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駅員野坂君 日常の一コマ  作者: 高塚 冷
2/2

まったり昼下がり

 新人駅員の野坂は、必死に戦っていた。

 このままではいかん。負けてはダメだ。この戦いは絶対に負けられないのだ。なにがなんでも勝つのだ、と。

 朦朧とする意識をなんとかして回復しなくてはならない。

 野坂君ピンチ!!

 朝ラッシュの喧騒が嘘のように穏やかな改札口に、誘導チャイムの音が鳴り響き、時折道路を走っていく車の音や、駅前の歩行者信号から聞こえてくるメロディが、野坂君の睡魔を覚醒させようと躍起になっている。

 堪えろ。堪えるんだ。野坂君!!

 コクン、コクン。制帽を前後に、また時には左右に揺らしながら、重たい瞼を必死に開けようとするが、適度に心地好いそよ風が窓口から吹き込んでくふと、これがまた良い塩梅に睡魔に効くこと効くこと。

 もうこれ以上は耐えられない。

 薄れ行く意識の中で思った矢先に──。


「野崎君」


 すぐ目の前で自分を呼ぶ声が。

 不意を突かれ慌て驚いた野崎君は、座っていた丸椅子を盛大に鳴らして立ち上がり、背筋を伸ばして気をつけの姿勢になった。


「あら、起こしちゃってごめんね」


 寝ぼけ眼を瞬かせて声の主を見てみれば、清掃のおばちゃんこと宇賀持さんが立っていた。


「あ、いや、すみません」


「今日はイイ陽気だからねぇ。そりゃ眠くなるよ」


 ニコニコ笑顔でそう言うと、徐に右手を上げ、ビニール袋を

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