表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/71

第3章 [15]

 


 休み明けの放課後。

 サティアナ達は魔法訓練場にいた。

 その傍らには3期生の先輩、リンダ・チェルシーが口をあんぐりと開けていたのだった。



「サ、サティアナ様…この方々は…?」


「あ、お気になさらず、先輩。俺達は向こうで遊んでますから!みんな行こうぜ!じゃあサティアナ、また明日な!」


 エイデン・クエンチはそう言うと、男子達を連れてその場を離れて行った。



(エイデン…先輩が恐縮しない様に気を遣ってくれたのかな…。ありがたい。)



 サティアナはリンダの方へ向き直ると、エミリーを紹介した。

「じゃあリンダ先輩、気を取り直して始めますか!…と、その前に。こちらが以前話していた魔法に詳しい級友のエミリー・スパイラルです。それとこちらはナギア・レンジ。」



「はじめまして、エミリー・スパイラルと申しますわ。今日は、よろしくお願いします。私に教えられることならば何なりとご質問くださいませ。」



「はじめまして、ナギア・レンジです。私は魔法あまり得意じゃないので、そばで勉強させてもらおうかなと思いまーす!」



「は、はじめまして!リ、リンダ・チェルシーと申します。今日は、よろしく、お願いします!」



「リンダ先輩、あまりかしこまらないで下さいませ。私たちはあくまで後輩なのですから、どうか…」



「そうですよ、リンダ先輩!どうか紫旗隊の時の様に気楽に接して欲しいです。」



「そうです、リンダ先輩!!仲良くしましょう!」



「みなさん…本当にありがとうございます!…あ、そうでした…お近づきの印に、こちらをどうぞ!」



 そう言ってリンダは布袋に入った小さな魔石を何個か出してサティアナに渡した。



「リンダ先輩、これは?」



灯火(ファイア)の魔法を付与してあります。それぞれ5回くらいは使えますよ。サティアナ様は火属性をお持ちでないと校外実習の時におっしゃっていましたので、こんなのが有れば便利かと思って作ってきました!」



「えー、それは便利!すごくうれしいです。でも、私には火の適性が有りませんが、それでも発現出来るのですか?…あ、もしかして、精霊魔法?」



「ええ。適性が無い人でも使える様に精霊魔法を媒介付与しました。私でも、灯火くらいの魔法であれば可能なのです。試しに、手のひらに魔石を乗せて、人差し指の先に魔力を集めてみてくれますか?」



「ふむふむ、こうですか…?」



 サティアナはリンダから言われた通りにしてみた。すると、手のひらの魔石から人差し指の指先に向かって何かが流れ出た感覚を感じ、その次の瞬間、サティアナの人差し指の先に火が灯った。


「あ!」

「出た!」

「すごーい!」


「やった!うふふふ!」


「リンダ先輩、素晴らしいです!精霊魔法を媒介付与出来るなんて!これで生計を立てられるのではないですか?」


「それが、そうでも無いのです。」


「えー?何でー?」


「精霊魔法を媒介付与した魔法は、魔力操作が極めて難しいからよ。サティアナだから灯火の魔法が発現出来たのよ。魔法が得意でないナギアが試してみたら、どうなるのかしら?」


「…その通りでございます。さすがはスパイラル様。そう言った理由で、売るほどの物ではないのです。」


「なるほど…」


「あたし、あ、間違えた、私も試してみたい!私にも使えたらサティアナ、それひとつちょうだい?」


「いいよ。使えなくてもおひとつどうぞ。エミリーも。」


「ありがとうございます、リンダ先輩!」

「ええ、ありがたくいただきますわ。」


 その後ナギアがサティアナと同じ様にしてみたが、3回試して1回も発現出来なかったので、ナギアは悔しがってサティアナに教えを請い、なんとか灯火の魔法の発現を試みるのであった。

 そしてその隣ではリンダとエミリーが特訓と題して魔法に関する難しい話を繰り広げつつ、ときおり魔法を使ってみたりして、あっという間に時間は経過したのであった。



 ――――――――――



「皆さん、外はもうだいぶ日が傾いてしまいましたわ。」


「そんな時間になっちゃったか。」


 お手洗いから戻って来たエミリーが声をかけ、一同は帰る支度を始めた。



「良かった、門限には間に合いそうです。」


 訓練場の外に出ると、3人に向かってリンダが言った。聞けば、日が完全に沈むと寮の玄関が施錠されるのだとか。


「今日はありがとうございました。とても楽しく、とても勉強になりました。これからも頑張ります!」


 そう言って手を振りながらリンダは寮に向かって歩いて行ったのだった。

 残った3人はこないだの王宮でのお茶会の帰り道の様に、3人仲良く急ぎ足で帰路についたのであった。



 2人と別れてひとりになったサティアナは屋敷までの道すがら、自分の魔法に対する取り組み方について考えていた。



(私は付与とか魔道具とか、今まであまり興味がなかったからなぁ。これを機にちょっと手を伸ばしてみるのも良いかもしれないな。…それにしてもエミリーって、ホントに魔法に対しての知識が半端ないのね。後でそのあたりに関してじっくりゆっくり話を聞きたいな……でもみんな、もちろん私もだけど忙しくてそんな時間ないんだよねぇ。そうすると、やっぱり休みの日になっちゃうよねー…)



 サティアナが屋敷に着くと、妹のソフィアナが美味しいお菓子と暖かいお茶で迎えてくれた。

 サティアナは魔法訓練場での出来事についてソフィアナに詳しく話して聞かせ、姉妹で夕食の用意が出来るまで笑い合うのであった。










あけましておめでとうございます。今年もゆっくり頑張っていきたいと思いますので、出来ればお付き合い下さいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ