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第3章 [11]

 


「ちなみに、サティアナのリボンは綺麗だから大丈夫だよ!」


 ナギアが得意気に教えると、その横でやれやれとエミリーは苦笑い。

 サティアナは自分のリボンの事が気になっていたので、内心ホッとしたのだった。


 そうしていると、先ほどとは違う侍女が温室へ入って来て「間もなくクラーラ王妃陛下とシャルロッテ王女殿下がいらっしゃいます。」と告げた。


 告げられた3人は、背筋を伸ばして行儀良く居直り待った。



「ごきげんようみなさん。」



 先にシャルロッテが姿を現し、皆に挨拶した。

 そしてその直後にシャルロッテの後ろから彼女の母親である王妃クラーラ・コア・チゼルが姿を見せたのだった。


 サティアナ達は立ち上がると、左手を胸に、右手を背中にまわし、重心を下げ頭を下げる最敬礼の仕草をして王妃より声がかかるのを待った。



「みなさんお辞儀がとても綺麗ね。お直りちょうだいな。」


 王妃より許可が出たので3人とも背筋を伸ばし王妃の方に視線を向ける。


 ほんの少し口角を上げ、娘の同級生を見つめる王妃クラーラはとてつもなく美しい人であった。

 サティアナ、エミリー、ナギア。3人ともその存在の前に微動だに出来ないでいた。

 シャルロッテの美しさに、更に艶め気を加え、更にはそれを品位で包み仕上げた、そんな美しさであった。



(身に纏われる品位が凄すぎてこの御方の側では緊張が解ける気がしない……。国王様を拝見した時と同じだ……。)

 サティアナは少し下に視線を降ろすので精一杯であった。


 そんな3人の様子を見て、シャルロッテが口を開いた。


「みなさんお母様を前に緊張しているのね?少し肩の力を抜いて、あちらに席が用意してあります。さぁ、参りましょう。」


「まあ、獲って食べたりしませんから、みなさん楽にしてちょうだいな?今日はアカデミーでのお話など、たくさん聞かせて欲しいのだから。」


 ふふふふ、と微笑んでから、クラーラ王妃はシャルロッテと共に奥のテーブルへと進んで行く。


 侍女の指示を受け、サティアナ達もそちらへ向かった。


 侍女がお茶の準備をしている間に、サティアナ達は一人ずつ王妃に対して自己紹介をした。



「北部辺境から参りました、サティアナ・アンハードゥンドと申します。本日はお招きいただきありがとうございます。」



「南部アーバー領から参りました、エミリー・スパイラルと申します。王妃陛下にお目通り叶いまして、恐悦至極にございます。よろしくお願いいたします。」



「西部レンジ領出身の、ナギア・レンジと申します。5年ほど前、王都にやって参りました。よろしくお願いいたします!」



 ひと通り自己紹介が終わるとお茶が運ばれ、3人とも席に着いた。


 王妃が軽く挨拶をした。

「では…。皆さん、今日はこちらへいらしてくれてありがとう。わたくし、娘のアカデミーのお友達にずっと会いたかったのですのよ。本日は堅苦しいのは抜きにして、ぜひ貴女達のお話をわたくしにも聞かせてらしてね。」



「「「はい!」」」



 お茶に続いて軽食やら菓子やらがテーブルに運ばれ、全員の瞳が一瞬輝いたのだった。

 食べ物を運んできた数人の侍女たちが下がり、側には先ほど王女シャルロッテと王妃クラーラを先導して来た侍女だけがのこった。


 お茶会が始まると、王妃が普段気になっていたアカデミーの事などを質問し、答えられそうな人間がとりあえず答えるといった具合にお茶の席は進んでいった。


「――次は、めざめの神殿での話を聞いてもよろしくて?国王陛下からは了承いただいております。答えられることだけでも結構よ。…わたくしが気になっているのは、それぞれの修行がどの程度まで進んでいるかです。シャルロッテ、貴女はどうですか?」



「はい……正直申し上げますと、いまいち良く分からないというのが、現状です。霊気を解放すると言う感覚がまだ良く掴めません。わたくし、その辺りをサティアナに聞きたいですわ。」


 エミリーとナギアも激しく同意していた。

 それを見て王妃が皆にたずねる。

「サティアナさんはその辺りの感覚が頭ひとつ抜きん出ていると言う事なのかしら?」


 エミリーが答えた。

「いまのところ、霊気の解放に成功しているのはサティアナだけなのです。サティアナ、霊気の解放には有用な何か、分かった事はありまして?」



 サティアナは少し考えてから恐る恐る答えた。

「……私が解放に成功することが出来るのは、自分の力だけではないのです。一度あの場でみなさんに話した事があると私は記憶しているのだけれど、デュアルホルダーである私には魂の契約主である神様がおりまして、そのお方がご助言くだされるのです。」



 王妃が興味深そうに口を開いた。

「なんと!貴女は神様とお話が出来るのね?!」



「…失礼ながら、王妃陛下は私の話を信じてくださるのですか?」

 これにはサティアナの方が驚き、王妃に聞き返してしまった。



「ええ、もちろん、嘘などとは思いませんよ。それで、魂の契約とは何かしら?神様からはお伝えいただいていますの?」



「はい。神と魂の契約せし者はデュアルホルダーとなり、その神へお使えする神官となるべく、下界で修行を積むのだと教えられました。スターホルダーは単範囲であれば二種類、広範囲であれば範囲限定を含めて一種類の異能を扱う事が出来るのですが、デュアルホルダーはそれが倍になり、より強大な魔物に対処出来るのだそうです。」


「なるほど…。それは神様からお教えいただいたことなのね?」


「はい。」


「では他にはどの様な事をお教えいただいているのか聞きたいわ。皆はどうかしら?」


「「「「ぜひ聞きたいです。」」」



 皆の意見が一致し、そこからはサティアナに対する質問攻めの時間となるのであった。




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