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二十七話 通い妻?(一致)



「えーと、まず2人はどういう関係なの?」


目の前にいる静香は俺と隣にいる澪にそう聞いてきた。


え、なんでいきなり澪が居るのかって?


まぁ、そうなるよなちょっと待っててくれ


こうなっている理由は......



思い出すのは湊を弄ったあと部屋に戻ったあたりから。


「あー、とりあえず俺は飯食っていいか?」

「え、何?お前まだ飯食ってなかったの?」

「寝てんのにいきなりお前らが来たからな!」


彰久が聞いてきたので俺はこう返した。


いや、だって寝てれば飯は食ってないだろ?


そもそもこんな時間に起きている奴らがおかしいんだ、うん。


一般的ではないことを考え勝手に納得していることについては置いておく。


飯をちゃっちゃと食べてゲームの準備をする。


「それじゃ始めますか」

「おー!!」


ゲームを起動してそれぞれのポジションへ。


んー、久しぶりにマイ○ラやんなぁ。


そして全員の顔を伺おうとすると......


ん?湊の足と足の間に春風が収まってる。


あらあらまぁまぁ、とニヤニヤしていると湊にめちゃくちゃ睨まれた。


てか、あの二人そこまでできるならもう付き合えよって思うのは俺だけか?


......いや、彰久もらしい。

あいつもニヤニヤしながら湊の事見てたわ。



そうこうしながら一時間ほど経った14時ちょっと過ぎだっただろうか。


その時は前触れもなく突如訪れた。


ガチャカチャリドタドタドタバァン!


「鏡くん!ボクが遊びに来た!格ゲー...や......ろ」


「「「「「「........................」」」」」」


入ってきた人物の方に目を向けるとそこには澪が右手を前に上げた状態で固まってた。


こいつ、連絡もなしに遊ぶため合鍵で入ってきたな?


何やってんだよ......


皆が固まっている中鏡は頭を抱えて天を仰いだ。




全員が固まり始めて2分くらい経っただろうか。

澪が右手を上げたまま扉の方に振り返り帰ろうとし始めた。


「ちょっと待ったぁ!島風さん!」

「なっ!!」


ゆっくりフェードアウトし始めた澪に静香が走って追いかけ始めた。

そのため澪も走り始めたのだが。


「鍵がっ!」


律儀に鍵を閉めていたようで扉のところで捕まったようだ。


そして物語は冒頭へと戻る。


「私たちはただ家が隣の友人ですよ?」

「そうそう、()()()友達だ」


ん?隣から負のオーラが


「ボクはとっても仲がいい友達だよ?」

「お、おう、そうだな」


ん?皆がははーん、みたいな顔してるんだが。


「ところで島風さん、どうやって入ってきたの?」

「え?」


......そうじゃん、合鍵で入ってきてたな。


「か、鍵が空いてたので入れただけですよ?」

「しっかり鍵を閉めてたはずなんだけどなぁ」

「勘違いなのでは?」

「勘違いでは無いはずだよ?だって鍵を挿す音がしてたからね。開けてる証拠さ」


どんどん露見してくじゃねぇか......


「なぁ()()、諦めて全部話した方が早くないか?」

「はい、そうですね。か、橘さん」


そこはもう言い直しても入ってきた時にバレてるよ......


その後は今までの澪と俺との仲良くなった経緯を話した。


まぁ、飯とかの話は伏せてるけどな?


「いやぁ、でもまさか島風さんと鏡がダチだったとはなぁ」

「意外な組み合わせだよねー、島風さんあんまり特定の仲良い友人みたいなの作らないイメージだったんだけど」

「でも、文化祭の時一緒にカッコイイ男子と回ってるの見たぞ?」


おっと、それはヤバいやつだぞ?


ちなみにだが湊と一緒にいた春風は先程から喋ってはいないがずっとニコニコしている。

まぁ、文化祭の時にもバレてたし、仲良いのを知ってるからだと思うんだが。


「文化祭?※彰久」

「カッコイイ?※静香」

「特定の親しい友人を作らないけど鏡と仲良い?※彰久」

「まともにすれば鏡っちはカッコイイ?※静香」

「「それ鏡『っち』じゃない?」」


もう、笑うしかなくないか?

何故ここまで発展すっかねぇ。


「......確かに文化祭で一緒に回っていましたね。仲がいいですから。仲が!良いですから」


いや、何認めてんねん。

てか仲が良いに関してめっちゃ言うやんけ。


なんだろうか、今まで友達というものを避けてたからかなんなのか自分の友達を他の人に取られたくないみたいな感じなのかね?


「まぁ、なんでもいっか!島風さんと鏡っちが仲良かろうが仲悪かろうが私達が口を出す事じゃないもんね!」


なんかいきなり静香が物分りのいい子になっとるー!


「ところで島風さん!友達になろ!」


うん、よくわからん流れが出来始めたぞ?


「ふふーん、甘いねシズちゃん!私はもう島風さんと友達だもん。ね!島風さん」

「え、ええ。そうですね、春風さん」

「えー?でも鏡っちに向かってのように素で喋ってる訳じゃないじゃん!つまり鏡っちが真の友達!私はそこに行きたいんだよ!」


そこで澪の動きがピタッと止まり錆びたブリキのロボットのように首をぎこちなく動かしこちらを見てきた。


ん?どうした?


(もしかしてボクさっき素で話してた?)

(そもそも入ってきた時が素だったぞ?)


口パクでそう会話してると


「ほらぁ!口パクで通じ合うんだよ!これが友達!」

「えー、なら私も島風さんと真の友達になる!」


押しの強い二人にグイグイされている澪。

なんか可哀想だなぁ。

というか大丈夫なのか?


「わ、分かりました。では、お友達ということで。ね?」

「ムー、素では喋って貰えないのかぁ。ならここから仲良くなって素で喋って貰えるようにするもん!」

「私も!」


目線で大丈夫か?と澪に送ったら大丈夫と返ってきたので多分大丈夫だろう。


......目線を感じる。


彰久からのアイコンタクトが来たのでそちらを見ると。


(貴様も湊と同様弄り倒してしんぜよう)


なんやあいつ!静かにしているなと思ったらそういうことか!


「そ、それじゃあ私は帰るので。あ、鏡くん!今日の夕飯はシチューだから!」


そう言って逃げるように帰っていった。


もう隠しとらんし。


てかさ、あいつ爆弾を置いて帰ってったんだけど。


「「「「通い妻?」」」」

「ちゃうわぁぁぁぁ!!!」


無慈悲なる追撃を受け叫ぶのであった。



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