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四十話 水族館だぁ!


「水族館だぁぁ!!」

「えっ、なに?澪どうした?」


東京の水族館に来た、水族館の周りは建物で溢れてる、つまり何かの商業施設とか?と統合していると思っていたがそんなことなく水族館のイメージ。

俺としてはすげぇ広い土地に一つだけ建物が建ってるって感じ。

と一緒だった。


ってか澪が素なんだけど......


「澪、素が出てるぞ?」

「ん?んー、まぁ同じ高校の子がいないだろうし問題ないよ!」

「おぉ、世の中の人になら素を出せるようになったか、いい事だ」


多分澪の場合は周りの人に知られるのが嫌なのだろうからな、知らない人にだったら大丈夫って思うようになってきたって感じなのだろう。

少しずつ前に進んでくれているのは凄く嬉しい。

見ているし味方になるって言ったし、誰が否定しようとも俺は肯定するから。


「別に周りと接せるようになろうと素にしようとしているだけじゃないんだよ?」

「どういうことだ?」

「一番の理由は素のボクを見て欲しいからね」


だから世の中の人にって話じゃないのか?


「今は分からなくてもいいよ、今は」



「さ、行こっか!」


どういうことなんだろうか?

よく分からないな。


行ってしまったので小走りで追いかけて隣に並ぶ。


「大きい水槽って何の魚を推してるんだろうな」

「どういうこと?」

「多分いろんな魚が入っているだろ?その中でこれがオススメ!みたいな?」

「なんだろうね?カメとか?」


雑談をしながら入口へと向かっていく。


こういう雑談を澪とするの好きなんだよな。


「ようこそ!お二人ですか?」

「はい、高校生二人です」


入口の横の窓口で入場券を買う。


「ただいまカップル割引を行っているので二人で2000円になります」

「いや、カッp」

「何を言ってるの?鏡くん?」

「ちょっ!」


否定しようと思ったら澪が右腕にギュッと抱きついてきて澪のその豊満なものが押し付けられた。


澪はニコニコとこちらを見てきていて有無を言わさぬ感がある。


そういえば文化祭の時に否定することで傷つけることもあるって言ってたっけ?いや、嘘をだっけ?

でも傷つけるのかな......嫌だな......


「2000円でしたっけ?」


聞きつつ2000円を出した。


「はい、丁度ですね、どうぞ」


チケットを受け取り入場口から入場する。


「ふわぁ!水族館だぁ!久しぶりに来たなぁ」

「家族と来たのか?」

「うん!小学生の頃ぶりかなぁ」


小学生かぁ、水族館に来てたかなぁ。

彰久とかと毎日遊んでたからなぁ。


......ところで澪はいつこの腕を離してくれるんだ?


「なぁ澪、腕」

「んー?もしかして恥ずかしいの?」

「そ、そりゃな?」


女子に腕を抱きしめられてたら恥ずかしいだろ!?


「それにその、当たってるし」

「???」


通じていない......だと......


「その、澪の胸部装甲がですね......」


そこまで言うと澪は自分の胸元に目線を向け、顔を真っ赤に染めて離れた。


「そ、そのね?わざと腕を抱きしめてた訳じゃない......訳でもないけど、その、嫌だったならごめんね」

「いや、嫌なわけじゃないけどその、恥ずかしかったというかなんというか......それに嬉し......」


今俺は何を言おうとした!?

こんなこと言ったらデリカシーの無いやつじゃ......


チラッと澪を見るとニヤニヤしていて


「んふふ、嬉しいか〜、嬉しいのか〜」


へ?なに?どうしたんだ?


少しするとニヤニヤしていた澪はニコリとして


「行こっか!見てあそこに丸っこい覗き窓?みたいなのがあるよ!」


するりと俺の左手を掴むと引っ張っていく


サラッと手を繋いで!

恥ずかしい......けどやっぱ嬉しい......かな


楽しそうに笑いながら一緒にいる澪と手を繋いでいると安心もするし、何かザワザワする感じがする。


またか、何なのだろうか。


「......と!鏡くん!聞いてる?」

「ん?あぁ、すまん聞いてなかった」

「もう!ちゃんと聞いてよね!次はあっち行こって」

「あぁ、行こうか」


澪が手を引っ張って移動していき引きずられるように一緒に行く。


先程のザワザワして落ち着かない、だが心地いい、矛盾するその何かに蓋をして、澪について行くのだった。

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