50話 陽キャってカッコイイ服着てるよな
短いです
「そうね、鏡ちゃんが驚くのもわかるわ、この子は......男よ」
な、な、な、なんですってーー!!?
「ふふふ、女性だと思った?ざんねーん!男でした!惚れた?惚れちゃった!!?」
ピースしながらこちらをニヤニヤしながら見てくる。
正直本当に女性にしか見えん!見えんけど......
「惚れてはないです、俺はもう惚れた女が居るんで」
めちゃくちゃ真顔で返す。
こればっかりは譲れない。
「ほぅ!ほうほうほう!いいね!いいよ!お姉さんそういうの好きだよ!!」
すると萩田さんがテンションを上げてくるではないか。
「静瑠、そういうのはいいからこの子に似合う服を見繕ってあげてちょうだい」
「そういうのってなんなのさー、まぁいい、それでこの子に?」
「はい、俺が惚れた女の隣にいて恥ずかしくならないようにしてください、お願いします!」
きちんと頭を下げる。
「ふふ、いいわよ、というか慶次!なんでこんな逸材を紹介してくれなかったのさ!」
「この子が変わるつもりがなかったからよ」
「どういうこと?」
こんな感じで二人は喋ってはいるがその間にどんどんと服が選ばれていく。
「あ、そういえば鏡ボーイはどんな服を持ってるの?」
「あー、例えば......」
どうやら着回すことも考えてくれているようで俺の持ってる服の種類を聞いてきてくれたりとかなり考えてくれているようだ。
そして用意された服を着てみると。
「いいじゃない、キマってるわよ」
「ふふん、どうよ慶次さんよー、私の目は確かでしょ?」
「やかましいわ」
「酷い!」
黒を基調としたモノトーンな服を着ているのだが、自分でもかなりカッコイイのでは?と思うようにキマってる。
なんか陽キャになるためにはこういう服にしろ、みたいなの聞いたことあるけど本当にそんな感じがするな。
「これ、買います!」
「はい、毎度あり」
こんな感じで服を試着しては買って、としていると。
「かなり買ったわねぇ」
「あはは、どれもかっこよかったですし、そもそも俺あんまり服持ってないんで......」
俺一人では持ちきれるかどうかという程買ってしまった。
「あはは、ありがとねー」
「いえいえこちらこそ、あんまり自分が服とかのコーディネートに興味が無いもので、助かりました」
「ウム、では今後もご贔屓にということで」
「是非とも是非とも」
何かどこかの取引でありそうな感じで話していると。
「ほらほら二人とも、ふざけてないで、鏡ちゃん帰るわよ」
「はい!」
萩田さんが後ろからまた来てねーと言っている声が聞こえた。
いやぁ、でも本当にいい店だったな、今度一人でまた来よっと。




