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三十五話 ドリンクバーって色んなの混ぜがちだよな


学校の最寄りから電車に乗って何駅か乗ってある程度栄えてる街へ行く。


「まずはカラオケにするか?それともゲーセン?」

「カラオケですかね、早めの方が入れそうですし」


よし、じゃあカラオケに行くか。


手早く駅近くにあるカラオケ屋を調べる。


んー、まぁ安定はココかな。


色々なところに店舗を構えている有名なチェーン店へと向かう。

ココ、フリータイムにするとドリンクバーもついてくるからいいんだよなー。


「なぁ澪、ここでいいか?」

「はい、貴方と一緒にいられるならどこでもいいですよ」


!!?


え?なんか小っ恥ずかしいこと言われたんだけど!


一瞬浮かび上がった喜びと羞恥で顔に血が集まっているような気がする。


驚きの顔で止まっているであろう俺の顔を見た澪は少しすると先程の自分の発言が危なかったことに気がついたのか少し焦ったような感じで


「い、いえ、そういうことではなくてですね?いや、そうなんですけどそうではなく......と、とにかくどこでも大丈夫です!」


......少しではなくだいぶ焦っていたようだ。


まぁ、勘違いすることは無いが心臓に悪いので気をつけて欲しいとは思う。


ただ、そうだけどそうじゃないと言われた時に少しモヤッとした気持ちになったのが不思議であった。


「とりあえず行こうぜ」


モヤッとした気持ちを振り落とすように歩き出した。



「○○号室です、ドリンクバーは正面右側にあります。ごゆっくりどうぞー」


受付もしてコップを受け取り部屋へ


「飲み物入れてくるけど何がいい?」

「へ?一人は嫌だしボクも行くよ」

「ん?了解」


いきなり素の口調になったので疑問に思ったが個室だからかな?


ドリンクバーを取って部屋へと戻ってくる。


俺は無難に烏龍茶を取ってきたのだが......


「な、なぁ澪のそれ何を入れたんだ?」


澪のコップの中には黒のような緑のような黄色のような色々な色が混ざった禍々しい何かが入っていた。


「ん?これはね!コーラとメロンソーダとオレンジジュースと烏龍茶を混ぜたんだ!」


うわぁ............

それ絶対不味いやつ......


最初の三種類だけでヤバいのにそこに烏龍茶を混ぜるのがヤバい。


ジュースに烏龍茶は合わねぇんだよなぁ。


「飲みきれるか?」

「分かんない!けどやってみたかったんだ!JKっぽいでしょ?」


確かに中学生とか高校生って何かとドリンクバーで混ぜるけどさそれって自分のじゃなくてダチのやつ持ってくる時じゃないか?


「分からなくもないが無理をするなよ」

「うん、大丈夫だよ!」


気合を入れてるかのように拳を握り、フンスッ!としているのを見て苦笑いが浮かんだ。


「とりあえず、どっちから歌う?」

「うびゃっ、不味い!んー?じゃあボクから歌うね」


先ほど持ってきた調合物を飲んで顔をしかめつつ曲を入れ始めた澪


ん?この曲は......


「よし、今日は歌うぞー!」


『1 2 ナン 〜〜〜♪︎♪︎♪︎』


......やっぱり澪ってサブカルチャーに強いよな


青い背景にデフォルメされた女の子のキャラが二人マイクを挟んでいる絵を見ながらそう思うのであった。



まぁ、テンションが上がる感じの曲なのでテンション上げめで聴いていたんだが


「澪って歌上手くね?」

「そお?」

「おう、声が澄んでて綺麗だし胸にスっと入ってくる感じがしてすげぇ良かった!」


あの声の感じ、音が高い曲とか歌うと凄く良さそうだなって思う。


「そ、そっかありがとう」


照れてしまったのか顔を赤くして俯いてしまった。


「おう、じゃあ次は俺だな!」


さっきの曲でかなりテンションが上がってたのでノリノリで歌うつもりだ。


歌うのはバンドの曲で結構テンション高い感じの曲。


いつもはしばらく歌ってから歌う曲だがテンションが上がった勢いのまま歌う。



「ふぅ、やっぱ一発目にこれ歌うと喉がやられるなぁ」


苦笑いしながら澪のほうを見るとキラキラした顔でこっちを見ていた。


「鏡くんも歌うの上手いね!こう、ガっとしてウラァ!って感じでカッコよかった!」


褒められてるのは分かるんだが言葉の難易度が高すぎるんだよなぁ。


「おう!よく分からんがサンキューな!」

「うん!」


そしてそのあとは交互に歌っていったり一緒に歌ったりとしながら三時間くらいカラオケに滞在した。



そのあと受付に会計しに行く。


「ちょっとボクお手洗いに行ってくるから待っててー」

「おう」


テテテーっと澪がお手洗いに行ったので今のうちに会計を済ませる。


こういう所は男が奢れって親父から教わってるからな。


少しすると澪が戻ってきた。


「ただいまー、んじゃ会計行こっか」

「ん?もう払ったぞ?」

「え?いくらだった?」


そういいながら財布を開いて渡そうとしてくる澪


「んーにゃ、俺の奢りだ」

「いや、それは悪いよ」

「まぁまぁ気にすんなって」

「いや、気にするよ」


んー、なんて言えばええかね


「あー、まぁあれだ、男の小さなプライドってことでここは一つ」

「???」


首を傾げてこちらを見てくる澪、これは分かってないな。


ハァ、っと溜息をつきつつ恥ずかしいので顔を逸らしつつ


「女の子に金を払わせる訳にはいかないだろ?」

「......ふぇ?」


本人にこうやっていうのは恥ずかしく顔が熱い。


「......行くぞ!」


照れ隠しでスタスタと歩き始める。


驚いたような顔をしながら澪が横に来たがこっちを見るとニコッと笑って。


「......ありがとう!」


その笑顔をキラキラしすぎていてずっと見ているとドキドキが止まらなくなりそうだったので顔を逸らして「お、おう」とだけ返事をしておいた。


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