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五十三話 ボクの弟


「姉さんが男を連れてきたぁぁぁぁーーーーー!!!!!!」


その少年はプルプルした手で指を指した後に少し後ずさると全速力で走っていった。

ちなみに去る時も同じことを叫びながらだ。


後ろから追いかけてきたメイドさんは俺たちに頭を下げてまた追いかけていった。


アハハ、元気な家族やなぁ............


「............って、練!何言ってんのバカァァ!!」


って、澪も走って追いかけていってしまった......


「え?俺どうすんの?」


置いてかれた俺はキャリーケースを片手に立ち尽くすのであった。




あの後無事に(?)立ち尽くしていた俺の元に執事長さんが来てくれて対応してくれた。


部屋にも案内して貰えたのでキャリーケースを置いて、応接室?のような場所に通された。


はぁ、とりあえず落ち着けるなぁ......


割り振って貰えた部屋は中々に広く大抵の物は揃っていそうだった。


まだドタバタ廊下から聞こえるが遠ざかったり近寄ったりと忙しない。


家でかいからなぁ......そりゃあ近くなったり遠くなったりするよなー。


とかぼんやり考えていると。


ガチャ


あ、やべ!立たないと!


焦って立ち上がるとそこには唯さんが居た。


「あらあら、鏡くん久しぶり、あ、座っていいわよ」


そんじゃ失礼して。


「久しぶりです、唯さん」

「久しぶりねー、何か髪がスッキリしたわね」

「そうですね、何日か前に切りまして」

「何か心変わりが?」


......鋭い


「どういうことですか?」

「いや、紗良から聞いてて長年に渡って前髪は必ず目にかかっているし絶対に短くしなかったって言ってた子が短くなってたものだから」

「あー、なるほど」


母さんかぁ......ん?ということは母さんに聞けばもしかしたら澪のことが分かるかも?

よし、今日の夜に連絡しよ。


「まぁ、少し思うところがありましてね」

「ふーん、なるほどねー、うちは何時でも歓迎するわよ?」

「なんのことですか?」


どういう話の流れでそうなったのだろうか。


「今から私をお義母さんと呼んでもいいわよ」

「ッ!何言ってるんすか!呼びませんよ!」


い、いきなりすぎるだろ!

というかそんなに俺分かりやすいのかよ......


「あら、残念」


本当に唯さんは母さんに似てるなぁ......

油断してると一瞬で弄られる......


「にしても、一番最初に挨拶するのがうちの澪じゃなくて鏡くんとはね」

「あー、それはまぁ」


あの状況は俺はどうしようもないんだよなぁ......


「大丈夫よ、分かっているわ、にしてもあの子たちは本当に元気よねぇ」


そう話しながら雑談しているとゼーハーゼーハーした澪が来た......


というか......


「澪、その引きずってるのは?」

「ん?」


澪は首を可愛らしく傾げたあと


手で引きずっているのを持ち上げて。


「ボクの弟」


ここまで姉に雑に扱われる弟がいるなんて......

俺はきっとここまで同情したことないんじゃないかってほど弟くんに同情した。

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