1章-29 ニコナラの街②
よろしくお願いします。
ティアと一緒に、スキルの確認をする。
「まずは、わかりやすいのからいくか。倉庫の
サイズが50畳に拡大されて、納期が3時間に
短縮されたらしい。」
「納期が3時間になったのは、とても便利ですね!」
「そして、発注できるカテゴリーに”家電量販店”
”ホームセンター”が追加されたみたいだ。」
「そのお店では、何が発注できるのですか?」
「家電量販店では、こちらの世界でいう魔道具の
ような働きをする家電というものが買える。」
「かでんですか? ちなみに、燃料は何で
動くのでしょうか?」
「…そういえばその辺りはどうなんだろうか?
ちょっと調べてみるよ。」
「どうも、この世界では自由に使えるらしい。
ただし、毎月決まったお金を払う仕組みに
なっているみたいだ。」
「それは便利ですね! …でも、どれくらいお金が
かかるのでしょうか?」
「例えば、物を冷やしておける道具で月に銀貨1枚
くらいかな? お風呂用のお湯が出る道具で、
銀貨3枚らしい。だいたい、銅貨50枚から
銀貨5枚ほどに収まっているよ。」
「…魔道具に比べたら、1割ほどしか
かからないじゃないですか!」
「いわれてみれば…。あと、道具自体の費用も
銀貨5枚から金貨3枚ほどで
購入できるみたいだな。」
「…フミト様、これは危険すぎて売れません!!」
「確かに、売ったら絶対にもめ事になるよな…」
「えぇ、化粧品とは比較にならないほどもめ事に
なります。まず、仕組みの説明ができませんし…」
「…よし! これは俺たちの家にだけ
設置しようか。」
「そうしましょう!」
「あとは、ホームセンターでかえるものだが、
極端な話なんでも購入できる。」
「なんでもですか?」
「あぁ、タオル類や料理器具、食器類に文房具など、
だいたいの物はそろうよ。」
「…なんというか、すごいお店ですね!」
「あぁ、これで小物類も全て揃えることが
できそうだ。」
「うれしいです!」
「とりあえず、家に戻ってからその辺りは
考えようか。」
「はい!」
「ちなみに、次のレベルアップなんだが…
金貨100枚でレベルアップできるようだ。」
「…かでんや化粧品を発注していれば
達成できそうですね。」
「あぁ、案外はやくレベルアップできるかも
しれないな。次に解放される機能は
こんな感じらしい。」
『レベル5までに必要な取引:金貨100枚
解放予定:① カテゴリに”本屋”、”服屋”
”車屋”が追加
② 倉庫のサイズが100畳に拡大
③ 納期が1時間に短縮 』
「フミト様の世界の本や服ですか…
楽しみにしています!」
「あぁ、料理の本やおしゃれな服など、ティアに
プレゼントしたい物はいっぱいあるから、
はやくレベル5になるように頑張るよ。」
「はい! 一緒に頑張っていきましょう!」
スキルの確認を終えた俺たちは宿で夕食をとり、部屋でシャワーを浴びるのであった。
「夕食、美味しかったですね。」
「あぁ、街によって出てくるものがあそこまで
違うとはな。」
「そうですね…。明日の朝食も楽しみです!」
「それよりも、シャワーどうする?」
「お湯は3分までと言っていましたが、私たちは
魔法でお湯が出せますからゆっくり体を
流しましょう!」
「それなんだが…洗いながらどうやって
魔法を使うんだ?」
「…そういえば、考えたこともなかったです。
…………あ、ひらめきました!」
「ん? なんかいい方法があったか?」
「はい! お互いに洗い合いっこすれば
いいんですよ!」
「!! それはさすがに恥ずかしいというか…」
「恋人同士なんだから、大丈夫ですよ!」
「…よし、ならそうするか。」
「はい!」
こうして、ティアと初めて一緒にシャワーを浴びるのであった。
「ふぅ、きれいになりましたね!」
「あぁ、誰かに洗ってもらうのは初めてだったが、
なかなかいいもんだな。」
「はい! お家に帰ったら、お湯にもゆっくり
つかりましょうね!」
「…そうだな、そのときはいい匂いのする入浴剤
でもいれて、ゆっくりつかろうか。」
「楽しみにしています!」
「…することもないし、早いけど寝るか?」
「さすがに早過ぎますね…。なら、お布団にでも
入りながらゆっくりと話しましょうか。」
「それもいいかもしれないな。」
布団に入ると、後ろからティアが引っ付いてきたのであった。二人で仲良くいろいろな話をしていたが、気がついたらお互いに寝てしまっていた。
「…ふぁあ、もう朝か。」
「おはようございます。フミト様。」
「ん、おはようティア。」
「朝食の時間になっていますが、
どうしましょうか?」
「…もう少しだけ、ゆっくりしたら
朝食を食べに行こうか。」
「そうですね…、もう少しだけ
フミト様に引っ付いています!」
「そろそろ朝食を食べて、家に帰ろうか。」
「わかりました! では、早速準備しましょう。」
ちなみに、朝食はモルントの街とほとんど変わりがなかった。朝食を食べた後、馬車の運転手が泊まっていた宿へと向かい、そろそろ帰る旨を伝えたところ、いつでも準備はできているとのことであった。こうして、隣町への仕入れの旅は無事に終了するのであった。
「フミト様、昨日のお昼に出発したはずなのに
もう街に帰って来れましたね!」
「あぁ、これも貸し切り馬車のおかげだな。」
「このあと、どうしますか?」
「商人組合には明日行くことにしてあるし、
冒険者組合での面接は2日後だから…。
今日は、家に帰って、家電の発注や
小物を準備してしまおうか。」
「とうとうですね!」
スキルのレベルが上がったことで、ようやく自宅の設備がすべて整いそうなのであった。
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