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三十二話 いいなぁ ※澪視点


あの後の夜ご飯の時鏡くんから色々と愚痴を聞いていた。


弄られちゃうってこととかボクと仲良くしているーとか色々と。

後は一番言ってたのはボクに迷惑をかけちゃうってことかな。


ボクのせいだし鏡くんのせいじゃないから謝りたいのはボクなんだけどなぁ。


「あはは......ごめんね、そのー、テンパっててシチューって事だけ伝えようとしかその時なんも思ってなかったよ」


完全にご飯の件はあそこの一言だったよね......

特に何も考えてなかったよ......

ちゃんとお詫びをしないとね。


「ほら、お詫びにテスト勉強教えてあげるから」

「いや、まぁ確かにありがたいがそれは俺が勉強しないといけない前提じゃないか?」


もうテスト前だよ?

もしかして勉強しないつもりだったのかな?

じーっと見て見ていると《うへぇ面倒くさっ》

みたいな顔をしていた。


「ボク、前も言ったと思うけど勉学は学生の本分なんだよ?勉強をしないっていう選択肢はないんだよ」


するとえーっと顔をして


「それにBOXイベントも回りたいし」


それ明らかに例のクリスマスイベだよね?


「何のBOXイベとは聞かないけど勉強しなさい、テストが終わってからでも出来るでしょ?」

「俺のリンゴは無くならねぇ!!」

「いくら素材が美味しくても勉強はしなさい!」


オススメは勉強しながらの周回なんだけどなぁ。


......そういえばサッカーの時ご褒美あげるって言ったらやる気出してくれたよね。


「分かった、なら勉強をしっかりして一位になれたらご褒美をあげるよ!」


すると鏡くんは、なん......だと......という顔をしてその後なんかウンウン唸り始めた。


迷ってるのかなぁ、んー、でも一位ってことはボクとも点数を戦えるぐらいにしないとって事だよね。


ボク負ける気無いし他の方が良かったかも。

でも言っちゃったし後に引けないよね。


「......ボクのお手製卵料理フルコース一週間とかa」

「良し行こう、よしやろう」


......即答だよ。

そんなにすぐ言ってくるかぁ


作り手としては嬉しい限りではあるし他の料理でも美味しいって言ってくれるし美味しそうに食べてくれてるけど。

ホントに本当に......


「ホント卵料理好きだよね......」


ボソッと踊り狂ってる鏡くんの隣で呟くのであった。




その後テスト結果も出てボクと並んで満点を取った鏡くんにご飯を作ってあげて......

てか、本当にやる気を出させればできちゃう鏡くんってヤバくない?


やればできる子なんだからやればいいのに。


いや、まぁそこはなんでもいい?んだけどさ。


それから少し経った、もう少しで冬休みが来るって時期。


「島風さん!クリスマス俺と一緒に遊びに行ってくれない?」


まるで告白するようなトーンで誘ってきた隣のクラス?に居るらしい男の人。


最近こういう感じで誘われる日が多くなって来ていて、正直辟易している。


「......私はあなたの事を知らないですし今初めて会話を交わしました。全く知らない人にいきなり誘われても遊びに行くのは難しいかと。」

「知らないからこそ遊びに行こうって言ってるつもりなんだけど......」


なら別にクリスマスに誘う必要は無いんじゃないのかなぁ。


友達と遊びに行こうって言うならクリスマスのイベントだし分かるよ?

でも、お互いに面識がないのにそうやって誘ってくるって正直ボクからすると怖いんだけどな。


「なるほど、ですがそれはクリスマスである必要は無いのでは?私は下心が見えるような誘い方をしてくるのはどうかと思います。」

「うぐっ......」

「申し訳ありませんがお断りさせていただきますね」


そう言って立ち去っていくと待ってていてくれた

紬ちゃんと静香ちゃんが居た


あれから連絡のやり取りをしていて自分たちも名前で呼んで欲しいとの事で少しずつ練習していった結果名前呼びはすることができるようになった。


まぁ、まだ素で喋るのは難しいのだが。


学校でも普通に喋れるようになって最近はいつもご飯を一緒に食べたり帰ったりしている。


ボクの中では充分友達だって胸を張って言えるくらい仲良くなった......のかなぁ?って思っているんだけど静香ちゃんが言うには


『まだ素で喋ってもらえないからまだ親密度が足りないんだね!!』


とのこと。


これを言われた以降スキンシップが増えたような気がするのは気のせいではないだろう。


「みおっちはまーたクリスマスのお誘いですかい?」

「そうですね、今回は隣のクラスの面識が無い人でした。」

「面識がないのに誘ってくるってどーかなぁって私は思うけどねー、普通に怖いし」


あ、紬ちゃんもボクと同意見なんだね。

やっぱそんな感じだよね。


「お二人も結構誘われたりするんじゃないですか?」


二人とも可愛いし、社交的だし、圧倒的にボクより誘われそうだけどなー。


「んー?私はあっくん一筋だってことは皆知ってるからねー、それにあっくんと過ごすってことは知ってるだろうし」

「私は誘われることはないかなー、誘われても湊が間に入って来て有耶無耶になるしー。正直助かってるんだー。」


......ボクから見て九重さんは紬ちゃんに惚れてるように見えるし、だからこそ間に入ってるんじゃないのかな?


いや、実際はどうかは分からないけど。

少なくとも......


「私は湊に誘ってきて欲しいし湊以外に誘われても断るけどねー」


紬ちゃんは九重さんにベタ惚れなんだよねー。

ボクから見たら両想いだしさっさとくっつけばいいのにとは思ってるんだけど。


そして静香ちゃんの方を見ると苦笑いしている。


たぶんだけど静香ちゃんも同じことを思ってたんだと思う。


「そういえば、しーちゃんはクリスマスどこ行くの?」

「んー?今のところ決まってるのはイルミネーションかなー」

「イルミネーションですか、綺麗ですよね、毎年見に行くか迷った挙句行かないんですよね」

「あー、分かる独り身には荷が重いと言うか肩身が狭いというかねー」


あの空気感になれないんだよね、と紬ちゃんは肩を落とす。


「じゃあ今年は春っちが湊っちを誘ってイルミネーションに行くのを目標にしよう!」

「ふぇ?な、なんで??」

「恋は待つだけじゃなくて自分から行かないと!」

「そ、そうかなぁ」


静香ちゃん......それは勇気ある人とかがやることだよ......


「う、うん!私今年こそは頑張る!」


勇気ある人だったよ......


でもそっかー、紬ちゃんもイルミネーション見に行くのかぁ。

ボクも鏡くんと行きたいなぁ。


「いいなぁ」


その一言は何も思わずポロっと口から出てしまった一言。


全てに対して、そうイルミネーションに行くことだけではなく、自分が気づいていない何かも含め羨ましく自分もその場所に行きたいと思ったからこそ、溢れ出てしまった一言だった。


だからこそ二人は疑問に思った。


「「鏡っち《橘くん》誘えばいいじゃん、好きなんでしょ?」」


へ???


クリスマスとかイベントごとにグループで遊ぶからって呼ばれたりしますけど何かと二人きりになろうとする人いますよね。

普通に考えて怖くない?と思う今日この頃。

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