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第3章 [13]

 


 王宮の美しい温室で、なんとも美味しそうな菓子やケーキ達を目の前にしながらもなかなか手を伸ばせなかった自分を労うかのように、リリーとたくさんのお菓子を買い込み帰路についたサティアナ。



 帰宅し、ラウンジにお菓子を持って入るサティアナを、お茶の良い香りと共にソフィアナが笑顔で迎えてくれた。

 ラウンジのテーブルにはもう一人、その妹の悪友の顔が。



「おや、キャロル。ごきげんよう、いらっしゃいませ。」



「サティアナ様、ごきげんよう。お邪魔いたしております。」



 最愛の姉と一緒に帰って来たリリーから、経緯を説明されたソフィアナが不服の意を表した。


「リリーと姉様が同じお店にいる事を知っていたなら、わたくしもそちらに行くのでしたわ!残念。」



「ですから、それは偶然なのですよ?ソフィー様ったら。それに、それでは誰がキャロライン様をお迎えするのです?」



「むう…」



「良かったわ。わたくしお屋敷の前で待つことに成らなくて。感謝いたしましてよ、ソフィー!」



「ま、まあ、それなら仕方ないですわね。次はきっとこの4人でその菓子屋に行きますわよ!」



「はいはい。では、お菓子を用意してまいります。」





(さすがはリリー、それにキャロルも。ソフィーのこと良く解ってるな。ふふふ)


 サティアナは3人のやり取りを見て、とても気持ちが和んだのだった。




 そこからはサティアナも席に着き、アンハードゥンド邸でのお茶会が再開した。


 様々な菓子を皿に乗せてリリーが戻って来ると、着席こそしないもののリリーもお茶会の面子に加わったのだった。今日は休日。休日のリリーはサティアナ達姉妹にとって友人寄りの立ち位置なのである。そしてそう在るべきとはリリーの主人、つまりサティアナ達姉妹からの要望なのであった。



 直後の話題はもちろん王宮でのお茶会について。

 ソフィアナとキャロラインは、かねてより休日のクラーラ王妃とシャルロッテ王女の髪型や服装などが気になっていたらしく、あれこれとサティアナに対して質問をするのだった。さすが、流行に敏感な今どきの乙女達である。



「お二人とも比較的軽装だったのではないかな?あまり華美な装飾はされていない服装をされていたね。シャルロッテ様は、とても暖かそうな生地のワンピースをお召しになっていたよ。首まで隠れて暖かそうだったね。動物の毛で織った布、あれはウサギか羊かなぁ?白っぽくてフワフワしている感じのワンピース。その上に細かなレースが施された前合わせの、毛織りの上着を羽織っていらした。髪型は、耳の後ろで半分束ねて、後は下ろしていらした、いつもの髪型だね。髪飾りも服装に合わせて可愛らしい感じの物だったよ。銀の装飾にご自分の色の宝石がいくつか付いていた。素敵だったよ。」




「白くてフワフワの毛織物ですって!キャロル、次の冬はきっとソレが来ますわね?」




「ええ、きっとそうね!その辺りの諸外国の様子なども、わたくし、お父様にうかがってみますわ!それでサティ様、王妃陛下はどの様な御召し物であらせられましたか?」




「王妃様はねぇ…あの、申し訳ないけど私、緊張であまり王妃様のご様子を拝見することが出来なかったんだよね……。とにかく王妃様はとても美しい方で、それからおそろしいほどの気品があって、私は緊張しっぱなしだった。」




「そうだったのですね。シャルロッテ様とはやはり似ていらっしゃったのですか?」




「そうね、シャル様のお母様だとすぐに分かるくらい似ていらしたけど、さらになんというか、艷やかさがあって、それから…やはり、おそろしいほどの品位がね、国王陛下を拝見した時と同じ様な威厳に満ちておられた。でもお話下さる時は、私達が話しやすい様にご配慮下さって……とても…とても優しい方だなと思ったよ。」





 ひと通り王妃と王女の話が終わると、次はテーブルに並べられたお茶やお菓子等の話題になった。



「私やエミリーは緊張しっぱなしであまり食べ物に手が伸びなかったのだけど、ナギアはさすがだね、美味しそうなケーキを美味しそうに食べていたよ。」



「それはどの様なケーキだったのです?」

 興味津々にキャロラインが質問する。



「チョコレートが全ての面に乗せてある、四角い形のケーキなの!ケーキの上面にはチョコレートのクリームがたくさんあしらってあって、美味しそうだった。」



「美味しそうだった、と言うことは、姉様は何か別のものを?」



「うん、私はやっぱり林檎のパイをいただいてしまったの。王宮の林檎のパイなんて、絶対美味しそうじゃない?」


「それは間違いありませんわね!それで、やはり美味しかったのですか?」




「とても美味しかった!!一緒に飲んだお茶とも最高の相性だったよ〜。でもお茶の銘柄を聞きそびれてしまって残念だよ。」




「あら、それは残念。」

 リリーがサティアナの背後で小さく頷いた。




 その他の話題に質問が及ぶも、そのほとんどがスターホルダーに関する話題ばかりだったので、その旨をサティアナが説明すると、ソフィアナとキャロラインは大人しく食い下がり、その代わりに、そもそも今日はなぜふたりがアンハードゥンド邸でお茶をしていたのかと言う事をサティアナに説明し始めた。



「今日は姉様にお知らせする内容を二人でまとめていたのですわ!」



「なんのお知らせ?」

 サティアナはすぐに思い浮かばなかった。




「「ラウラ・ポリッシュ様に関する調査報告ですわ!」」

ソフィアナとキャロラインは瞳を輝かせて少し前のめりに声を合わせたのである。



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