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最弱で最強の錬成士  作者: 十六夜
第一章 異世界ナイランド
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第六話  【錬成士】藤原命斗の戦い方

とある工房、『錬成所』で蒼白きスパークが最近何度も目撃されている。さらにそれと同じ頃にフルエラ王国では『錬成協会』が最新の錬成された道具、【生活促進道具(プロモーションツール)】を次々と出していた。例えば火と風の初級系統以下の人畜無害の威力に抑えた混同魔法が付与された【頭髪乾燥機(ドライヤー)】などができた。そのため巷ではこの二つのことから『フルエラ王国に現れし蒼白の(ブライヒ)錬成士(メーカー)』なんといわれている。まあ実際その人物は…


「疲れた。もう休んでもいい?」

『錬成所』でそう嘆く青少年、藤原命斗であった。

「いえ、いけませんよ。まだまだ需要に供給が…」

「アルさん、受注がきました。【頭髪乾燥機(ドライヤー)】が150個です。」

「ほら、今日の生産量はまだ200個。需要と比べてさっきのを加えるとまだ300個はあるぞ。」

「アルさん、いつからあんたそんなキャラになったんだ。もとは冷静に事業を進めていくタイプだっただろ。」

「失礼だな。僕がまるで儲けることを考えていない言い草じゃないか。」

「いや、そういったんだよ。」

「商人なら誰しもが思うことだぞ。最近は他国からの需要もある。」

「別に作れるのは僕だけじゃないですしいいじゃないですか。」

「君のがやっぱりいんだよ。他人のだと一度クレームが来たくらいだし。お金だって一杯稼げているだろ。」

「痛い所つくなよ。」

アルさんの言う通り僕が実験程度で作った【生活促進道具(プロモーションツール)】が思わぬ反響を呼んですごい需要が出ているんだ。そのせいで大量生産を僕はここ何日かずっと【錬成】ばかりしている。いやまあさ、【錬成】の熟練度が上がるし、金はがっぽり稼げるしいいことずくしなんだけど…需要がとにかく多い。

「まあ仕事をできなくなるのはなるので困るから休んでいいよ。」

「というか今日はこの後図書館に行きたいんだが。」

「でももう大半は読み漁ったんでしょ。」

「そうだけど…」

「何なんだい。」

「それ以外にもいろいろ鍛えておきたいし。」

「錬成士としての地位がもうすでに僕くらいあるのに戦士として生きたいのかい。」

「何というか、それが使命っていうか…」

「アル、その程度にしておけ。メー坊が自分で決めたっていうんならそれでいいだろ。」

「まあわかったよ。」

「親方、ありがとうございます。」

「礼には及ばん。それよりお前のステータスで戦えるのか。」

親方が心配するように僕のステータスで適うかはちょっと怪しい。何せ今のステータスは…

=============================

藤原命斗  15歳  ランク:3

職業:錬成士

筋力:18 体力:12

防護:19 俊敏:16

魔力:120/120 知力:1200

魔力適性:皆無

技能:錬成[+精密錬成、想像補助、細部錬成、圧縮錬成

       物質強度増加、魔力耐性増加] 鉱石感知

   鉱物鑑定 翻訳  明鏡止水 

=============================

「正直言って微妙ですけどしっかりと錬成士としての戦い方を世に知らしめて来るつもりです。」

「この一週間でお前はいろいろな武器…というか兵器を作っていたな。正直あのすさまじい道具が世に出回ったら戦争が一気に人間族のほうに有利になるぞ。」

「でも使い方を間違えたらすべて終わります。」

「で、実技試験ではそれを使うのか。」

「はい。」

「そうか。くれぐれも死ぬんじゃないぞ。お前みたいのはめったにいないからな。」

「大丈夫ですよ。伊達にこの世界の勇者やってないので。」

そう言って僕はいつもの修練場に行った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


よし、今日も明鏡止水チャレンジをやるぞ。ちなみに明鏡止水チャレンジは【明鏡止水】を使って鍛錬することだ。正直言って【明鏡止水】使用後は頭痛がヤバい。でも肝心な時に使えなきゃ意味がない。だったら、てことでそれに慣れるべく練習している。基本は素振りと対人戦だ。時間に関しては【明鏡止水】が切れるまで。ところで【明鏡止水】を使っていろいろ検証しているとわかったことがいくつかある。まずさっきの頭痛だ。これは正直言って我慢すれば何とかなる。次に制限時間(タイムリミット)は発動時の知力-200の十分の一といったところだ。要は今だと(1200-200)÷10=100分と言いたいところだが、最大でも時間には上限があるらしく30分となっている。そしてクールタイムもあるらしく連続して使えない。正確には頭痛が収まる時間だ。だから無理をすれば使えるが、耐え得難い頭痛がくる。そこまでして使いたくない。ちなみに5分間だ。

それと錬成士らしい戦い方として地形操作を考えている。現在の僕なら周囲3メートル以内であれば、どんなものでも【錬成】が可能だ。金属のほうが良いが。具体的な方法としては3メートルぐらいの壁を作って相手を来ないようにしたり、逆に2メートル半ぐらいの穴を作ってそこから攻撃を集中砲火する…などといった案がある。地形操作であれば土属性魔法士でも一応できるが、錬成士の方が正確性はいいらしい。そういう意味では錬成士である僕がやったほうがいいのだ。

対人戦も鍛えている。最終的なゴールは魔人との戦闘だ。対戦相手は超超ジュラルミンを中心とし、この世界で最も強度の高い鉱石、オーバーメタルでコーティングした特別製の金属人形だ。しかもただの金属でできた人形ではなく、少し工夫を施してVRのゲームしている感覚で人形を操作できる。ちなみにこれも【錬成】の修行でできた副産物。これを王都の少し優秀な騎士に操作してもらって戦うといった感じだ。本当はジュラルミンで十分と思ったけど【明鏡止水】を使った状態だと威力が正直言うと化け物級だった。そのため世界最高の強度を持つオーバーメタルを使った。オーバーメタルの強度はダイヤモンドほどまでではないが石英ぐらいの強度はある。よって採用。ダイヤモンドは【圧縮錬成】で余裕で作れるが純度100%のダイヤモンドだと火花程度で発火するから危険なんだよね。ちなみにこの練習は秘密裏に行われている。理由はこの兵器の存在を知られるとどうなるか、想像しただけで恐ろしい。なぜなら、いくら体を破壊したって本体である操作している本人を殺さないと何度だって同じ強さの敵がわいてくるからだ。これを初めて『錬成所』で見せた時なんてカイトさんが箝口令だー、って騒いだぐらいだ。そのため訓練相手はこの国の団長、ガルドさんにやってもらっってる。対人戦なのに人形で戦っていたら殺す覚悟ができないじゃないか、とかいうかもしれないけどそこらへんはわかってるから大丈夫。むしろ覚悟が強すぎてガルドさんが僕のことを子供なのか尋ねてきたぐらいだ。一応この世界の成人って15歳からなんだけどね。

僕が使用している武器は片手剣が一本、短刀が腰に一本と懐に一本。特別性にもなっていて刀身には錬成陣を組み込んでいる。なので【錬成】を発動していれば、理屈上では破壊不可能である。【錬成】の補正する速度より早く破壊したら意味ないけど。

説明はここまでにしておいて修行だ。かかってこい。

命斗知らない間に強くなっとる。

というか【明鏡止水】も十分チートだわ。

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