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三十一話 誕生日と邂逅 ※澪視点


ボクの誕生日の1週間前くらいかな?



「なぁ、澪って来週誕生日じゃん?」

「お!覚えてくれてたんだー!」

「当たり前だろ?それでさ何か欲しいものないか?」


あ、当たり前、ボクのことを知ってくれてるのは当たり前って言って貰えるのは嬉しいな......


「あ、当たり前なんだ......欲しいもの、欲しいもの、んー無いかなぁ」


考えた結果特にこれ!というものが無かった。


別に今欲しいのがないんだよなぁ、しいて言うならマンガ?

でも特典自分で選びたいし。


「無いかぁ」


すごく困った顔してる、あ!そーだ!


「じゃあ鏡くんに任せた!」

「いや、一番困るヤツじゃねぇかそれ」


むふふー、困る鏡くんの顔可愛いから好きなんだよね!



誕生日当日


ボクのお願いでどっかご飯を食べに行って祝うって感じじゃなくていつも通りボクがご飯を作っておまけでケーキを食べるって感じになった。


「モグモグモグ、うーん!やっぱりケーキは美味しいね!」


んー、ショートケーキ美味しい!このクリームの甘さといちごのちょうどいい酸味がマッチしてていいんだよねぇ。


ふふふ、頬の緩みが止まらない......


「誕生日の利点はケーキが食べられることだよね!」

「え、そこなん?」

「そこだよー、だってケーキ美味しいじゃん」


こういう日だけ食べるからケーキが美味しいんだよね!



「澪ってどんくらいの頻度でケーキ食べてるんだ?」

「んー、月に二、三回?」

「意外と食べてないんだな、週に3回とか4回とか食べてるのかと思ってた」

「そんなに食べてないよ、だってそんなに食べちゃったら特別感がないじゃん?」


いっぱい食べてたら特別感っていうスパイスが無くなっちゃうもん。


まぁ、後はお金の問題ってところもあるんだけどね。


「ということは特別感の中でケーキを食べたいと?」

「そういうことー」


うんうん、分かってるねー



「特別感なぁ、まぁ言ってみればアイスクリームにトッピング乗せたみたいな感じか」

「全くその例え分からないよ?」


理解力以前の問題なんじゃないかな?ボクにはちょっと分からないな。


「うわぁ、そんなことを言う誕生日のやつには俺のモンブラン1口だけ食べさせてやる」

「いや、くれるんかーい」


そこあげないって言ってボクがちょいちょいちょいって言うやつじゃん!


「え?いらないの?じゃああげないし」

「ちょちょちょ、いるいるいる

ボク、タンジョウビ、アナタ、ワタシ、イワウ、おk?」

「おk」


アハハ、こういうやり取りができるのも友達だからこそって感じだよね!


そんな感じでフォークにモンブランを乗せて出してきてくれた。


「ほら、はよ食べろフォークから落ちてまう」


パクっモグモグ


「んんんまぁい!」

「ウム、良き反応じゃ」


モンブランも美味しい!んー、幸せ!


モグモグして食べ終わるといつものお茶の時間にする。


「はぁ、ケーキの後のコーヒーはちょうどええなぁ」

「ボク的にはこの紅茶の勝ちだけどね!」

「それは澪がコーヒー飲めないからだろ?」


む、ボクだって飲めないことも無いし!


「ボクだってミルクと砂糖をすごく入れれば飲めるもん!」

「1度それを飲んだがあれはコーヒー牛乳よりも甘かったぞ」

「だって飲めないもんは飲めないもーん」


だって苦くてうげぇってなるんだもん。

あれを美味しそうに飲める理由がボクにはわからないよ。


ハァー、っとため息をついたところで何かに気づいたような表情になった後置いてあった袋?を見せてきた。



「澪、これ誕生日プレゼント」

「んお?いきなり来たね!開けていい?」

「ん、いいぞ」


中は何が入ってるっかなー!

取り出してみると白いパッケージに包まれた箱がでてきた。


「これはー、ヘアミルク?」

「ああ、澪は髪が綺麗だからな、お手入れの物をあげるっていうのもありだなって思って」

「きれっ、、、ん、うん、ありがとう」


鏡くんって、こういう所でサラッと褒めてくるから心臓に悪いんだよね......ドキドキするし。

でも他の人に褒められてもこうはならないんだよね。

なんでだろう?


恥ずかしくて下を向いていると袋の中にまだ何かが入っていることに気がついた。


なんだろうこれ?

結構大きい?


取り出してみると


「ぬいぐるみ?」


それはリスのぬいぐるみだった。


ほぁー、可愛いなぁ。

鏡くんってこういうのも選んでくれるんだ。

ボクの趣味が分かってるねぇ。


「ちょっと子供っぽくて嫌っていうなら置いてってくれて構わないからな」

「何言ってんの!!?絶対持って帰るから!」


な、なんでそんな事言うの!?こんな可愛いの貰ったんだもん絶対嫌だよ!それに......


「鏡くんから貰ったんだもん!絶対に大切にする!」


鏡くんから貰ったんだ、それだけで嬉しいんだよ。


えへへ、このぬいぐるみ可愛いなぁ。


「誕生日プレゼントありがとね!鏡くん!」


そう言うと鏡くんは照れたのか顔を真っ赤にしてしまった。




それから少し経った頃かな?

その日はやることもなかったし、鏡くんと遊ぼうかなーって思ったんだよね。

それでイタズラ気味に行こうと思ったんだ。


あ、そーだ!連絡しないでいきなり遊びに行こっと!


ルンルン気分で合鍵を使って鏡くんの家に入りしっかり鍵を閉めてから走ってリビングに行く。



「鏡くん!ボクが遊びに来た!格ゲー...や......ろ」


「「「「「「........................」」」」」」


テンション高めに扉を開けるとそこには鏡くんの友達達が集まっていた。


あっ、えーと。

これやっちゃったやつ?

視界の端で鏡くんが頭を抱えて上を見上げていたのが見えたような気がする。


しばらく固まっていたけど、これはとりあえず脱出しないと......って思ってみんなが固まっている間に脱出しようと少しづつ動き始めた。

すると


「ちょっと待ったぁ!島風さん!」

「なっ!!」


ちょっ、走ってまで追いかけてくる!?

と、とりあえず逃げる???


走って追いかけられたので焦ってボクも走ったんだけど......


「鍵がっ!」


さっき入ってくる時しっかり鍵を閉めてから入ってきちゃったんだった!!


「捕まえたっ!」


手を掴まれてほぼ引きずられた状態でリビングへと戻る。


しょうがないので歩いて鏡くんの隣へと座る。


すると長谷川さんが近づいてきて不思議そうな顔で。


「えーと、まず2人はどういう関係なの?」


と、聞いてきた。

どんな?って友達?うーん。友達?ってだけだと違和感?

んー、とりあえず当たり障りのないことを


「私たちはただ家が隣の友人ですよ?」

「そうそう、ただの友達だ」


ただの?今ただのって言った?違うよ?違う違う。


だから鏡くんの顔をしっかり見ながら


「ボクはとっても仲がいい友達だよ?」

「お、おう、そうだな」


なんで焦ってんの?よく分かんないや


「ところで島風さん、どうやって入ってきたの?」

「え?」


え、あ、他に人がいるのを忘れてた......

だから焦ってたのか。


えーと、合鍵で入ったなんて言えないし。



「か、鍵が空いてたので入れただけですよ?」

「しっかり鍵を閉めてたはずなんだけどなぁ」

「勘違いなのでは?」

「勘違いでは無いはずだよ?だって鍵を挿す音がしてたからね。開けてる証拠さ」


ど、どうしようボクの能力じゃ捌ききれない程だよ。

実際ボクの不備が多すぎるし......


すると鏡くんが呆れた様子を隠さずにこっちを見てきた。


「なぁ島風、諦めて全部話した方が早くないか?」

「はい、そうですね。か、橘さん」



あ、危ない。名前呼びするところだった......

む、そんなポンコツを見る目で見ないでよ、鏡くん。


その後二人で今までの事を説明していった。



「いやぁ、でもまさか島風さんと鏡がダチだったとはなぁ」

「意外な組み合わせだよねー、島風さんあんまり特定の仲良い友人みたいなの作らないイメージだったんだけど」

「でも、文化祭の時一緒にカッコイイ男子と回ってるの見たぞ?」


あの時の鏡くんかっこよかったなぁ、いや、元からかっこいいけどさ。



「文化祭?」

「カッコイイ?」

「特定の親しい友人を作らないけど鏡と仲良い?」

「まともにすれば鏡っちはカッコイイ?」

「「それっちじゃない?」」


この二人本当に鏡くんと仲がいいんだなぁ、鏡くんのことに対してすぐに気づくし


「......確かに文化祭で一緒に回っていましたね。仲がいいですから。仲が!良いですから」


......ん?ボク、なんで二回も言ったんだ?


「まぁ、なんでもいっか!島風さんと鏡っちが仲良かろうが仲悪かろうが私達が口を出す事じゃないもんね!」


なんでもは良くない気がするけど、まぁ分かってくれたならそれでいいk


「ところで島風さん!友達になろ!」


............ん?



「ふふーん、甘いねシズちゃん!私はもう島風さんと友達だもん。ね!島風さん」

「え、ええ。そうですね、春風さん」


ど、どういう流れでこんな話になってるの!?

ボクには分からないよ!?


「えー?でも鏡っちに向かってのように素で喋ってる訳じゃないじゃん!つまり鏡っちが真の友達!私はそこに行きたいんだよ!」


素で......素で?

え、まさか


(もしかしてボクさっき素で話してた?)

(そもそも入ってきた時が素だったぞ?)


口パクで会話したのだがそう返ってきた。


ま、マジかぁ。

こうバレるっていうかなんていうか、どうしよう。


「ほらぁ!口パクで通じ合うんだよ!これが友達!」

「えー、なら私も島風さんと真の友達になる!」


い、いや、別に真の友達だからとかじゃなくて鏡くんは特別だからだもん。


......特別?


澪は自分の考えていることにふと疑問に思ったことがあったのだがそれを考える以前に二人にグイグイされているので考える余裕がなかった。



「わ、分かりました。では、お友達ということで。ね?」

「ムー、素では喋って貰えないのかぁ。ならここから仲良くなって素で喋って貰えるようにするもん!」

「私も!」


ふと、鏡くんの方を見ると心配そうな目線が送られてきていたので大丈夫とアイコンタクトをしておく。


鏡くんの友達だし人柄を見ていい人達だと分かっている、それに......


あのことを引きずってるボクはやめると思ったんだ!少しずつ変わらないと!


「じゃあ島風さん!連絡先教えて!」

「私も!」

「......うん」


二人と連絡先を交換する。


今はこれだけしか出来なくても少しずつ変わってくんだって決めたんだ。


「呼び方変えてもいい?んー、みおっちって呼ぶ!」

「私は澪ちゃんって呼ぶね!」

「フェッ?」


え、え、そういう感じで距離を詰めてくる??


ちょっとボクの思ってた速度より早い!


「そ、それじゃあ私は帰るので。あ、鏡くん!今日の夕飯はシチューだから!」


ちゃんと伝えようと思ってた今日のメニューも伝えたし、ボクにはまだこの空間は早い!


逃げるように自分の部屋へと行こうと鏡くんの家を出る直前。


「ちゃうわぁぁぁぁ!!!」


ん?なにか聞こえた?


鏡くんの声が聞こえたとか聞こえなかったとか。


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