって別れを惜しんでいるが僕にとっては心底どうでもいい。先に進む者と取り残される者の壊せない壁がここにある。不老不死、あの超大人気作品では色んなキャラが七つの球を集めて願いを叶えようとしてたけど、いざなってみると全然いいものではないな。正直、この世界は不老不死に優しくない。
お久しぶりすぎます!作者のそら豆ともうします!!
ニートからフリーターになってから全く創作意欲がなくなりまして・・仕事してたらそこに体力と気力使ってそれ以外の時間はぐーたらすることに命を懸けたいので・・。そんな自分ですが、先日友人と飲みに行った際に作品の更新がないことをネタにされ、どうにか自分が書いてみたい題材(ある程度の文字数が確保できそうな題材ともいいます(__))をペットボトルの蓋くらいしかない脳みそを回転させて思いついたのが、『不老不死の人間が高校生をしていたら』でした。・・・まあ・・我ながら面白そうな題材を思いついたとなりましたが、作者の執筆力はたったの5なので、お仕事しつつ週に1度、毎回500文字前後書いてみた結果こんな感じになってしまいした。なので、ちょとでも後書きを面白くしようかなと頑張っていますが、こちらもそろそろ限界です。最後までお読みいただきありがとうございました。また面白そうな題材が浮かんだ時に書いてみようと思います