1章-21 商人組合でのやり取り
よろしくお願いします。
ティアと二人で商人組合にやってきたが、これまでと雰囲気が異なっていた。
「…なんかいつもと違うんだよな。」
「そうなんですか?」
「いつもは、もっと賑わっているんだよ。」
「確かに、なにか閑散としていますね。」
「とりあえず、受付にいってみようか。」
「はい!」
「ようこそ商人組合へ。本日はどのような
ご用件で?」
「仕入れてきた商品を商人組合に販売したい
のですが、フェロンさんをお願いできますか?」
「分かりました。この番号札をもって、少々
お待ちください。」
3番の番号札を受け取って、2分くらいで自分の番が来た。
「3番の番号札をお持ちのお客様、1番の商談室に
お入りください。」
商談室に入ると、フェロンさんが待っていた。
「フミト様、お待ちしておりました。本日も
香辛料の取引ということで。」
「はい、また前回と同じ量の香辛料を持ってきた
ので販売したいと思いまして。あと、今後の
相談と従業員の紹介もしたいのですが。」
「ありがとうございます。では、まずは商品を
お見せください。」
そういわれたので、マジックポーチから持ってきた香辛料を取り出した。
「おぉ! マジックポーチを購入されたのですか!」
「えぇ、重たい香辛料も手軽に持ってくることが
できてとても便利です。」
「それはよかったです。では、さっそく香辛料の
確認をさせて頂きます。」
そういうと、いつものように他の店員が香辛料を持って行った。
「では、今後の相談と従業員の話をしましょうか。」
「分かりました。まずは、従業員を紹介させて
ください。うちのお店で働いてくれることに
なったティアと言います。」
「初めまして、ティアと申します。フミト様の
もとで働かせて頂くことになりました。」
「これはこれはご丁寧に…。私は、商人組合で
フミト様の担当をしているフェロンと申します。
フミト様、すばらしい従業員に恵まれたようで。」
「えぇ、ありがたい限りです。そして、今後の話に
ついてなのですが…」
「お店の話ですね。」
「はい。実は、化粧品の取り扱いについて迷って
いまして…」
「なるほど…。確かに、化粧品はどうしても
高価になってしまうのでハイリスクハイリターン
にはなってしまいますね。」
「やはりそうですか…。なので、化粧品は領主様に
一度献上することにしました。」
「それが一番安全だと思います。ただ、そうします
とあちこちから注文が殺到する可能性がござい
ます。その場合、対応が難しいかと…。」
「そこでなのですが、販売価格はフェロンさんと
相談して決めたいと思うのですが、それよりも
安い価格で商人組合にも販売するので、注文が
あったときに仲介して欲しいと考えています。」
「それはこちらとしても願ったり叶ったりですが
よろしいので?」
「えぇ、私としましてはこの街での商売を優先
したいのです。なので、商人組合にこの街
以外の注文の対応をお願いしたいと
思っています。」
「分かりました。では、化粧品を仕入れられた
ときにはお持ちください。」
「ありがとうございます。あとは、前回仕入れて
きた香辛料がなくなってしまったので、また
仕入れに向かおうと思います。なので、数日間
この街を留守にします。」
「…香辛料の取引はどうなりますか?」
「私としては、十分な量を仕入れてくるつもり
なので香辛料の取引は今のままで継続できると
思います。」
「それなんですが、実はこのペースで取引を
行うと香辛料の価格が下がってしまいそう
なんです。」
「なら、香辛料の取引はしばらくやめた方が
いいのでしょうか?」
「いえ、そこでお願いなのですが…。香辛料を
他の街に輸送しようと思っていまして、もっと
たくさんの量を購入できないかと…。」
「ちなみに、どれくらいの量が必要なんですか?」
「ざっとですが、今回の取引の30倍は必要に
なりますね。」
「それは…。すごい量ですね。」
「えぇ、これでもひとまずしのげる分に
なります。」
「それにしても、なんで急にこんな量を?」
「実は、他領から輸入している食品関係の
一部が大雨でだめになってしまって…。
大変なことになっているんですよ。」
「もしかして、商人組合の雰囲気が
いつもと違うのも?」
「そうですね、その影響だと思います。」
「…何が必要か分かれば、今回の仕入れで
探してはみますけども…」
「本当ですか!? それはとても助かります。」
「いつもお世話になっているので、恩返しです。」
「でしたら、フミト様にはマジックポーチを
お貸しします。また、仕入れられた商品も
通常価格で購入させていただきます。」
「…通常価格で大丈夫なんですか?」
「通常価格なら大丈夫なんです。しかし、
他領から足下を見られているのかいつもの
2,3倍くらいの価格を掲示されていて…。」
「分かりました。明日から仕入れにいこうと
思っています。戻るのは多分3日後くらいに
なるかと。」
「でしたら、戻ってきたら商人組合に顔を
お出しください。」
こんな話をしていたら、お金とマジックポーチの準備ができたみたいである。
「お待たせいたしました。前回と同じ量
でしたので、金貨138枚になります。」
「金貨100枚は口座にお願いします。」
「かしこまりました。では、身分証を
お預かりいたします。」
「金貨100枚の入金が終わりましたので、
ご確認ください。」
「確認できました。」
「ではフミト様。足りない商品はこちらの
リストに載っている物になります。
どうぞ、よろしくお願いいたします。」
こうして、商人組合でのやり取りを終えた俺たちはひとまず家に帰るのであった。
<残金>
運営資金: 金貨32枚 銀貨49枚
資本金: 金貨13枚 銀貨83枚
口座: 金貨112枚 銀貨27枚
財布: 金貨2枚 銀貨98枚
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