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五十九話 口が縫い付けられたかと錯覚するような重さだ

俺は今澪の部屋の前まで来ていた。


練に教えて貰って終わり次第俺の部屋に来てと言われたのだ。


んで、それが20分前くらいのこと。


いや、だってさ

好きな人の裸を見てさただでさえ恥ずかしいのに異性の裸を見たわけだよ、そんなの気まずいじゃん!


うぅ、でも恥ずかしがってて何もせずに喋れなくなったら嫌だし......よしっ


コンコン


「み、澪ー、鏡だけど」

「ヒャッヒャイ!」


ガタガタゴトンバン!


な、なんだなんだ?大丈夫か?


「お、おい澪大丈夫か?」

「大丈夫!大丈夫だからちょっと待って!!」


少しするとゆっくりとドアが開き澪が出てきた。


「ど、どうしたの?」

「あー、そのなんだ?少し話がしたいなぁって」

「は、話ね、うん、うん、分かった」


澪も少し緊張しているみたいで動きが硬い。


手招きされて部屋に入ると澪の匂いがフワッとした。


周りを見渡すと以前澪の家に入った時と似た感じでぬいぐるみが置かれてたりと女の子の部屋って感じだ。


「そ、それで、どうしたの?」

「あ、あー、そのなんだ?」


ぐっ、なんか、すごい言い難い!

口が縫い付けられたかと錯覚するような重さだ。


だけど......


「さっきはごめん!悪気はなかったんだ、頑張って忘れるから、その、嫌わないで欲しい!」


そんなことで謝れなくて後悔などしたくない。


頭を下げて、というか地に頭を擦り付けて謝る。


「い、いや!そのぉ、そこまでまして謝らなくても、というか悪気がないのは分かってるから頭を上げて!」


澪は焦ったように声を発する。


「だけど、悪かったって思うし、澪に嫌われたくないから」

「うん、ボクも避けられちゃうかなって思ったもん」


どういうことだ?


「ボクも悪気があって見られたって思ってたわけじゃないし、気まずくなって話さなくなったら嫌だなって、だから許す許さないじゃなくて、どちらかと言うとありがとう?」

「いや、何で疑問形?」

「んー、ボクもいまいち分からなくなっちゃったから」

「そうか」

「そうだよ」

「......プッ」

「......フフッ」


2人して先程までのぎこちなさを忘れたかのように肩を揺らして笑う。


そうだ、そうだな。


いつもこのようにして笑ってたよな、あまりぎこちなくいるのは変だよな。


決して鏡が裸を見る結果となったのが褒められるものではなかったとしてもお互いの気持ちもあり、仲が悪くなるなどあってはならないことなのだ。


お互いひとしきり笑いあった後は澪の勧めもあり鏡と澪は澪のベットの上で談笑しあっていた。


いたのだがベットの上、というのが悪かったのだ。


この後そのようなことになるとは思いもしない二人はいつものように笑い会って話しているのであった。

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