1章-10 ティアとの出会い
本日中にヒロインが無事に登場しました!
また、この小説にとって今日が勝負の日になりますので
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ワタリドリで条件にあった3人の紹介が始まった。
「一人目は、エフィといいまして、年齢は24になります。以前は街で雑貨屋を
営んでいましたが、商売がうまくいかず商人組合の年会費や仕入れの費用が
払えなくなってしまったため、借金奴隷になってしまいました。」
「二人目は、マリーといいまして、年齢は28になります。家族が商会を営んで
いたので、商業の知識については問題ありません。しかし、彼女は浪費癖が
あり商会のお金を使い込んでしまったため、家族から借金奴隷として
売り払われました。」
「最後は、ティアといいまして、年齢は24になります。以前は、街の雑貨屋で
働いていたため商業の知識もあり、実家で暮らしていたため家事についても
母親から教えられています。彼女の場合は、母親が病気になってしまいその
治療費を支払うために、家族には内緒で自分から借金奴隷になっています。」
3人の紹介を聞いて、二人目は問答無用で却下した。いくら奴隷としての契約があるとはいえ浪費癖のある人を従業員にしておくことはできないからである。一人目と三人目を比べたときに、どうしても三人目が気になってしまった。
「ティアが気になったのだが、もうすこし詳しい話を聞くことは
可能だろうか?」
「分かりました。では、ティアを連れてきて詳しい話をしましょう。」
少しすると一人の女性を連れて店員が戻ってきた。
「お待たせしました。こちらがティアになります。」
「初めまして。ティアと申します。」
そこには、目を疑うほどの美人がいたのである。美しい銀髪のショートヘアーであり、身長は自分よりも少し低いくらいである。スタイルについては、文句のつけようがないほど完璧であった。
「ティア、お客様に経歴をご説明しなさい。」
「分かりました。私は、16歳くらいから雑貨屋で働いておりました。
実家で暮らしていたので母と父の三人暮らしをしていました。しかし、
母が病気を患ってしまい治療に多大な費用がかかってしまうとのことで
なんとかお金を工面していました。しかし、工面にも限界が見えてしまった
ので私は奴隷商へと身売りしその費用と一筆の手紙を家族へ届けてもらい、
借金奴隷になりました。」
「以上になりますが、お客様からなにかティアに質問はありますでしょうか?」
「私の求めている条件は、商業の知識と家事ができることなのだがその辺は
大丈夫か?」
「はい、8年ほど雑貨屋で働いていたのである程度の知識はあります。また、
実家で母から家事についても学んでいるので大丈夫だと思います。」
条件面では問題がなく、なによりも人間性に心を打たれてしまった俺は、今日は下見だけのはずだったが、彼女を購入するために取り置きしてもらうことにした。
「彼女を購入したいのだが、いくらになる?」
「彼女くらいの年齢ですと、相場は金貨50枚ですね。しかし、彼女は
スタイル、顔ともによく専門的な知識も持っています。また、ここ
だけの話彼女は生娘ですのでかなり金額が上乗せされます。」
「で、結局彼女はいくらなんだ?」
「金貨120枚になります。」
「では、取り置きをしてもらえるか?」
「分かりました。金貨24枚をお預かりさせていただきます。」
こうして俺は、生涯を共にするティアを購入することになったのだ。
宿に戻ったあと、資金の確認を行った。明日の取引で金貨138枚手に入る予定である。そうすると、残りの8割にあたる金貨94枚を支払っても手元には金貨44枚が残るはずである。しかし、奴隷の税金を1割、つまり金貨12枚払わなくてはいけないので手元には金貨32枚が残る。現在の口座残高は金貨14枚ほどなので、合わせて金貨45枚ほどになる。これでは、お店を借りてお店の護衛を雇ってとなると心細いので、香辛料の取引を少し増やすことにした。
本来の予定だと、明日の取引のあとにお店を借りるつもりであったが、担当であるフェロンさんに今後の商売について相談することにした。
昼食を適当なお店で済ませた後に、護衛についての詳しい話を聞くために冒険者組合に向かうことにした。
冒険者組合は、商人組合と違い冒険者と思われる人であふれていた。受付に向かうと、受付嬢が話しかけてきた。
「ようこそ、冒険者組合へ。本日はどのようなご用件でしょうか。」
「護衛依頼を出したいのだが、どのような条件が良いのかわから
なくて相談したいのだが。」
「ご依頼人のかたでしたか。では、あちらの窓口へどうぞ。」
どうも、俺の話しかけた受付は冒険者の窓口だったらしく、受付嬢に依頼人用の窓口へと案内された。
「お待たせいたしました。護衛依頼とのことですが、詳しい
内容をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「俺は商人をやっているのだが、今度自分のお店を持つことに
なったのでそのお店の護衛をまかせたいと思っている。」
「それはおめでとうございます。お店の依頼とのお話ですが、
どれくらいの時間を想定されていますか?」
「うちのお店では、貴重な商品も扱う予定なので、住み込みで
警備をお願いしたいと考えている。」
「そうなりますと、費用のほうはとても高価になってしまいますが…」
「だいたいどれくらいかかる?」
「一般的な護衛で一人あたり1日銀貨40枚となります。ただ、
住み込みの護衛依頼はなかなか人気がなく、募集しても応募があるか
どうかは分かりかねます。」
「なら、募集だけお願いしたい。」
「分かりました。募集を掛けておきますので、2,3日おきに確認に
来てください。」
「わかった。」
そういって、俺は護衛依頼の募集だけ掛けておくことにした。
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