1章-36 リフォームのすすめ②
よろしくお願いします。
商人組合での用事を済ませた俺たちは、そのままティアのお父さんが経営している建設会社へと向かった。
「いらっしゃいませ…って、ティアお嬢様では
ないですか!」
「お久しぶりです。お父さんはいますか?」
「呼んできますので、応接室でお待ちください。」
「ティア? 職場に来てくれるのは久しぶり
じゃないか! みんなも会いたがっていたよ。
それで、今日はどうしたんだい? 設計図
だったら、今日の夕方に家でゆっくりと
話す予定だったはずだけど…」
「実は、フミト様のお店の改装も
お願いしたくって。」
「お店?」
「うん。」
「会社まで来てしまって申し訳ありません。」
「いえいえ。それで、お店の改装ですか?」
「えぇ。今度開くための店を購入したのですが、
護衛のみなさんが滞在する部屋の改装を
お願いしたくって。」
「わかりました。それでは、現場で打ち合わせを
したいのですが…。この後の予定はいかがで
しょうか?」
「この後でしたら、問題ありません。
みんなも大丈夫?」
「ロワルディは大丈夫です。」
「私も大丈夫です。」
「みんな大丈夫そうなので、
よろしくお願いします。」
こうして、お父さんと実際に建築に関わる社員の方を連れてお店へと向かうのであった。
「ここがお店になります。作って欲しいのは、
一階に職員の休憩室とカウンター、二階に
護衛の方が暮らす部屋を二つになります。」
「なるほど…。では、先に二階部分を
見せてもらってもいいですか?」
「わかりました。では、二階に行きましょう。」
「ここが二階になります。ここの部屋は
そのまま商談室として使うつもりですが、
この先のエリアは改装するつもりです。」
「…そうなりますと、廊下を挟んで右と左に
それぞれ一部屋ずつで大丈夫でしょうか?」
「えぇ、それで大丈夫です。部屋の中に
ついては、実際に暮らすことになる
ロワルディの方々と打ち合わせを
お願いします。」
「では、連れてきた社員と二階で詳しい
打ち合わせをしてもらいましょう。
それ以外の人たちと私で、一階の
打ち合わせをするということで
よろしいでしょうか?」
「はい。大丈夫です。」
「ありがとうございます。
なら、二階の打ち合わせは任せたぞ。」
「わかりました!」
「それでは、私たちは一階に戻って
考えましょうか。」
「ちなみに、一階はどのような感じを
考えていますか?」
「今のところ、一階は適当に棚を置いて
そこでいろいろな雑貨を販売する予定です。
貴重品については、二階の商談室で個別に
販売するので一階には置かないつもりで
います。」
「…フミトさんの雑貨を棚において販売すると
なると、盗難などのリスクが高くなって
しまうのでは?」
「一応、対策は考えていますが…。組合いわく、
商会を設立するのでよっぽど
大丈夫らしいです。」
「なるほど…。確かに、商会を立ち上げるので
あれば盗むリスクが高くなりすぎて、
よっぽど盗難などは起きないと思います。」
「その辺りの話は、また夜にでもさせて頂きます。」
「わかりました。あとは配置をどうするかですね。」
「カウンターでお金のやり取りをするので、どこが
1番スムーズに会計ができるかなんですよね…」
「でしたら、出口に近いところがいいかと。」
「出口ですか?」
「えぇ。そうすると、会計が終わった人が店内を
歩かないですむので、混雑が少なくなります。」
「では、そのようにお願いします。」
「あとは、休憩室をどのくらいの大きさにするか
ですね。どれくらいの方が働かれる予定ですか?」
「今のところ、七名の従業員を確保していて…。
同時に働くのは最大で五名の予定です。」
「それでは、一階の四割くらいを使って休憩室と
在庫の一時置き場にするのがいいと思います。」
「それで大丈夫です。」
「ならば、あとは内装だけですね。お店に設置する
休憩室の感じだと、ソファーとテーブル、あとは
簡単なキッチンくらいですかね。」
「でしたら、従業員だけでなくお客さんも使える
お手洗いを設置して欲しいです。」
「そうなりますと…。お店6割、休憩室4割にして
その間にお手洗いを設置させて頂きますね。」
「社長。二階の打ち合わせ、無事に終わりました。」
「では、フミトさん。すべて打ち合わせが終わり
ましたので、一度事務所に戻って契約について
お話させて頂きます。」
「お願いします。」
「では、先ほどの内容で改装させていただきます。
現在、うちの会社は依頼がちょうど終わった
タイミングで空いておりますので、
明日から工事に入らせて頂きます。
この工事内容ですと、5日ほどで改装は
終わります。ただ、フミトさんの自宅建て直しも
ありますので、予備日も含めて7日後の受け渡し
とさせていただいてもよろしいですか?」
「えぇ。それで大丈夫です。」
「ありがとうございます。では、代金の方
なのですが全て合わせて金貨120枚に
なります。」
「口座払いでお願いします。せっかく会社の
方に来たので、自宅の代金も払ってしまい
たいのですが…」
「わかりました。それでは、その分の
金貨200枚を合わせまして、
金貨320枚を頂きます。」
「これでお支払いは終わりました。
それでは、7日後の受け渡しになります。
鍵の方も預からせて頂きます。」
「これが鍵になります。」
「確かにお預かりしました。」
「では、うちの商会は7日後から本格的に準備を
することにする。それまでは、各自で宿を
とってのんびりとしていてくれ。その間の給料も
払うし、一週間分の宿代として金貨2枚を各自に
支給する。余っても返す必要はないからね。
あと、ナイアさんについては住む家を探して
おいて欲しい。決まったら、契約してもらって
構わないから。敷金礼金として、金貨2枚を
とりあえず渡しておくよ。それではひとまず
解散ということで、7日後の朝10時に
お店の方に来てください。」
こうして、お店の準備がちゃくちゃくと進んでいくのであった。
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