1章-26 教会で再会
みなさん、読んで頂きありがとうございます。
本日も、よろしくお願いします。
ティアの実家をあとにした後、ティアの案内でこの街にある教会へと向かったのであった。
「フミト様、ここが教会になります。」
「ティアは来たことがあるのか?」
「はい、毎年はじめには教会でお祈りするのが
一般的なんです。」
「なるほど。」
「本日はようこそいらっしゃいました。」
「お祈りをしたいんだが。」
「わかりました。では、こちらへどうぞ。」
「あぁ、ありがとう。」
「こちらが聖堂になります。お祈りが終わり
ましたら、お声かけください。」
「わかりました。」
「フミト様、どのようにお祈りしましょうか…」
「そうだな…、二人で手をつないだ状態で
お祈りしてみようか。」
「はい!」
ティアと手をつないだ状態で、聖堂でお祈りを始めた。そうすると、どこからか声がするのであった。
「お二人とも、目を開けてください。」
「…この声は?」
「ティア、姫神様だよ。姫神様、その節は
大変お世話になりました。」
「いえいえ、こちらとしてもこの世界にとって
いいテコ入れになっているので問題ありま
せんよ。それで、本日はどうされましたか?」
「実は、ここにいるティアの件で
相談がありまして…」
「はじめまして、ティアと申します。姫神様と
直接お会いでき、大変光栄に思います。」
「えぇ、ティアの事は存じておりますよ。」
「やはりそうでしたか。ステータスを見たときに、
もしかしたらと思っていました。」
ここで、俺たちは姫神様に相談の内容を話すのであった。
「なるほど…。そういうことでしたら、
気にされなくて大丈夫ですよ。」
「え? それはどういうことですか?」
「お二人のステータスには、”愛し子”と
”寵愛”がついていますよね?」
「はい、私のは寵愛に変わっていました。」
「その二つは、簡単にいえば私の加護になります。」
「加護。」
「えぇ、寵愛の方が加護が少し強いですかね?
でも、それ以外の違いはほとんどありません。
そして、加護がついていると、自分に対する
攻撃に対して自動的に結界が張られます。
また、ステータスの方も底上げされます。」
「ちなみに、奴隷にかかっている魔法は
どのような仕組みなんでしょうか?」
「あぁ、あれは奴隷のMPを利用して自動的に
結界魔法を張っているだけですよ。ちなみに、
加護による結界に比べると強度は10%ほど
しかありません。また、MPがつきてしまう
と無理矢理HPを使って起動させるので…。
それに対して、加護による結界はMPの
消費はありません。」
「そのような貴重なものを…
ありがとうございます。」
「いえいえ、私の寵愛を受けているフミトさんの
大切な人であるティアも、私の愛し子に
なりますのでこれくらいは当然ですよ。」
「…姫神様のおかげでこの世界で楽しく暮らせて
います。また、大切な人も見つけることが
できました。本当にありがとうございました。」
「姫神様のおかげで、私の母の病気も治り、
大切な人であるフミト様に会うことが
できました。このご恩は忘れません!」
「お二人とも、私の大切な子供ですから
気にしないでください。これからも二人で
仲良くしていってくださいね。もし、また
何かありましたら教会へいらしてください。」
こうして、ティアと二人で姫神様との再会を果たせたのであった。
「神父さん、ありがとうございました。
こちら、少ないですが納めください。」
「わざわざありがとうございます。
お二人に神のご加護があらんことを。」
「フミト様、無事にあえて良かったですね!」
「あぁ、姫神様には感謝しないとな。」
「えぇ、お家にもお祈りするところを
作りましょう!」
「そうするか。とりあえず、これでティアを
奴隷から解放しても安全面での心配は
なくなったな。」
「私としては、フミト様の奴隷のままでも
いいのですが…」
「いや、俺はティアと平等な立場で
いたいから…」
「…わかりました。では、お言葉に
甘えさせてもらいます!」
「なら、これからワタリドリに向かって
契約を解除してもらおうか。」
「はい!」
二人で家の間取りを相談しながら、ワタリドリに向かうのであった。
「ようこそいらっしゃいました。
本日はどのようなご用件で?」
「あぁ、先日購入したティアの契約を
解除したいと思ってな。」
「解除ですか? でしたら、手数料として
金貨1枚いただきますが…」
「あぁ、大丈夫だ。」
「では、こちらの部屋にどうぞ。」
「まず、金貨1枚をいただきます。」
「あぁ、口座払いで頼む。」
「かしこまりました。では、こちらに
身分証をお願いします。」
「わかった。」
「お支払いが完了いたしましたので、
解除の手続きを行います。」
「あぁ。」
「解除は、こちらの解除用紙にお二人に
名前を書いてもらい、奴隷紋の上に
あててお二人の手を乗せて頂きます。
そして『契約解除』と唱えて頂ければ、
契約解除となり奴隷紋も消えます。」
「わかった。」
「では、こちらが解除用紙になります。
有効期限は15分となっておりますので、
こちらでお願いします。私は外に待機
しておりますので、終わりましたら
お声がけください。」
「あぁ、ありがとう。」
「終わったぞ。」
「はい、これで手続きは終了となります。」
「ちなみに、なにか他の手続きは必要か?」
「そうですね…、奴隷となった際に身分証の
ほうが失効してしまっていますので、
再発行だけお願いいたします。もし、
街から出る予定がありましたら
その前にお願いいたします。」
「わかった。助かったよ。」
「いえいえ、また、奴隷について何か
ありましたら当店へお越しください。」
こうして、ティアを無事に奴隷から解放したのであった。
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