AnotherStory 嫉妬
今回は遠藤晴人視点で物語が進みます。
今後から少し本編より脱線していたりする話は『AnotherStory~~』みたいな感じにします。
「ふざけんな!」
俺はフルエラ王国の客室で騒いだ。今は怒り狂って仕方がない。あのクズ今までも高橋にベタベタくっついて。そのくせだらしないし。死にたいのか。第一俺の高橋に近づくなよ。転移先のこの国では最近練習があるからと言ってガルドとかいう団長が俺らをしごいたけれど、マジきつい。それなのにあいつは、来ない。
この後は飯か。ったく、そのあとはまた地獄の練習…とにかくうまい昼めし食って気分を和らげよう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
よっこらせっと。ありがたいわこの国は。高橋が左斜め前にいるおかげで食事中は見ながら食べられるんだ。
けれど高橋の隣はクソ野郎。まあ今日はいないからいいだろう。高橋、そんな可哀そうな顔をするなよ。お前が優しいのは十分知っている。何せ君は【聖女】なのだから。
ちなみに彼が高橋桜を聖女と呼ぶのは比喩表現ではなく、彼女の職業なのだ。
ちなみにステータスはこうなっている。
==========================
高橋桜 15歳 ランク:1
職業:聖女
筋力:C 体力:C
防護:C 俊敏:B
魔力:120/120 知力:C
魔力適性:光属性(+250)
技能:回復魔法[初級 下位 中位 上位 聖級]
翻訳 結界魔法[初級 下位]
光属性魔法[聖なる弾丸]
===========================
「…あっ、藤原君、遅いよ何してたの。」
「ごめん、高橋さん。いろいろあって。」
「そこらへんは詮索しないでおくけどさー。今度からはきおつけようね。」
あのクズ野郎、どうせ部屋で寝てたくせに。俺の高橋に話すことを許可してやってんのに。
「それと藤原君はいなかったから知らないかもしれないけど実は一週間後に五人でパーティーを組んで『フルアラ大迷宮』に行くんだよ。」
そうだ。俺たちは一週間後に迷宮に行く。そのために今はやばいぐらいしごかれている。人数が五人なのはクラスの中で転移したのが25人だったからだ。
「どうしてそんなことをするんだ。」
「この試験で一軍と二軍に分けるんだって。それによって一軍はその後も迷宮で実戦経験を積む。逆に二軍は町の警備など比較的安全な仕事をしてフルエラの治安をよくするのが目的って言ってたよ。」
俺も頑張らなきゃいけない。あのステータスを見ればわかるが、高橋は確実に一軍だ。理由は単純明快。回復役はいくらいてもいい。たとえ実力が二軍でも一軍になるだろう。しかし俺のステータスはあのクズよりは高いが全体的にはちょっと怪しい。一応パーティーは一緒になれた。ただ…
「それと藤原君は私と同じパーティーだよ。」
その通りだ。俺があいつと一緒なんて死亡リスク上がるだろうがよ。ちなみに他の二人は天地正道と大谷紅葉だ。
「そうなんだ。でも僕はたぶん二軍だと思うな。」
だろうな。というかそうなれ。これ以上俺の高橋にちかずいてもらっちゃ困るしな。
「でも頑張ってみようよ。もしかしたら一軍になるかもよ。」
「まあ、できることだけはしてみるよ。」
「うん!」
それはまずい。それだけはさけなきゃならん。
心の中のなかにある闇が少しづつ浮き彫りになりつつあるが、遠藤は午後の練習をするのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はあ。もう夜か。明日は練習が午後しかないから朝は遅くても大丈夫だ。せっかく人生で王城にいるなんてめったにないイベントだし、探検するか。
彼が王城をぶらぶら歩いていると…
なんか話し声が聞こえてくるぞ。なんなんだ。こっそり聞くか。
「グラシズ、計画は順調に進んでいるんだろうな。」
「ええもちろんですよ。ボウズ様。」
ハゲ頭と眼鏡野郎が話しているだと。それに計画っていったい…
「しかし彼を暗殺するものがいまだ見つからず…」
「しかしいままのままでは木偶に金をやってるだけでもったいないではないか。」
「と言われましても。国王の野郎があいつを好いているもんで。」
「そうなのか。あのカイトが。」
大体話はつかめてきたぞ。となると…
「国家の重鎮たちが二人そろってなんという恐ろしい計画を企てているんだよ。」
「なっ、貴様は勇者の一人のエンドウではないか。なぜここに。いや、貴様は私たちの計画を知ってしまった。言いたいことはわかるよな。」
「まあまあグラシズさん、落ち着いてくださいよ。誰があなたたちの計画を邪魔したりするなんて言ったんですか。」
「貴様であろう。」
「安心してください。あなた達は藤原命斗を処分したいんでしょ。大方、金がもったいないから事故とかで殺すか、暗殺するかで迷っている…いやどちらにしても人材がなくて困っているんだろ。」
「まるで私たちの心を読んでいるようだな。」
「大丈夫ですよ。俺はあなた達に協力を呼び掛けに来たんですよ。」
「協力、だと。」
「ええ。あなた達も私も彼がいなくなればうれしいでしょ。でしたら利害一致ですし、協力しようよと言っているでけですよ。」
「それは本当だな。」
「ええ。なんだったらこれが嘘だったら殺してもいいですよ。ただし、僕のバックアップをすることだ。」
「貴様はいい性格をしているな。よし、いいだろう。作戦を考えよう。」
深き宵闇に三者の悪意が表れ始めた。
遠藤が地味にストーカーと同じ思考になっているだと…