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異世界でも発注管理 〜日本から発送されます!〜  作者: 班長
1章 モルントの街
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1章-13 ティアとの打ち合わせ①

なんとか更新できました!

よろしくお願いします!

 ティアを引き取った後、軽く打ち合わせをするために一度宿へと戻ってきた。


 「とりあえず、自己紹介から始めよっか。

  その辺に腰をかけていいからね。」

 「わかりました、ご主人様。」


 そういうと、ティアは戸惑いなく床に正座するのであった。


 「…なんで床に座ったの?」

 「奴隷は基本的に、椅子に座ることはありま

  せん。このように床に正座が基本姿勢に

  なります。」


 どうにも、自分が思っているよりもこの世界の奴隷の扱いは良くないらしい。


 「とりあえず、ソファに座りなさい。」

 「しかし、ご主人様の椅子が…」

 「俺はベッドに適当に座るから大丈夫。」


 ようやく、話せる状態になったので自己紹介を始めることにした。


 「改めまして、ティアと申します。この度は

  購入いただき、ありがとうございます。

  誠心誠意努めさせていただきますので、

  どうぞよろしくお願いいたします。」

 「なら、今度は俺の番だな。俺は商人を

  しているフミトという。これまでは1人で

  やってきたが、従業員が必要になったので

  ティアを買うことにした。なぜ奴隷かと

  いうと、俺のスキルが特殊すぎて契約で

  縛られている奴隷の方がなにかと安全

  だから奴隷にした。ここまでで何か

  質問はあるか?」

 「いえ、大丈夫です。」

 「なら、話を続けるぞ。スキルについては

  後で話すとして、先にティアの扱いに

  ついてだな。今後、俺は店を出すつもり

  だが、ティアにはそこで従業員として

  働いてもらう。あとは、今は宿で暮らして

  いるが、明日からは家を借りているので、

  そこで家事をやってもらいたいと考えている。

  家事については、分担になってしまうので

  お給料は出ないが、従業員としての給料は

  出すので、そこについては安心して欲しい。

  ここまで何か質問はあるか?」

 「奴隷なのに、お給料をもらえるのですか!?」

 「あんまり多くは出せないが、それなりには

  出すつもりだ。」

 「お給料をもらえている奴隷なんて、他には

  いません!本当にありがとうございます。」

 「そんなに気にするな。ティナは奴隷として

  購入したが、普通に扱うつもりだから。」

 「…なぜ、このように高待遇なのですか?」

 「それは、俺の経歴のせいだな。」

 「ご主人様の経歴…。」

 「あぁ、ティナには話しておくか。このことに

  ついては他言無用だからな。」


 そう言って、俺はティナに異世界から転移してきたことと、特殊なスキルを持っていることを話したのだ。


 「この世界とは違う世界からですか…。」

 「…他に、俺みたいな人がいると聞いたことは

  あるか?」

 「これまで、一度も聞いたことがないですね。」

 「なら、よっぽど疑われることはなさそうだな。

  質問がなければ、スキルの実証に移ろうと

  思うのだが?」

 「はい!大丈夫です。」


 特殊なスキルと聞いてから、なんとなくティアのテンションが高い気がするが先に進めるのであった。


 「先ほど説明した通り、俺のスキルでは異世界

  から物を取り寄せることができる。また、

  マジックポーチのようにたくさんのものを

  収納でき、温度や時間経過も調整することが

  できる。他にも、帳簿をつけるための機能も

  あるが、それについてはやりながら覚えて

  いこう。では、ティアをスキルに登録するから

  このタブレットに指をあててくれ。」


 そういって、従業員管理から新たに取り出したタブレットをティアに手渡した。


 「これで、大丈夫でしょうか?」

 「あぁ、試しにそれを胸に当てて『収納』と

  言ってみてくれ。」

 「『収納』…あ、板が消えちゃいました!」

 「ちなみに、その板のこと"タブレット"という。

  今度は、『タブレット取り出し』と言ってみて

  くれ。」

 「『タブレット取り出し』…あ、今度は

  たぶれっと?が手元に出てきました!」

 「よし、では次に使い方を教えていく。」


 こうして、一通りの使い方を教えた俺は、ティアに使い方を練習させているうちに自分のタブレットを確認するのであった。すると、そこには新たな通知が3件届いていた。1件目は、ティアの登録が完了したというものであった。そして2件目は初めて従業員を登録したお祝いが届いたというものであった。そのお祝いを詳しく確認すると、福利厚生が強化されたという内容であった。

 これまで、福利厚生は服の支給とドラッグストアから医薬品が届くくらいであったが、住まいについての点が強化された。具体的には、発注のカテゴリに「家具屋」が追加されていたのである。

 そして、3件目の内容は自分も含めた従業員が扶養家族を持てるようになったというものであった。扶養家族には、病気がある際にドラッグストアから医薬品を購入できるらしい。


 ここまで確認し終えたので、ティアに声をかけた。


 「どうだ、なんとなく使えるようには

  なったか?」

 「はい!とりあえずは大丈夫だと思います。」

 「なら、次は扶養家族の設定をしよう。」

 「ふようかぞく? 初めて聞く単語です。」

 「簡単にいえば、家族を登録しておくと何か

  あった時に役に立つということだ。」

 「家族ですか!?」

 「あぁ、今のティアには必要だろ?」

 「はい!」


 説明しながら、タブレットから登録してもらうと、自分のタブレットに通知が2件届いた。1件目は、ティアの母親と父親の扶養登録が終わったといもの。もう1件は、ティアの母親に対する医薬品提案である。それによると、ティアの母親は貧血らしく、赤血球という概念がないこの世界では、根本的な治療ができなかったらしい。


 「とりあえず、一度ティアの実家に向かおうか。

  多分、異世界の薬なら効果があると思うから。」

 「ここまでしていただいて、本当によろしいので

  しょうか?」

 「あぁ、ティアには元気に働いて欲しいからな。」

 「このご恩は、一生忘れません。」


 泣きながら感謝を伝えてくるティアを、なんとか落ち着かせながら、ティアに実家の位置を聞きながら一緒に向かうのであった。

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