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異世界でも発注管理 〜日本から発送されます!〜  作者: 班長
1章 モルントの街
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1章-34 護衛のすすめ①

よろしくお願いします。

 翌日、ティアと二人で冒険者組合へと向かった。


 「ようこそ、冒険者組合へ。本日はどのような

  ご用件でしょうか。」

 「先日お願いしていた、護衛依頼の面接に

  来たのだが…」

 「わかりました。では、お名前をお伺いしても

  よろしいでしょうか。」

 「あぁ、フミトという。」

 「フミト様ですね。確認しますので、

  少々お待ちください。」


 「お待たせいたしました。本日9時から

  面接とのことで、第三応接室の方を

  準備させていただいています。」

 「ありがとうございます。では、そちらの

  部屋で待っていればいいですかね?」

 「えぇ。多分あと10分もすればいらっしゃると

  思いますので。来たら案内させて頂きます。」

 「よろしくお願いします。」


 こうして、俺たちは護衛依頼の応募者との面接に臨むのであった。


 「フミト様、どのような方が

  いらっしゃるのでしょうか?」

 「そうだな…。いろいろと確認しないと

  いけないな。」

 「えぇ。いい人が来てくれるといいんですけど…」


 ティアと話していると、外からノックの音が聞こえるのであった。


 「面接の方がいらっしゃいましたが、入っても

  よろしいでしょうか?」

 「はい。大丈夫です。」

 「では、失礼します。」


 「では、私の方から軽く紹介だけさせて頂きます。

  こちらがフミト様の依頼に応募されたグループに

  なります。ちなみに、フミト様は冒険者のランク

  をご存じでしょうか?」

 「いえ、知りません。」

 「わかりました、そこから説明させて頂きます。

  冒険者組合にはランクが存在します。この

  ランクは、強さや依頼評価などの総合的判断で

  決められています。つまり、力だけあっても

  ランクは上げれませんし、逆もしかりです。

  ランクは下から、ブロンズ・シルバー・

  ゴールド・プラチナ・ミスリルの5段階

  存在します。ゴールド以上になると指名の

  依頼が来るようになり、プラチナ以上になると

  国や領主の方から依頼が来るようになります。

  このランクは個人の物ですが、グループにも

  評価が存在します。基本は無印ですが、信用に

  よって星が与えられています。最大で5つまで

  星を持つことができます。ここまでは

  大丈夫でしょうか?」

 「えぇ、大丈夫です。」

 「では、紹介の方にもどります。この方々は

  3つ星のグループになります。個人では、

  リーダーの方がプラチナランクで、残りの

  メンバー三人がゴールドランクになります。」

 「そんなにすごい方が応募して

  くださったのですか?」

 「そうですね。そのあたりは直接聞いてみて

  ください。では、私はこれで失礼しますね。」

 「ありがとうございました。」


 「では、自己紹介からはじめさせてもらうよ。

  俺はフミトという。この街でお店を開くので、

  その護衛を募集させてもらった。そして、

  こちらがティアという、俺の大切な人だ。」

 「初めまして。ティアと申します。私もお店で

  働くことになりますので、どうぞよろしく

  お願いします。」

 「それでは、今度は皆さんに自己紹介をして

  もらってもいいかな?」

 「わかったわ。私は”ロワルディ”という

  グループのリーダーをしているクロンサよ。

  そして、メンバーの…」

 「エフィーです。よろしくです。」

 「ロイスだ。」

 「アレクという。」

 「私たちは、この四人で冒険者をやっているわ。

  ちなみに、私たちは幼なじみであり

  二組のカップルでもあるから、そのあたりは

  心配しなくていいからね。」

 「みなさん大切な人がいるんですね。

  私たちとしても、それは助かります。」

 「そういってもらえるとうれしいわ。」

 「ちなみに、なぜ応募してくれたか聞いても?

  皆さんだったら、もっと稼ぎのいい依頼も

  あるだろうに…」

 「実は、そろそろ引退しようかと思っていてね。」

 「え、引退ですか?」

 「そう。私たちも、そろそろ落ち着いた生活を

  したいと思っていてね。」

 「あぁ、俺とアレクもいい年だからな。

  未開拓なところに冒険に行くのは

  そろそろ限界を感じていてな。

  どうしようかと組合を覗いたら、この依頼が

  あったというわけだ。」

 「そういうことでしたか。でしたら

  皆さんにもいい話かもしれません。」


 「では、具体的な話をさせてもらいます。

  私とティアの二人でお店を営むつもり

  ですが、取り扱う商品が貴重品になるので

  常時護衛に滞在して欲しいのです。」

 「貴重品?」

 「えぇ。ですので、皆さんには住み込みで

  お願いするつもりです。個人部屋を用意

  してありますが、二人で暮らすなら

  リフォームの方もさせてもらいます。」

 「そこまでしてもらえるの? それは

  願ったり叶ったりだけど…」

 「気にしないでください。私たちは歩いて

  10分くらいのところに住んでいるので

  お店には毎朝通うつもりです。ですので、

  誰か一人だけ夜間のお店の警備をお願い

  します。日中は、二人ほどお店の手伝い

  をしながら何かあったときの対応をして

  いただければと思っています。」

 「仕事内容については、問題ないわ。

  むしろ、他の護衛に比べたら楽すぎるほどよ。」

 「あとは、条件についてなのですが、実は護衛を

  頼んだことがなくてですね…。

  普通はどれくらいもらえるものなのですか?」

 「朝から晩までだと、プラチナで一日銀貨20枚、

  ゴールドで一日銀貨15枚くらいかな。夕方から

  朝までだと、プラチナで銀貨30枚、ゴールドで

  銀貨25枚になるわ。」

 「そうですか…。では、クロンサさんには月に

  金貨15枚、それ以外の方には月に金貨12枚を

  お支払いさせて頂きます。ただし、私のお店は

  秘密が多すぎるので契約だけはしっかりと

  させてもらいます。」

 「え!? 契約も仕事柄あたりまえのことなので

  問題ないし、それにしたってもらいすぎよ!」

 「いえ、大変な仕事をお願いするので当然の

  金額になります。」

 「…わかったわ。精一杯務めさせてもらうわ!」

 「えぇ、お願いしますね。」


 こうして、俺たちは”ロワルディ”の皆さんと護衛契約を結んだのであった。


 「じゃあ、私たちの専属の子を連れてくるから

  ちょっと待っていてね。」

 「専属ですか?」

 「えぇ。星2つ以上のグループには専属の受付嬢が

  つくのよ。その子に契約を結んでもらえば

  大丈夫だから。」


 そう言って、クロンサさんは人を呼びに行くのであった。


 「失礼します。ロワルディの専属になります

  ナイアと申します。今回は、護衛契約を

  結ばれるとか。」

 「えぇ。お願いすることになりました。」

 「あ、そういえばナイア。この依頼が私たちの

  最後の依頼になると思うから。」

 「……なるほど。以前から言われてましたもんね。」

 「そうね。冒険者になってから13年になるけど、

  ナイアにはとてもお世話になったわ。」

 「専属になってから7年、あっという間でしたね。

  ロワルディの皆さんは冒険者を引退されるので?」

 「えぇ。指名依頼とかが来ても、困ってしまうから

  引退するつもりよ。」

 「でしたら、冒険者組合ではなく商人組合のほうで

  雇用契約を結んだほうがよいかと。」

 「確かに…。でも、ナイアの迷惑にならない?」

 「大丈夫です。私も組合を退職しますので。」

 「……え!?」

 「ロワルディの皆さんの専属として7年間仕事を

  してきて、今から他の冒険者の専属には

  なりたくありません。それなら、いっそ他の

  仕事をしようかと。」

 「…でしたら、ナイアさんも私のお店で

  働きませんか?」

 「フミト様のお店でですか?」

 「えぇ。実は、販売員が二人しかいないので

  困っていたんですよ。」

 「でしたら、お願いします。」

 「フミトさん、ありがとうございます。ナイア、

  これからもよろしくね。」

 「えぇ。私もロワルディの皆さんと

  一緒でうれしいです。」


 結局、冒険者組合で依頼をすることはなくなったのである。ロワルディの皆さんは、引退すると伝えたときに驚かれたようだが、そろそろ身を固めたいと伝えると皆から祝福されるのであった。また、ナイアさんについても引き留められはしたが、円満退職したのであった。

  

 こうして、護衛だけでなく従業員も新たに見つけることに成功したのであった。


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