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大罪と魔女シリーズ

雷の魔女と怠惰

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あたしは、人を脅かす事が好きだからな。

 雷一つで慌てふためく人間どもが愉快でたまらない。


 人間達の手の届かない、遙か空から雷を落とす楽しさといったら。

 これ以上のものはないね。


 だって、飽き飽きしてきたんだ。

 長く生きていると、知っている事ばかりでつまらない。


 法や倫理や、善や良心。

 そんなものに予定外も予想外も含まれちゃいない。


 だから、雷を落とすのさ。


 そう、作ればいいんだよ。ないなら。


 本当は、やる事がたくさんあるんだけどね。

 細かい天候の調整が色々あるんだけどね。


 そんなのどうでもいいや。

 どうせまじめにやったって、誰もありがたがらないんだし。


 あたしが気ままに雷を落として初めて気がつくような「あたりまえがあたりまえに続く幸せ」なんてさ。


 どうせ大したもんじゃないんだから。


 あたしは怠けながら、好きにやっていくだけだよ。



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